MEJIBRAY at 日比谷野音~盲目の猫を殺した猛毒
「今年の野音もコレが最後かな…?」と思いつつ日比谷公園に向かう。
Marshall Blogには早くも二度目の登場となるMEJIBRAYのコンサートだ。
タイトルがまたスゴイ…『盲目の猫を殺した猛毒』。
ステージにはMarshallのフル・スタックがズラリ。
これも「見慣れた光景」と言いたいところだが、最近はロックの衰退とともに見かける機会が減少してしまった。
昔のロック・コンサートのステージはいつもこうだった。
これが正しいロック・コンサートのステージの景色だ。
小学生の背中にランドセルがあるように、ギタリストの背中にはMarshallの壁があった。
イヤイヤ、「あった」だなんて…今でもナンバーワンのロック・アイコンとして世界のロック・ミュージシャンに愛され続けている。
日本のロック・シーンはJ-POPが席巻し、草食系一辺倒になっちゃったからね。
コッテリとした脂っこい肉食系ロックがハジッコに追いやられちゃった。
何しろAC/DCのコンサートのチケットが売り切れない先進国は世界で日本だけらしいから。
そんな環境だからMEJIBRAYのステージがひときわ映えるわな~。
いよいよ開演。
メンバーが上下に分かれて登場し、ショウはスタート。
コレがですね~、独特の世界なんだわ~。
オープニングは「VENOMS」。3枚目のミニ・アルバム『VENOMS.app』のタイトル・チューン。
2曲目は「伽と知能-それってとても人間らしいって神様は笑ってるの-」。
もういきなり銀テープ炸裂!
コレ、普通コンサートでは最後にやるのに!これがMEJIBRAY流!
スピード・チューンの「マダリ」から「SUICIDAL WORD GAME」へとつなぐ。
もう会場は完全に興奮のるつぼね。
親しみやすいマイナーなヘヴィ・チューン、「BI"name”JIKA」。何て読むのかは知らない。
マァ、ものスゴイ人気のMiAくん。
ステージ上手の客席からは「ミア~、ミア~」とひっきりなしに歓声が…ネコじゃないっつーの。
ダウン・チューニングを活かしたドヘヴィな「Mr.レインは死んだふり」。
こういう曲はいかにもMEJIBRAYらしい。
ミニ・アルバム『盈虧』から「人間」。
ちょっとクラシックなロックのイメージがあってカッコいいな。
「盈虧」ってのは「月が満ち欠けすること」だったよね。
ウツボカズラの「ネペンテス」。
今年4月にリリースされた12枚目のシングル曲だ。
ここで再び間があって後半に入るワケだが、このバンド、特にMCらしいMCがない。
「ハロー、トーキョー」でもなければ「ノッテルか?」でも「楽しんでるか?」でも「グッズ買え」でもない。
もうただひたすらモクモクと演奏するだけ。
その美学がまたいいね。
そしてMiAくんはギターを弾いている間、ほとんど客席を向いてる。
ソロの時にチョット指板を見るぐらい。
コレも大変なことだよ。
やれったって、チョットやソットじゃできない。
「美学」の塊りなのだ。
後半は「蜈蚣」でスタート。「ムカデ」ね。
ちなみに!
こんなに難読漢字が出されるので対抗させてもらおうじゃないか…英語で。
「ムカデ」は「百足」って書くでしょう。
「百足」は英語で「centipede(センチピード)」といいます。
「cent-」は「百」を表すのね。だから「一世紀」を「century」というし、100個集めてメートルになるから「センチメートル」でしょ。
また、「ped-」というのはラテン語で「足」を意味する。
「ペダル(Pedal)」の「ped-」がそれ。また、足の爪のマニキュアのことを「ペディキュア(pedicure)」っていうじゃない?あの「pedi-」が「足」っていう意味なのね。
だから、「百足」というのは、「cent-」と「-pede」で英単語の直訳というか、直当て字だったんですね~。
脱線の脱線…「man」というのはラテン語で「手」を表す。それを「cure」、すなわち「治療、手入れ」するからマニキュア(manicure)というんですね~。
もうイッチョ…「ヤスデ」というのは英語で「millipede」という。「milli-」というのは「millenium」の「milli-」…つまり「千」のこと。
ムカデとヤスデ、どっちの足が多いかは知らない。
あ~、マーブロはためになるナァ。
野音に戻ろう。
ショウはますますヒートアップ。
凄まじい勢いで「BOWWOW」をプレイ。
メトくんのバスドラムがバッチンバッチン大暴れだ!
綴くんのデスボイス炸裂!ナニを歌っているのかはサッパリ聞きとれないが、何しろスゴイ迫力なのよ!
一旦落として「kairi」。コレは自殺をテーマにした歌なんだね。スゲエな。「kairi」は「乖離」?
またまたちなみに「自殺」は「suicide」、「殺人」は「homicide」、「集団自殺」は「genocide」「殺虫剤」は「insectcide」、「除草剤」は「herbcide」…まだまだたくさんある。
「殺す」関係の英単語は大抵「-cide」がつく。「cide」はラテン語で「殺す」という意味だ。
またまたもひとつ。
「suicide」は純然たる名詞で動詞を持たない。だから「自殺をする」と言いたい場合、「commit」という動詞を取るのが正しい英語。
「♪ジーッ、ジーッ」の「結果にコミットする」のコミット。「約束する」という意味だ。
いよいよ本編も最終パートに差し掛かる。
「孤毒のカタコンベ」、派手にブチかませ!
イチイチうるさいけど、「カタコンベ」はイタリア語で「地下のお墓」のこと。よく聖堂にあるヤツだ。英語では「crypt(クリプト)」という。イギリスでいえば、カンタベリーにもウェストミンスターにもヨークにももちろんあって、大抵は撮影禁止のエリアだ。
本編最後は「DECADANCE-Counting Goats…if I can't be yours-」。
コレも「死」をテーマの中心に置いた「負」のナンバー。
この「退廃」の世界観こそMEJIBRAY。
本編17曲。退廃しまくって終了!
コレは今月7日にリリースされた14枚目のシングル『パラダイム・パラドックス』。10~11月にかけて二か月連続シングル発売の第一弾。
三種類のバージョンでの発売だ。
オオっと、ホワイト・アウト!真っ白でどこまでがジャケットがわからん!
綴くんのこのスーツ!カッコいい!
まずは上で紹介したシングル「パラダイム・パラドックス」。
これまたMEJIBRAYらしいドロッドロのヘヴィ・ナンバーだ!
ところで、このオスカル風の白い衣装、MiAくんにピッタリだね!っていっても若い人は「オスカル」わかんないだろうな~。
そして、最後の曲。
2013年の「メサイア」。
イヤま~、タップリとMEJIBRAYの独特の世界を堪能させてもらいましたわん。
MiAくん、ありがとう!
さて、MEJIBRAYは先に挙げた『パラダイム・パラドックス』に連続して11月に『SECRET No.03』をリリースする。
ノリにノッてるのだ!
今回も3バージョンが用意されている。
そして、11月上旬から『NEXT MAJORITY VENOMS』と銘打った全国ワンマン・ツアーを敢行する。
千秋楽は六本木のEXシアターだ。
MEJIBRAYの快進撃は止まらない。
MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Website
やっぱりいいな~。Marshallの壁。