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2013年6月 3日 (月)

Music Jacket Gallery~日本独自ジャケットLPコレクション<前編>

Shige Blog 2012年7月18日 初出

実はシゲブログをスタートさせた理由のひとつに「ミュージック・ジャケット・ギャラリーのレポート」というか解説を書き続けたいという欲望があった。

以前書いていたブログが、おかげさまでマスコミ関連等、多方面の方々にもご愛読いただいていたという僥倖もあったが、この無責任にウンチクを固めまくった拙文を楽しんでいただいている音楽ファンが予想以上に多数おいでいただいたということが何よりうれしかったからだ。

私も音楽ファンということにおいては人後に落ちないつもりである。音楽ファンとしてこのレポートを書き続けなければならない…という気持ちになったのだ。もちろんそれを至上の喜びとしていることは言うに及ばない。

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ということで我ながらめでたくMJGレポートを再開させていただいたが、ノッケから読者のみなさんにお詫びをしなければならない。というのは、数か月のブランクの間に2回分の展示をスキップしてしまったということだ。つまり2回抜けちゃったの。

で、今回レポートするのは去る2012年1月から3月まで展示されていたものであるということをあらかじめご了承ください。
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もちろん会場はおなじみの金羊社のギャラリーだ。

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今回のブローアップ・ジャケットはJethro Tullの『ゴールデン・ジェスロ・タル』と…ってそんなのあったか?

…とTodd Rundgrenの『ハロー・イッツ・ミー』。これは持ってた。
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今回は日本のみで独自にデザインや編集された作品の特殊なのだ!コレ楽しみにしてたんよ~!

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その昔、森山周一郎が何かのインタビューで映画の吹き替えを指して「しょせんはステーキのハンバーグ化」と、いいものをワザワザ改悪していると指摘していたのを覚えている。あのジャン・ギャバンの、あのリノ・バンチュラがの、スペンサー・トレイシーの、テリー・サバラスの…あのカッコいいこと極まりない声の持ち主がそういっているのだ。全面的に賛成!
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それが今ではロードショウ公開でも吹き替え版の方が人気があるっていうじゃない?字幕を読むのがイヤだから邦画のほうがいいとかいう若い子も多いと聞く。ま、今のハリウッド映画は今の音楽よりも面白くないと思うので、彼らの意見を一概に否定はできそうにもないが、オリジナル至上主義の私にはとても奇異に映る。
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アニメの隆盛により声優の地位が確立されたせいもあるのだろう。

「最近は外人さんも日本語がうまくなったネェ~」とテレビの洋画劇場を観て感心したお年寄りがいたというのもうなずけなくもない。

でも、この吹き替えという形態は世界的に見れば字幕よりはるかにスタンダードな翻訳手段なんだよね。ま、これはこれで結構おもしろいこともあって、海外に行って日本のアニメが吹き替えで放送されていると思わず見入ってしまったりするものだ。

これが英語の吹き替えだと、まあ、それほどさっぱりわからなくもないのでオモシロ度が低減してしまうのだが、これがドイツ語あたりだとかなり笑える。バイツェン・ビールを片手にスーパーの総菜コーナーで買い込んできたしょっぱいこと極まりないシュニッツェルとハンバーグをパクつきながら、「ナニいってんだコイツ?!」とあのドイツ語独特の妙なサウンドに吹き出しそうになりつつ楽しむのだ。何せ「0(ゼロ)」が」「ヌル」だからね。「ジェームス・ボンド」は「ヌルヌルズィーヴン」だ。
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さて、今回紹介するMJGの特集は、日本で独自に制作された作品たちだ。繰り返すが、展示は2012年の1~3月にされていたもので、現在MJGで開催されている特集の展示アイテムではないことをご了承いただきたい。
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先にも書いたが、実は従前よりこの特集を楽しみにしていた。
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というのも、こうした編集盤、あるいはジャケット違い盤は得てして短命で市場から姿を消すことが多く、見たこともないようなものがゾロゾロと出てくることを期待していたのだ。
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イヤ、もっと正直言うと、すでに申し述べた通り、こっちはガッチガチのオリジナル至上主義。昔の日本のレコードいかに、どれだけ、オリジナル作品を改悪しているかに興味があったのだ。(植村さん、ゴメンなさい!)
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実際、実物を目にすると、あながち「改悪」ばかりではないことにガッカリしたりもするが、ナントいうかナァ…
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猛烈に流行に流されやすい日本人の国民性が垣間見れて大変面白かった!
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もちろん今回も出典は日本を代表するコレクター、植村和紀氏。
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ウチは引っ越しの時、父が勝手にドバっと捨ててしまったが、植村さんはほとんどの帯をキチンとかけっぱなしにしていらっしゃる。やっぱり国内盤といえば帯。帯に臆面もなく堂々と記してある惹句の数々も見どころのひとつだった。

それではいってみましょ~!
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これぞ日本制作盤!なんで昔はこうして来日ミュージシャンに法被を着せちゃってたんだろうね~。もっとも有名なのはビートルズの日本航空の法被か?ハハ~ン、「法被でハッピー」ってか?!

