GRANRODEO LIVE 2017 G12 ROCK☆SHOW 道化達ノ宴 <前編>
「一度でいいから見てみたい、女房がヘソクリ隠すとこ」
笑点で桂歌丸が盛んにやっていたので、今コレをご覧の若い方々の中にも聞いたことのある人がいらっしゃるかもしれない。
ま、あんまりいい「くすぐり」じゃあないな…。
「くすぐり」というのは落語の専門用語で当世風に言うののであれば「ギャグ」ということになるか。
「オイ、蛇ってヤツはなんだい?アレはどうなってんだい?アタマからすぐにシッポになってやがら!」…なんてのはとても優れたくすぐりではあるまいか?
コレは昭和の大名人、五代目古今亭志ん生のくすぐり。
今、落語が若い人の間でチョットしたブームになっているとか…。
私も遠い昔、学生の頃、落語に夢中になったことがあったのでそんな話を聞くとうれしい気がする。
そして、私が「一度でいいから見たかったもの」はコレ。
日本武道館………自体は41年前からもうさんざん見てる!
そうではなくて、日本武道館のGRANRODEOだったのだ!
さいたまスーパーアリーナや幕張メッセ等、武道館より大きな会場では何度も拝見しているが、ココでのGRANRODEOをこれまで目にしたことがなく、G12でようやくチャンス到来!
2日興業のうち、第1日目の9月22日にお邪魔させていただいた。
Rainbow、KISS他、日本武道館の舞台でこのMarshallの壁を一体何度目にしてきたことだろう?
しかし、今日はGRANRODEOのMarshallの壁!
他のMarshallの壁とは異なり、親近感が横溢する感慨深いものだ。
やっぱりコレですよ、ロックは!
皆さん、Marshallの壁を見ると「カッコいい~!」とよろこんでくれる。
そうです、カッコいいんです。
若い人達は気の毒に…このMarshallの壁を見る機会が極端に減ってしまった。
我々の世代はこの壁だけで「ロックのごはん」を何回でもおかわりできた。
今のコンサートは、まるで砂漠に投げ捨てられた小石のように、どんなに広い会場でも小さなコンボ・アンプがステージの上にポツンと置いてあるだけ。
ヒドイのになると、アンプさえ置いてないステージがあるもんね。
それじゃロックの「口」の字も感じさせない。あ、コレ「口」だ。正しくは「ロ」。
とにかく、コレこそがロック・コンサートの正式な姿なんですよ。
私なんかMarshallの壁は今でもうれしいんですよ。
Marshall Guy冥利に尽きるってものだ。
足元のようす。
とてもシンプル。
大会場でのコンサートだからといって大ゲサなボードがセットされているワケではない。
Marshallの純正フットスイッチ「PEDL-10001」がうれしいね。
もちろん会場は満員!
最近、会場の大小を問わずプレスピットに入った際、ときどき最前列のファンの皆さんにスマホの画面を見せて「Marshall Blogを見たことがありますか?」とお尋ねすることにしている。
「あ、知ってる~!写真がカッコいいヤツですよね~!」…なんて言ってもらえるとすごくうれしいね。
そして、「コレ、私が書いているんですよ!」と伝えると「ウッソ~!ウ~ケ~る~!」なんてやってくれる。
若い人は楽しい…明るくて。
反対にもしご存知ない場合には、大きなお世話かも知れないが教えて差し上げる。
要するにMarshall Blog宣伝特攻隊だ。
こんな記事でもファンの皆さんに楽しんで頂いて、Marshallの魅力を知ってもらえればうれしいからね。
この日のGRANRODEOのファンの皆さんはご覧になって頂いている方が多くてうれしかった。
拡散よろしくお願いします!
なんてことをやっていると客電が落ちる。
大歓声!
おお~、感激~!
大会場でのコンサートで最初に訪れる興奮の場面だ。
いきなりの爆発音で観客の度肝を抜いた後、黒マントの男女がステージに現れる。
その数が徐々に増え、和太鼓を使った曲に合わせ、ステージの男女が踊り出す。
そして、重低音とレーザーに包まれてステージ後方に現れた2つの人影。
グワ~!
スゲエ照明!
完全にトリハダよ、トリハダ。
オープニングは「Pierrot Dancin'」。
GRANRODEOのコンサートはロック少年だった頃の自分に立ち返らせてくれる。
初めてロック・コンサートを見た時の感動だ。
場所はココ日本武道館。
その時、ステージにいたのはRitchie Blackmore's Raibowだった。
あの時と同じ感動を今、味わっている!
続けて「恋はmirage」。
ステージの上に吊られた照明設備が曲に合わせて動き、変幻自在の光世界を演出する!
もう1曲、矢継ぎ早に演奏したのは「Punky Funky Love」。
おなじみFire Hornsがジョインしてのエキサイトメント!
なんだか、オープニングの演出といい、Fire Hornsの早い出番といい、3曲目にして早くもコンサートをフルで1本観たぐらいの充実感だよ、コレは!
そして、音がいい!
