NATALドラム・クリニック by ペギ&翔太朗
初めて来た…八王子のMatch Vox!
以前からお邪魔したいとは思っていたんだけど、ウチから遠いこともあって、なかなかその機会が訪れなかった。でも今回、ペギちゃんがそのチャンスをひねり出してくれた。
グッドモーニングアメリカのペギちゃんのドラム・クリニックだ。
ペギちゃんのドラムスといえば…そう!
NATALね。
そのNATALつながりで仲良しの翔太朗くんをゲストに迎えた企画。
コレがメッチャおもしろかったんよ~!
さすがグッドモーニングアメリカのホームだけあって店内にはこんな寄せ書きが。
さて、今日のデモンストレーターは…
まずは西の横綱。
グッドモーニングアメリカから、ペギ!
当然いつもステージでペギちゃんが使っているNATALのドラム・キットが持ち込まれた。
10"、12"、16"、24"のメイプル。
フィニッシュはシルバースパークル。
スネアドラムは14" x 6.5"の同じくメイプルのステイヴ・スネア。
「ステイヴ」とは「桶」のことね。
普通のスネア・ドラムとは異なり、縦に木を組み合わせて、まさに桶状に組み立てられているNATALの人気商品。
翔太朗くんもいつもはシー・スパークルという青いメイプルのキットを使ってくれているんだけど、今回はちょうどツアーのための機材運搬の都合で持参できず。
ってんで、ウチから持って来たのがアッシュのキット。
12"、16"、22"のシンプルなセット。
ラーメンで言えばチャーシュー、メンマ、ナルトだ。これだけで十分においしい。
フィニッシュはブラック・スワール。
以前「スウォール」と言っていたけど、「スワール」に発音を訂正します…今ココで。
スネア・ドラムは14"x5.5"のブビンガ。
パリっとした音が気持ちいいのだ。
…と機材は揃った。
役者も揃ってる。
さて、この2台のドラム・キットをどう配置しよう…と、みんなで色々と考えた。
普通であれば当然ステージにドラム・キットを乗せてお客さんの方に向けるところなんだけど…。
結果、フロアの真ん中にキットを2台設置して、お客さんにはステージとその他の客席スペースに座って頂こうということになった。
この通り、2台のドラム・キットが角を突き合わせたようなルックス。
これが大成功!
ペギちゃんのグレート・アイデアだ。リハーサル。
バッキング・トラックの動作確認や音量のバランスをチェックに余念がない。
で、ペギちゃんは時間が空きさえすれば、いつでも練習してるんだよ。
PCに向かって真剣な面持ちの翔太朗くん。
実はバッキング・トラックにトラブルが発生したようで、色々と対処を試みている所。
でも慌てず、お店のPCに詳しい方の援助を仰ぎながら難なく問題をクリア。
私です。
さぁ、「♪明るく陽気にいきましょう!」…とは、ぴろきではないので言わなかったけど、冒頭でNATALについて説明させて頂いた。
若い方を中心に満席状態だ。
そして、ペギちゃん登場!
ペギちゃんとは6月にも日本工学院八王子専門学校さんでNATALのクリニックを開催させて頂いた。
その様子はコチラ⇒ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子
今日は雰囲気がゼンゼン違うよ。
そして翔太朗くんも登場!
おお~、茶系で統一した帽子にストールがバッチリじゃん!
まずはご挨拶代わりに1曲ずつ演奏してもらった。
先行はグドモさんチームで「コピペ」。
人気のグドモ・ナンバー。
実はこの前日も渋谷のO-WESTで開催された『凌ぎ合う』でペギちゃんと一緒だった。
その時にアンコールで演奏したのが「コピペ」。
場所も、形態もゼンゼン違う環境で2連チャンで聴いた!
クリニックだろうとなんだろうと容赦なくNATALを打ち込むペギちゃん。
もちろんNATALもピッタリとペギちゃんのアグレッシブなプレイに着いて行くよ。
ペギちゃんは翔太朗くんのことを「ストールの男」なんて呼んでいたけど、ナンカ若い頃のマーカス・ミラーみたいですな。
「イナセなドラマー」感タップリ!
翔太朗くんらしいドッシリしたドラミングはいつ聴いてもカッコいい。
アッシュもすごくいいんじゃない?
このレポートでは先にやってしまったが、演奏の後はドラマー・サイドの観点で使ったNATALの解説を詳しくしてもらった。
材質や音の特徴、気に入っているところ等々。
せっかくなので、24インチと22インチのバスドラムの音の違いなんかも実演してもらった。
恥ずかしながら、この日初めて知ったのは口径が2インチ、すなわり5.08cm違ってもバスドラムから出て来る音のピッチは変わらないということ。
ところが、音の奥行きの違いがあまりにも違うのでビックリ!
