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2014年4月

2014年4月 2日 (水)

あ~、観ておいてヨカッタ!~関雅樹+岡井大二セッション

ステージに並ぶMarshall、NATAL、そしてEDENのアンプヘッド…

10_6今日の登場は関雅樹と岡井大二のセッション・グループ。

20_6ギターの関雅樹。
Marshall Blogでは珍しい部類に入るジャズ系のギタリストだ。「ジャズ・ギタリストなんて呼んでくれるのシゲさんだけですよ!」なんて言うが、まぎれもないジャズ・ギタリストだ。

30v_6愛用しているMarshallは1987のコンボ・バージョン2187。数年前に日本で50台だけ限定で復刻発売した。白いヘッドはJCM800 2204。おなじみ2203の50Wバージョン。

40_4足元のようす。これでもかなりシンプルになった。

50_4ベースはDEENのサポートなどでもおなじみ名手、宮野和也

60v_3宮野さんが使っているベースヘッドは…

70_4EDENのフラッグシップモデルWORLD TOUR 800。

80_3そしてドラムは岡井大二。説明は不要。

90_6大二さんもNATALを大変気に入ってくれている。

100v_2前回まではアッシュのキットを使用していたが、今回はバーチ・キットに切り替えた。コンフィギュレーションは12"、13"、16"、22"、14"x5.5"。「Rock」というキット。

120v_3この日はホントにモノスゴイ演奏だったんよ。
1曲目はMilesの「All Blues」。
静まりかえった空間にルパートでスペイシーな関ちゃんのギターが流れ込んでくる。
そして、有名なテーマが聴こえる瞬間はトリハダだ。

140v_5大二さんのへヴィ級の4ビートがタマラン!
関ちゃんのソロ後半が激情のアウト地獄。いくら暴れても紳士的なところがこの人のギターの魅力だ。

150_3そこへピアノの石井為人さんが加わって、2曲目からはカルテット編成となる。またこの為人さんがタマランと来てる!

170_6曲は10年前に関ちゃんが書いたという「New」という曲。ゴキゲンなファンク・ビート。またしても関ちゃんはアウト攻撃。さらにディストーションをカマしてロック・フレーズで盛り上げていく。

170v_3為人さんのソロ。まるでレコードを聴いているような安定感と深みがスゴイ。Ray Charlesとも一緒に演奏した人だからね。

160v_43曲目はビートルズの「Dear Prudence」。
フフン、知ってんだ。関ちゃんHiram Bullockが好きなことを…。で、Hiramは『Manny's Car Wash』という自身のトリオのライブ盤でこの曲を演ってる。Hiramのは熱狂的なビートルズ信者が聴いたらイヤな顔をしそうなバースを勝手にひっ付けた11分を超す熱演だが、関ちゃんも負けていない。

180v_2ドラムはどこまでもへヴィ。大二さんの叩くNATALの音のひとつひとつがバンドに楔を打ち込んでいるようだ。

190v_3関ちゃんは歌も披露。
実はさっきのHiramのバージョンはバースでは歌っているのにコーラスはインストという妙な構成になっていて、意識していなくてもまさに関ちゃんは向こうを張ったことになる。

Hiram、カッコよかったよね。Blue Note Tokyoの楽屋で一度だけ会ったことがあったが、Hiramが激太りした後で、目があって「ハイ」なんて挨拶されても本当に誰だかわからなかった。

225続いては「I Shot the Sheriff」。フフン、知ってんだ。この曲もさっきのHiramのライブに入ってるんだゼ。コレは偶然か。

8ビートで料理。
ここは為人さんのハードなオルガン・ソロが圧巻だった。

200_3それとメロディアスな宮野さんのベース・ソロ!EDENの超クリアなソロが宮野さんのていねいなプレイによくマッチしている。

210v_4一部の最後は待ってましたの「Lady Violetta」。
ん~、関ちゃんの音、いいナァ。枯れているようで元気がある。
今日の「ヴィオレッタ」えらくテンポが遅い…でもコレでよい。

210_4メンバー紹介でNATALを紹介してくれた大二さん。曰く「新しい音と古い音がいい具合に混ざっていて、余計な音が一切ない」と言ってくれた。なるほど…。この後のプレイで、その大二さんの言葉をイヤというほど実感することになる。

大二さんほどの超ベテラン・ドラマーとなると、道具なんてどうでもいい…なんてイメージがあるけどトンデモナイ!大二さん、ドラム・キットには至ってシビアで、絶対に妥協を許さない厳しいお方なのだ。
そんな人からそのようなお言葉を頂けるとはNATALも幸せだ。

それにしても、何回聴いても、ナニを言われようとも(ナニも言われてませんが…)、「Lady Violetta」は名曲だ。

エンディングを「Sleepwalk」で〆るところは森さん流。

220v_4第2部のオープニングはJoe Zawinulの「Mercy, Mercy, Mercy」。実はコレ、演る予定ではなかったが、突然演目に加えられた。

220_3元々は2曲目に演った「Red Baron」で2部はスタートするハズだった。Billy Cobhamの人気盤『Spectrum』に入ってるヤツね。

ここでは宮野さんのベース・ソロが大爆発!イヤ~それにしてもEDENは音が抜けるな~。聴いてるこっちの腰が抜けるわい!