「ロックの殿堂」なんて聞こえはいいけど、昔、ココは音がゴワンゴワン回っちゃってスゴかったんだから。
ヘタをすると音がゴチャゴチャでナニを演っているのか聴き取れない時もあった。
PAシステムの進化で今ではそんなことが全く信じられないぐらいの高音質でGRANRODEOの音世界を楽しむことができる。
それと、今の若い人は信じられないかもしれないけど、40年ぐらい昔はお客さんがイスから立つことも固く禁止されていたんだから。
Ted Nugentというアメリカのミュージシャンのコンサートの時、興奮して立ち上がった外人の客とそれを静止するアルバイトの警備員の間で取っ組み合いのケンカになった、
始めは1対1だったけど、すぐにお互いの助っ人が加わり、アリーナの後ろの方で大規模なケンカが発生したことがあった。
身体がデカいだけに外人が優勢だったな。
私にとってはそんな思い出もある武道館なのだ。
「武道館へようこそ!昨日まで晴れていたのに安定の雨!会いたかったぜ~、武道館!」
「平日…しかも雨。お足元の悪い中ありがとうございます!最後までよろしくお願いします。
ギターのe-ZUKAです!」
…と、軽いご挨拶とメンバーの紹介をして次のセクションへ。
グバーっとCO2噴射!
曲はMarshallのコンボ・アンプをトラックの荷台に乗せたMVでおなじみの「Glorious Days」。
コレもカッコいい曲だよね~。
Fire Hornsを舞台に呼び戻す。
最近作『Pierrot Dancin'』から「Fake lover's true heart」。
キメの後のギター・ソロ。
スウィープ、ディミニッシュのアルペジオ、メロディアスなフレーズをカマしておいて猛烈なシュレッディング。
ムダが一切ないストーリー性に富んだソロがe-ZUKA流。
コレをMarshallのトーンでやってくれるワケ。
そりゃ最高なモノができるにキマってるわ。
アウトロのソロもいいんだ。
そして意表をついたエンディング。
ごちそうさまでした!
同じく『Pierrot Dancin'』から「ナミダバナ」。
目にも止まらぬ和風のスピード・チューン。
7弦ギターの出番。
こういうタイプの曲は日本のロックのお家芸であり特権だ。
西洋のロックでは絶対にあり得ない曲調。
ナゼかというと、日本と西洋ではロックのルーツが違うからなんだよ。
しかし、最後のサビのバックのe-ZUKAさんのギター、ヤケクソにカッコいいな。
「♪ウォ~ウォ~ウォウォ~ウォ~ウォ」の「FAT SHAPER」も『Pierrot Dancin'』から。
そうそう、前回のダイバーの時のレポートに「モッパーさん」のことは書いたんだけど、肝心なことを書くのを忘れちゃった。
この曲の歌詞の頭…「モーパッサン、FAT、塊」とあるでしょ?
コレはモーパッサンが1880年に発表した短編『脂肪のかたまり』のことですな?
どこで読んだのか思い出せなんでいたのだが、さっき思い出した!
大学の文学のゼミで読まされたんだわ。
当時やっていたバンドにノメリ込んだせいで、見事にそのゼミの単位は落としたが、『脂肪のかたまり』は読んで結構ショックを受けた記憶がある。
人間のエゴを綴ったイヤな話だよ。
岩波文庫にあるからGRANRODEOファンの皆さんも読んでみるといい。
岩波の文庫は絶版にならない。すなわち、岩波文庫で出版されている小説は「名作」とか「人類にとっての重要文学作品」とかいうことになっている。
この曲は「ライブの目玉のひとつとなるように~、なるように~」作ったかのようなおいしさがにじみ出てるよね。
おふたりの計算通り、この日も大いに盛り上がったのであります!
普通の人間ならこの「♪ウォウウォ」は一緒に歌わずにいられないもんね。
雨の日の武道館の思い出にみんなでタオルを振り回したのは「NOT for SALE」。
皆さん、夢中になっていておわかりかどうかわからないけど、こっちは写真を撮ってるでしょう?
見えるんですよ…ピンスポットに当てられたすさまじいホコリが!
武道館ぐらい広ければさほど気にならないけど、小さなライブハウスなんかだと、気管の弱い人はヤラれるぞ!
51年前にジョン・レノンやポール・マッカートニーが見たのと同じ光景を目の当たりにしている。
身て!
美しすぎる今日の照明!
こうなるとシャッターを切っている方も楽しいですよ。
露出の調節がムズカシイけどね。
ココで『Pierrot Dancin'』から離れて「名も無き日々」。
これまたストレートなドライビン・チューン。
演者も観客も照明も休むヒマまったくなし!
そこでコレだよ、「Can Do」だもん。
もう演っちゃう。
前回のダイバーの時も確かそうだった。
人気ナンバーだけに客席の盛り上がり方が尋常じゃないだよね。
私だってゴキゲンだもん。
「Can Do」が終わったところでシーンが一転する。
会場は暗闇に覆われ、ステージには仮面姿の男女が…。
このシークエンスは「道化達ノ宴#2」。
続々と数を増やしていくダンサー。
一糸乱れぬ演舞はコンサートを後半へと導く間奏曲となった。
続いて瀧田さんのソロ。
瀧田さんのソロもいつも最高にエキサイティングだ。
いつも通りの各メンバーのア・カペラのソロからe-ZUKAさんのソロ曲を題材に展開するインスト・コーナーへ。
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