それと必ずついて回るのが「ゴールド」とか「ゴールデン」とかいうタイトル。それこそ金科玉条にひっつけられていた。「ゴールド・ディスク」の印象も強かったのかな?。今、「ゴールドなんとか」とか「ゴールデンなんとか」なんていう名前がついた商品って見なくなったよネェ。金の価値も下がったってか?

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The Chantays(ザ・シャンテイズ)は1961年結成のサーフ・ロック・バンド。私は比較的テケテケが苦手で本当にサワリしか知らない。その貧弱な知識の中に「Pipeline」ぐらいは入ってる…ベンチャーズの曲としてね。

そしたらアータ、「Pipeline」って曲はこのシャンテイズの曲なんじゃないの!1962年の暮れにシングル盤を出して、1963年にはビルボードのヒットチャートの4位にまで昇ってる。63年にはUKヒットチャートにも!
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画像が残ってる。

スゴイよね。このアクション!これがカッコいいっていう時代があったんだからおもしろい。ベンチャーズのリリースはいつだったんだろう?このあたりはウルサ方が多いので深入りはやめよう。

裏面は昔の国内盤の定番的デザイン。これもどうかと思うよな~。ジャズの昔の国内盤なんてみんなこうなっているけど、オリジナルのジャケット・デザインは無視ってことだもんね。もしかしてあまりにもクレームが多くなったので解説を別紙にしたのかしらん?今度、植村さんに教えてもらおう。
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タルよ!お前もか?!…またゴールデンだよ。内容は果たしてゴールデンなのか?…というのもこのコンピレーション、タルのファースト・アルバムの『This Was(日曜日の印象)』とセカンドの『Stand Up(スタンド・アップ)』にシングル曲を混ぜっこしたもので、ちょっと「ゴールデン」出すの早すぎるんじゃない?という印象。だってまだ『Aqualung(アクアラング)』も出してないんだよ!

植村さんは大のタル・ファン、で何しろイアン・アンダーソンとホッケをつついた仲だというのだからスゴイ。1972年に初来日した時の記者会見の時に撮影した写真のカラー・ポジとかもお持ちでいらっしゃる

私も大好きでしてね。植村さんに対抗できそうなのは…ん~、!、イアン・アンダーソンの出身地、エジンバラへ行った…ってのどう?まったくかなわないな。

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でも、ゲイトフォールド仕様だし、写真もカッコいいし、ジャケットしては悪くない。
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解説書も別に仕立てたし…でも、糊で貼っちゃうんだよな~、コレ。
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ウワ!リッチーもロニーも別人のようだ!って、ウソウソ!

1968年のLA出身のバンド、「レインボー」のデビュー・アルバム。アシッド・ロックだってよ。ホーンが入っていてかなり大がかりなバンドらしいが、クレジットされているメンバー11人のうち6人のラスト・ネームがMohrと同じ。Mohrというのはドイツの名前らしいが6人も同じとはコレいかに? 何でも「何妙法蓮華経」のコーラスなんかも入っているらしい。いわゆるサイケデリック・ロック。何となく洗剤みたいなデザインのジャケットだな。

この時代って宗教がかったラリパッパバンドが盛んだったでしょ。Hawkwindとか…。Quintessenceなんて「ジーザ~ズ、ブッダ~」とか長時間あっちの世界へ行ってらして、静聴するのがなかなかに辛い。この後に出てくるGraham Bondなんかもそうだけど、これは結構好き。

実際に聴いたことがないのでYouTubeで音源を探そうと「Rainbow」と入力する。ま、リッチー・ブラックモアズ・レインボーがズラリと出るわね~…と思ったらなんだこりゃ?K-POPかよ!Rainbowっていうのがいるの?ちょっと見てみるか…。(中断)こりゃKALAとまったく見分けつかんわ!

タイトル曲を聴いてみたが、全然印象と違った。他の曲がスゴイのかもしれないけど、このタイトル曲は美しいピアノに絡むフルートの美旋律。「何妙法蓮華経」のテイストは皆無だ。何かよさそうじゃないの、コレ?