230v_5為人さんもオルガンでガンガン攻めちゃう!

240_4関ちゃんも気合の入ったソロで応戦。聴きどころ満載の極上プレイ。

250v_2しかしね、この日の最大の聴きどころは次にあったね。
またMilesで「So What」。
これがさ、テキトーにロックっぽく演るかと思ったらゼンゼン違う!まるで『"Four" and More』のような急速調の4ビート。キャ~ッコエエ~!

260_5もうとにかくすさまじかったのが大二さん。この演奏に文句をつける者は、この世にまさかいまい。Tonyも真っ青のドラミングだ。
ロックのパワーを思いっきりスイングでねじ伏せたようなプレイ。一時も目を離せない。
そして、この音!もちろん大二さんが叩いているからなのは百も二百も承知なのだが、大二さんがおっしゃていたことがよくわかる。「余計な音がない」…音はデカイのだが、ま~ったくうるさくない。
Elvin Jonesを見た時もこんな感じだった。
大二さんの打擲を一身に受けて懸命にいい音を出そうとする健気なNATALを惚れ直してしまった。

270v_2こんなドラムじゃフロント陣もイヤでも燃えてしまう。『"Four" and More』のMilesやGeorge ColemanやHerbieもこんな感じで、Tonyのドラミングで爆発したんだろな。

280v為人さんのソロでは関ちゃんもコンピング控え、極上のピアノ・トリオに!

290v_2また宮野さんのソロも素晴らしかった!バッキングのベースラインも最高だった。

300_3このあたりで出ると思ったら出たのがJeff Beck。もうすぐですな~、東京公演。DSL100Hと1960BXをお使いになる予定ですよ~。

310_4関ちゃんの方は「Behind the Veil」。
メチャクチャ甘いトーンでセンシティヴに展開するギター・ソロ。

320_3ここでまた大二さんのソロ。ドシャメシャやるだけがドラム・ソロではない。

330_2ピアニッシモなプレイで一風変わったソロをおみまいしていただいた。

340vもういっちょJeff Beck。
今度は「Diamond Dust」。この曲も案外演る人が多いね。コレは素直なプレイ。

370_4ところがギター・ソロは燃えきっていた!ギターの鬼神と化した関ちゃん、この日一番の弾き込み。

420v_2カデンツァでも空間系のエフェクターを駆使して徹底的に弾きまくっていた。「ロック魂のジャズ」とでもいおうか、ダイナミックなところがすこぶる気持ちいい。

今日のショウが会心の出来だったのだろう、直後のMCでも、「今回の演奏は今年のベスト5になるだろう」…と2月時点で早くも言いきってしまった。
でも、本当にそれぐらいの演奏だった。

430_3最後の曲に移る前にもう一度メンバー紹介。
大二さん、またNATALの紹介をしてくれた。
すごくうれしかったのは「ドラマーが叩いていていい気持ちになるドラム・キットはゴマンとある。でも、一緒に演っているバンドのメンバーまで気持ちよくさせるドラム・キットはそう多くはない。NATALはそれができるドラムだ」って。

岡井大二といえば、キャリアも40年になんなんとする日本を代表するプロ中のプロ・ドラマーだ。今までプレイして来たドラム・キットたるや100や200では当然きくまい。リハも含めれば1,000かあるいはそれ以上か?
プレイとしても、楽器としても、本当にドラムを知り尽くした達人にそんなこといわれりゃうれしいわね。
私自身、大の大二さんファンだし…関ちゃんともにとてもい夜だった!

440v_2最後はPoliceの「Every Breath You Take」。

450v_2関ちゃんアレンジの6/8。

470vすさまじいグルーヴ。サビがまたへヴィでメッチャかっこいい!

480v各人のソロもタップリとフィーチュアされ、最後を飾るにふさわしい選曲だった。

460_2そして、アンコール。実は本当にアンコールをやる予定ではなかった。さて、ナニを演るか?
なかなか決まらない!
「んだから、さっき「マーシー」演らなきゃよかったんだよ~。予定外だったんだから~」なんて声がかすかに聴こえて来るゾ!どうする?

490っと悩んだあげく、The Metersの「Cissy Strut」。あ、そういえば「Cool Struttin'」なんていいんじゃないの?今度…料理しやすそうで…。
その前にリクエストしている「Eighty One」演ってください。

ナニはともあれ、とにかく観てよかった演奏だった!コレ見逃していたら大分損するところだったわ!

で!見逃した皆さんに朗報。
このメンバーが明後日、4月4日の金曜日、また音楽室DXに登場する!今度は見逃さないでね!
「Eighty One」演るかな?「Freedom Jazz Dance」でもいいよ、関ちゃん!

500関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web
岡井大二の詳しい情報はコチラ⇒四人囃子Official Website

510_2Marshall Blogをご覧のギタリストの皆さん!
バンドのドラマーさんに↓↓↓を教えてあげてくださ~い!
NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年2月10日 高田馬場 音楽室DXにて撮影)