クリニックではお定まりの「練習方法について」や曲の中で使われているドラミング・パターンを実演を交えて解説してくれた。
そして、ふたりがドラマーとして、バンドの創作活動に音楽的にどう参加しているかを熱心に語ってもらった。
こういうのは面白いね。
私はドラマーではないので、「ドラマーがナニを考えているのか?」、結構目からウロコが落ちるような話だったな。
こういう話を聞くと、ますますグドモやマジックの音楽を聴くのが楽しみになる。
「ああ、コレがあの2人が言ってたヤツか~」みたいな。
あ、ナベちゃん、Zildjianの解説も知ってる範囲内でしておきましたから。
オマエがZildjianのナニを知っているんだ?って?
へへへ、ナニを隠そう、日本で最初に出たZildjianの歴史本、『ジルジャンの軌跡(The History of Zildjian)』の日本語版の翻訳の監修は私が担当したのだ!
下訳の仕上がりがかなり厳しくて、結局原文をすべて読んでしまった。
それでだいたいのことは覚えちゃった。
好きなジャズのドラマーがイッパイ登場したので面白かった。
次もスペシャル。
またしてもペギちゃんが持ってきてくれたアイデアでこの日ならではの企画が実現!
それは曲のSwitch。
つまり、翔太朗くんがグドモの曲を、ペギちゃんがマジックの曲を演奏したのだ。
翔太朗くんはナニを演奏ったのかというと、「鉛色のスターゲイザー」。
コレはメッチャ面白かった。
金ちゃんの声に、幸一ちゃんのギターなのにドラムがMAGIC OF LiFE!
ペギちゃんの「♪オッオッオッオ」もいいね~。
やっぱりガラっとサウンドが変わるよね。
そう、ロック・バンドの要ってドラムスとボーカルズなんですよ。
ギター・アンプ屋が言うのもナンですが、ロック・バンドってギターやベースが変わっても、あるいはマズくても、聴いている分にはマァ何とかなる。
でも、ひとたびシンガーとドラマーが変わるとそうはいかない。
ヘタをすると、ゼンゼン違うバンドになってしまい、クォリティが極端に上がり下がりするのだ。
もちろんギターやベースも大切。
「アンサンブル」を重視するのであれば、どちらかというとベースの方が重要だろうね。
ギターは仮にヘタクソでも「個性」として乗り切れることがあるけど、ベースはそうはいかない。
反対にいいバンドってたいていいいベーシストがいるものだ。
ついでに言うと、ジャズのオーケストラもやっぱりドラムが一番重要なんだよね。
ドラムスと、メロディを奏でる「リード・ラッパ」と呼ばれる「第1トランペット」の2人の良し悪しで20人近くで編成されるオーケストラの良し悪しのすべてがキマってしまうと言われているんだよ。
ペギちゃん、このコーナーが大スキで、実際にお客さんにジャンジャンNATALを叩かせちゃう!
お、若きドラマー!ウマかった!
将来のNATALのお客さま、よろしくお願いします。
「お父さん、お母さん、今日ペギさんと翔太朗さんのドラム・クリニックに行って来て、そこでスゴイものを見たんだ!」
「おう、それはヨカッタな!一体ナニを見て来たんだい?」
「ナタールだよ!ナタール!」
「『ナタール』?何だいそれは?頭痛薬かなんかかい?」
「違うよ!ドラム・キットだよ!ボク、ナタールのドラムキットが欲しいんだ!」
「あ、そうか!ドラムスのナタールか!道理でどこかで聞き覚えのある名前だと思ったよ。
アレは音は最高だし、値段もお手頃だってみんな言ってるぞ…ナタールを選ぶなんてさすがお父さんの子だ!
お父さんもドラム・キットを買うなら絶対ナタールがいいと思っていたんだ」
「じゃ、買ってくれるの?!」
「ああ、ただしナタールじゃなきゃダメだぞ!ヘタな買い物はしたくないからな」
「やった~!将来、ボクもジーン・クルーパを目指すぞ!」
…なんて会話がこの後、彼の家であったかどうかは知らない。
若い方々に説明しておきますが、「ジーン・クルーパ」とは、ジャス・ドラム史上最も偉大とされる1930~40年代に一世を風靡したアメリカのジャズ・ドラマーです。
Marshallの創始者、ジム・マーシャルは元々はドラマーで、ジーン・クルーパがジムのアイドルでした。
ガールズも容赦せず。
はじめは少し端化しそうなんだけど、すぐ楽しくなっちゃう。
続いては、コレもクリニックには欠かさないQ&Aコーナー。
事前に質問を集めて置いて、2人には私が選んだ質問に対して答えて頂いた。
当然、笑いが絶えませんな~。
私としては、少しでもお客さんに笑って頂こうと必死です。
クリニックが成功するかどうかは、「笑い」が多いかどうかなのよ。
私はMarshallのクリニックを全国で数え切れないほどやったんだけど、結局コツは商品の説明ではなくて「笑い」だということを学んだ。
話がツマらないと、どんなに上手に商品を説明しても、素晴らしいデモンスストレーションをしてもお客さんを惹きつけることはムズカシイ。
エ?それにしてはヘタだったって?