それにしてもロックもずいぶんといろんなことをしてきたワケですよ。そこへいくと今のロックはあまりにも平和だよね。ハッキリいって今の「パンク」あたりより、もはやQuintessenceやGraham Bondあたりの音楽の方が全然危ないもんね。

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こちらはカナダ出身の60年代のサイケ・バンド。これはかなりいいわ。まったく「革命」はしてないけど。なんでこんな格好しているんだか知らないけど、適度にハードでメロディアス。ジャージャーのファズにチリメンより細かいビブラート!この時代にしか聞けないギター・サウンドですな。ちょっとボーカルに難があるけど、いいバンドですよ。もしかしてアタシの「サイケ」の定義に誤りがあるのかしらん?とにかくカナダは無視できないよ!
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The Yardbirdsはしっかり聴いた時期がまったくない。やっぱり、「3大ギタリストが所属していた」ということで認識してたにすぎない。当時、オリジナル・アルバムが不明確だったという記憶があるな。この2枚組も中学の時かな、カッコいいジャケットだな…とは思ったけど欲しいとは思わなかった。友達がジェフ・ベックとクラプトンのファンでこれを買い、家に遊びに行って聴かせてもらったが、「買わなくてよかった」と思った。今見るとこのジャケットはケーキのTopsみたいだね。『Five Live Yardbirds』だの『For Your Love』だの『Rogher the Engineer』だの『Little Games』だの有名どころは持ってるけどほとんど聴かないな~。Charlie Parkerはよく聴くけど…。

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Cherはまったく知らない。でも、ここに取り上げたのは彼女とグレッグ・オールマンが一時結婚していたということが書きたかったから。すごくエキゾチックなルックスだと思っていたらお母さんがネイティヴ・アメリカン(チェロキー)なのね。

グラミー賞もアカデミー賞もゲットしたCher。確かに『月の輝く夜に(Starstruck)』はヨカッタな~。ノーマン・ジュイソンが撮ってるからね。
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このジャケット・デザイン、なんか強烈に日本編集の香りがするな~!もうちょっとデザイン考えればよかったのに…。上のCherもそうだけど、こうして「ライブ・イン・ジャパン」ものが頻繁に制作されるけど、十把一絡げの作品もあれば、Deep PurpleやCheap Trickのように名盤の域まで上りつめてしまうものもある。BBAなんかとうとう世界発売されなかったんでしょ?これらはひとえに契約の内容に左右されるのだろうか?

Edgar WinterとRick Derringerのヤツなんかいいのにな…と思ってたらこれは世界発売されているのね?

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「ビートルズのメンバーの名前を言えない若い人がいる」と聞いてももう驚かない。反対に若い人がこれを聞いたら驚くかな?

「ビートルズの前にはエルヴィス・プレスリーというロックンロールの王者がいたんだよ。『ロックンロール』って何かって?ロックとは違うのかって?まあ、いいから、いいから。 エ? エルビスはコステロだろって?エルビス・コステロって何かって? あ~話しが進まん!」

「気を取り直して、エルヴィス・プレスリーというロックンロールの王者という人がいてドーナツが好物だったんだよ。ビートルズのアイドルさ。そのプレスリーの前の時代、1940年代にはこのジャケットに移っているやや立ち耳のおじさんたちが普通の若者のアイドルだったんだよ!ものすごく歌の上手なアイドルだ。ビング・クロスビーとかフランク・シナトラとか…若い女性は彼らを見てメロメロになったんだよ。だから、このおじさんは今でいえば嵐なんだぜ!」

…って誰も聞いてね~!

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「ロック=車」というステレオタイプももう大分影をひそめたかな?イングヴェイとフェラーリが最後の砦?最近は女の子にもてたくてギターを始めた…なんて話しもきかなくなりましたナァ。昔はギターと車が女性の気を惹くための神器だったのにね。

このジャケット!後ろはGEビルかなんかかね?月が出てる。ハハ~ン、土曜日の夜、彼女を自慢の車に乗せて街へ繰り出してロケンロールでひと踊り!ってことだな?

ロケンロールというとやっぱりこういう車がついて回るんだね。でも確かに『アメリカン・グラフィティ』を観たときは猛烈にアメリカに憧れたですよ。それとやっぱりあの珠玉のオールディーズはよかったな。今でも流れていればつい聴いてしまう。世の中あんなに名曲に満ち溢れていたのにね…これ以上はいわない!

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♪なんでだろう、なんでだろう?どうしてこうやってジャケットを変えて国内盤を作るんですかね?タイトルもそう。「真髄」とは一体なんだ?何回もCDを聴いたし、チョコチョコと調べてみたけどわからなかった。

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オリジナルのジャケットはコレ。ん~、特段差し替える必要もないように思うんだけど…。まさかギブソンの宣伝?

