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2017年2月 4日 (土)

【号外】 星牧人さんのこと

また訃報だ。
ジャズ・ピアニストの星牧人さんが2月1日、虚血性心不全のためこの世を去った。
まだ44歳の若さだった。
星さんのお名前はロック・ファンの方にはなじみが薄いことであろうが、Marshall Blogには杉本篤彦さんの記事で数回ご登場頂いていた。
星さんは国立音楽大学を卒業後、ピアニスト、キーボード・プレイヤーとして和田アキ子、平井堅、ダイヤモンドユカイ等のサポートを務めるかたわら作編曲家として活躍していた。
多数の杉本さんのアルバムに参加し、まさに「片腕ピアニスト」的存在だった。
  
私が初めて星さんにお会いしたのは、2015年の『真夏のJazz葉山』に二回目にお邪魔した時のことだ。

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真夏のイベントゆえ、外はうだるような暑さ。
ところが、この会場の楽屋は携帯電話の電波が入らないため、用を足すにはいちいち熱暑の屋外へ出ねばならない。
この時、星さんとはその出入りでスレ違う程度で、最初のご挨拶の時以外はほとんどおしゃべりをする機会がなかった。
何しろスゴイ暑さだった。
ミュージシャンの皆さんもオフ・ステージではラフな格好をしていて、星さんも例外ではなかった。
確か白いジャージを来ていらっしゃったような気がする。
そして、杉本グループの出番になった。
ステージ上のメンバーを見てビックリした。
さっきまでのラフなジャージ姿はどこへやら、ビシッと黒いスーツに身を包み、中折れ帽をかぶった星さんがピアノの前に座っていたのだ。

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身幅は異なるにしろ、その姿は私の大好きなピアニスト、ウィントン・ケリーを思わせた。
終演後に「ウィントン・ケリーみたいでしたよ!」と伝えるとニコッとしてくれた。

9_wyntonkellybw もちろん颯爽としたプレイもウィントン・ケリーのようで、杉本グループの演奏の大きな見どころのひとつだった。
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その次にお会いしたのは杉本さんの公開レコーディングの時のことだ。

20 コレがその時の杉本さんのアルバム、『Tomorrow Land』。
星さんはこのアルバム以外に『Magic』、『Cheer!』、『Black & Blue』、『Blue Moment』といった杉本さんのアルバムに参加している。
星さんはまさに杉本さんの相棒の鍵盤奏者だったのだ。
10cd
実はこの時、はじめて星さんと言葉を交わし、すぐにfacebookで友達の申請をしてくれた。
私は、星さんとお近づきになりジャズ・ピアノの話をする機会を楽しみにしていた。
Marshallの仕事だと、ジャズ・ピアニストと接する機会なんか滅多にないからね。

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そして、昨年の夏。
また葉山の季節がやって来た。

150 この時、星さんはピアノだけではなく、「今日はコレも使うんですよ!」と赤い小さなキーボードを見せてくれた。
その姿がとても印象的だった。
この時もリーダーの杉本さんの音楽を完全に咀嚼したプレイで、ソロにコンピングにと素晴らしい演奏を聞かせてくれた。

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この時、あいにく私は日比谷野音でもうひとつ仕事が入ってしまい、トップ・バッターの杉本さんのグループの演奏が終わった後、挨拶もソコソコに葉山を後にしなければならず、星さんとおしゃべりする時間など全くなかった。
つまり、星さんとジャズの話をする機会を永久に失ってしまったのだ。
そして、あのピアノがもう聴けないことがとても寂しい。
今年もごく普通に葉山でご一緒できると思っていたのに…。
  
才能あふれる若きピアニストのご逝去に際し、心より哀悼の意を表します。

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<星さん関連の記事>
● 15th 真夏のJazz葉山 <前編>
● 杉本篤彦のニューアルバムはJVM!~公開レコーディングの現場から
● 16th 真夏のJazz葉山~杉本篤彦グループ

  

(一部敬称略)