ホっとけ!
恒例のプレゼントコーナー!
ハイ、クイズ。間違い探しね。
ちなみに間違い探しは英語で「Error recognition(エラー・リコグニション)」という。
問題です…♪ジャカジャン!…上の写真と下の写真の翔太朗くんの大きな違いはナンでしょう?
チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ…はいブー!
答えはストールです。
上はストールを首に巻いているけど、下の写真ではそれを着けていないでしょう?
翔太朗くん、自作の練習パッドの他に、臨時のプレゼントととして、抽選で当たったお客さんに首に巻いていたストールをその場で差し上げちゃったの!
太っ腹!
やっぱり見た目はウソをつかないね!
あ、私も「太っ腹」なんですけどね…見た目だけ。
ぺぎちゃんはマメでね~、使用済みシンバルやらナニやら、いつもこまごまとグッズを用意して来てくれるのです。
ペギちゃん名物の「Tシャツプレゼント」。
Tシャツのプレゼントなんて珍しくないのにナゼ「名物」かと言うと…ペギちゃんのプレゼントしてくれるシャツは新品ではなくて、既にペギちゃんが着用したモノなのです!
もちろん完璧に洗濯は済ませてあるよ。
だから抽選に当たったファンにはタマらないアイテムなのだ!
最後のコーナーもペギちゃんが練って来てくれたアイデア。
ふたりがドラムスに向かう。
曲は色々悩んだが、結局先ほどの「レパートリー・スイッチ・コーナー」で翔太朗くんがプレイしたグドモの「鉛色のスターゲイザー」を再演することになった。
さっき見せてくれた通り、チャンとさらってきているので翔太朗くんのドラミングは完璧。
そして、本家、余裕のドラミング!
火花散らす…というより仲良しのドラマーが、心からドラムスを、そして音楽を演奏することを楽しんでいるようだった。
その2人をつないでいるのは…NATAL!
さて、Marshall Blogでも2回にわたってレポートしている通り、無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
明日、10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースするよ~!
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
一方、MAGIC OF LiFEはニューアルバム、『Niemeyer』を引っ提げて全国ツアー中!
MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site
そして、11月11日には再びココ八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
グドモは当然だけど、MAGIC OF LiFEも登場するよ~。
コレも楽しみだね。
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト
イヤ~、我ながら本当に面白いイベントだったな~。
欲を言えば、もうチョットしゃべりたかったか?
しかも昔のロックの話。
ダメね。コレをやっちゃうと若い人たちイヤがっちゃうのね…レッド・ツェッペリンとかジミ・ヘンドリックスとか。
ところで、講義の内容やQ&Aの細かい内容は故意に割愛させてもらいましたよ。
イジワルでしょう~?
違うのよ!
もしそのあたりを見たり聞いたりしたかったら、是非、現場へ来てください…ということなの。
クリニックはPCやスマホの中で起こってるんじゃない!
現場で起こっているのさ!
そうそう、ひとつ驚いたことがあったんだ!
終演後、楽屋でお店の方に「ペギちゃんのお友達」というドラマーをご紹介して頂いた。
彼もNATALを高く評価してくれていて、とてもうれしかったんだけど、アレ?チョット待てよ…。
どっかで会ったことがあるナァ~…と思って二、三質問をさせてもらってビックリ仰天!
昔、私はマキシマム・ザ・ホルモンのベースの上ちゃんとお仕事をさせて頂いていた時期があったのね。
で、ある楽器のPRで、ベースマガジンの付録DVDの撮影があった。
その時、上ちゃんが連れて来たドラマーはまだ子供、子供した弟さんでね。
でも、演奏はバッチリだった。
その楽屋で会った彼というのは、その上ちゃんの弟さんの「上原晃」くんだったの。
スッカリたくましくになっちゃって言われなければゼンゼンわからなかった。
お互いに「あ~、アノ時の!?」なんて言っちゃって。
更に驚いたことには西村守くんのFury of Fearのサポートもやったことがあるっていうんだよ!
長いことやってるとこういうことが起こっておもしろいね。
…と私が楽屋でこうしている間に、ホールではドラム・キットを片づけるまでの寸暇を惜しんでグドモの「言葉にならない」をお客さんみんな演奏していたようだ。
最後に出演者3人で記念撮影…っていうのはウソ。
翔太朗くんの首にはお客さんにプレゼントしてしまったストールが巻かれているからね。
コレはリハ―サルの後に撮った1枚。
とてもいい記念になりました。
ああ、またやりたいナァ~!
<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。
パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。
カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
(一部敬称略 2017年8月3日 八王子Match Voxにて撮影)