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それでもただライブの写真をそのまま使うのではなくて、カラーポジ風に見せているところが気合の入れどころだったか…。

原題は『Songs for a Tailor』。「tailor」とは仕立て屋さんのこと。この仕立て屋さんとはCream時代からジャックたちの衣装を作っていたジェニー・フランクリン(Genie the Tailor)のこと。この人は当時Fairport ConventionのRIchard Thompsonの恋人で、ジャックの前の恋人だったらしい。で、このジェニーが交通事故で亡くなり、このアルバムを捧げたというワケ。

Jack Bruceのソロ・デビュー作でMountainもカバーした有名な「Theme for an Imaginary Western(想像された西部劇のテーマ)」を収録している。メンバーもDick Heckstall Smith(Rolland Kirkみたいな人ね)、Jon Hiseman、John Marshall、Chris Spedding、Felix PappalardiとColloseum系列の濃い~連中が参加しており、1曲George Harrisonもプレイしている。内容は「オレってこんなこともできるんだぜ」的なテンコ盛り作品。私は好きです。

実はこのアルバムの発売は1969年で、ソロ・デビュー・アルバムということになっているが、翌年発売された『Things We Like』の方が先に制作されている。こちらはギターにJohn McLaughlin、Jon HisemanにDick Heckstall Smithというカルテット構成で吹き込んだフリージャズと紙一重のゴリゴリのアコースティック・ジャズ作品なんだな~。カッコいいんだ、ジャックのアップライト。音もいいし。やりたかったんだろうね~、こういうの。

もちろん私はこっちの方が好みなんだけど、クラプトンに負けじとスター街道を歩みたいジャックと、もしくは一山当てたい取り巻き連中が、「ま、ジャズなんていつでもできるからさ、まずは歌ものでデビューしときましょうや!」なんて話し合ってリリース順を決めたんじゃなのかね?

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これも見るからに日本編集だよね~。『ダブル・デラックス』いいネェ~。果たしてJohn Mayallのどこにデラックスがあるのか?!…なんて言ったら怒られちゃうか?
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私はほとんどブルースを聴かないので、マーシャルの仕事の関係がなければ『Bluesbreakers John Mayall with Eric Clapton』すら聴かなかったかもしれないんです。スミマセン、勉強不足で…。だって飽きちゃうんだも~ん。

それにしてもジョン・メイオールくんだりで、こうして2枚組を制作しちゃうんだからのどかな時代だったよね。
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こういうのも昔よく見かけたナァ~。どうしてこういうデザインになるかね~。例えば、ジャズのレーベルでもPacificなんかは自分のとこの音源を組み合わせてカタログ的に盛大にコンピレーションを出しているけど、これがそれぞれ実に味わい深いジャケット・デザインで、ついつい買いたくなっちゃう。これらでジャケ買いする人は皆無でしょう。

だいたいBeach Boysのインストって面白いのかあ~。制作に関わったみなさん、勝手なことを申してスミマセン。でも今なら新橋の地下のコンコースで500円で買えそうな…。そんなやさしい風合いを出してくれていますね。

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UFO!Michael Schenker加入前のUFO。コレ聴きたかったんだけど、若い頃入手不可能だったんだよね~。で、ロック好きのゲームセンターのお兄さんと有線に「C'mon Everybody」をリクエストしたのを覚えている。それがリクエストを受け付けてくれたのはいいんだけど、全然かからないんだよね~、アレ。しびれを切らして帰ろうかと思った矢先にかかったのですよ。でも、全然面白くなくてガッカリした。

1971年、日本だけで発売されたUFO初のライブ・アルバム。日比谷の野音での録音。昔、野音の楽屋って木造だったんだよね。

1972年、『UFO Live in Japan and  UFO Lands in Tokyo』とタイトルもクドくなって海外でも発売された。
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Eddie Cochranの「C'mon Everybody」や「Who Do Ya Love」のカバーを演奏したりしているんだけど、この頃にUFO目当てのお客さんで果たして野音が埋まったのかね?で、ツラツラと調べてみたらスゴイことがわかった。

そもそもUFOはThree Dog Nightの前座で来日する予定だった。この時点で今のUFOしか知らない人には「?」マーク連発でしょうね。私もそうなんだけど。でもUFOがハードロック・バンドに変身したのはシェンカー加入後の『Phenomemon』から。それまではこうして「Who Do Ya Love」みたいのを演っていたのだから合点がいかないワケではない。

この野音のコンサートは赤坂にあったディスコ「赤坂MUGEN」が主催した「MUGEN FESTIVAL」というイベントだった。出演はUFOの他にアメリカからSOUND 70、TROIELというソウル系のバンド。日本からはファーラウトという構成だった。浅学にして私はこの人たちを存じ上げません。ソウル系ということもあるのだろうが、正直、前のおふた方の名前は耳にしたことも断じてない。これで埋まったのか、野外大音楽堂が?! 埋まったんだろうね…その理由は;

Three Dog Nightの方は来日が中止になってしまった。そのチケットの払い戻しに見えたお客さんにこのフェスティヴァルのチケットを無料で配布したんだって!何とものどかな時代だよな~。

この年、1971年ってホントにすごくて、海外のビッグ・ネームが大挙して押しかけてきている。Blood Sweat & Tears、Free、Chicago、Grand Funk Railroad、Pink Floyd、Led Zepperin、Elton Johnなどなど。この時代に青洲を過ごした先輩方(1950~1955年生まれの方々かな?)が本当にうらやましい。二度とやって来ないであろう、ロックの一番の黄金期を体験できたのだから…。ロックの一番いい時ですよ。

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「♪さ~んでい」か…。いい曲だな「すてきなサンデー」。いたっけナァ、Buster。チョコ・フレークのCMもやってた。結成が1974年、リバプールのバンドなんだね。特に日本で人気が出て、ナント武道館2回もソールド・アウトさせてるそうだ。人気あったもんナァ。ぎんざNOWとか出てた?

今でもやってるみたいですね。日本のレコード会社もこのベスト盤で相当もうけたんだろうナァ。「青春の日記帳」か…。35年前、アタシャ、プログレに夢中だったかな?

どっかにも書いたような気がするけど、昔はこういう白人系アイドルって定期的に出てきてたよね。今はジャスティン・ビーバーっての?それぐらいかしら?K-POPの方がいいんだろうね~、彼ら日本語勉強してくるもんね。それにしてもいろんなことが変わりすぎたよ。
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グッ…これは何の必要があってこんなデザインにしちゃったんだろう?しかも邦題が『ヒッピーの主張』だって。
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元、コレだぜ!

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裏もスゴイ。ロールシャッハ・テストみたいな…。デザイン自体は決して悪いとは思わないけど、このジャケットに変える必要はないでしょう。ジェファーソン⇒ヒッピー⇒こういうイメージにしなきゃ!ということなんだろうけど…。ま、ジェファーソン好きじゃないからいいけどサ。それでもこのアルバムって『Surrealistic Pillow』と同じ1967年にリリースしてるんだね。エライ違いだな。
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今度はMonkees。『After Bathing at Baxter's』いや『ヒッピーの主張』と同じ人のデザインですな。
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あたりかまわないデザインでこれはこれでかなりイケてるような気もするが…。
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一度も夢中になったことはないけれど、ロリー・ギャラガーも観ておけばよかったよナァ~。このベスト盤はジャケットもよくできてますな。うん、カッコいい。
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Graham BondはブリティッシュR&Bの父と評されるオルガ二スト/ボーカリスト。彼はもっとも早い時期にハモンド・オルガンとレスリー・スピーカーの組み合わせをR&Bに持ち込んだ。Deep PurpleのJon Lord曰く「私がハモンドオルガンについて知っていることのほとんどはグラハム・ボンドから実際に教わったものだ」(この記事を書いたのは先週のこと。昨日ジョン・ロードのご逝去を知り驚きました。再度つつしんでご冥福をお祈り申し上げます)

Graham Bond Organisationは60年代初頭に結成されたボンドのバンドで、Ginger Baker、Jack Bruce、John McLaughlinというメンバーだった。後にMcLaughlinとDick Heckstall Smithが入れ替わった。

このライブアルバムは64年にウエスト・ハムステッドのホテルでの演奏を収録したもので後になって発売されたものだ。

グラハム・ボンドは元々はジャズがかった良質なブルー・ロックのような音楽を演奏していたが、先述したように後期は黒魔術に傾倒し、宗教がかったオカルティックな音楽にスタイルを変えた。。彼のダミ声が妙に曲にマッチしていて、なかなかに聴きごたえがある…かといっていきなり何枚もCDを買うことは控えた方がいいかもしれない。激しく好き嫌いが別れそうなところに彼の音楽が存在しているからである。私は好き。

それにしてもジンジャー・ベイカーってルックスがあんまり変わらないな…。
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これはロンドンの地下鉄ピカデリー線、またはヴィクトリア線の「フィンズベリー・パーク駅」。ピカデリー線ではサッカーのアーセナル駅のとなり。

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駅から歩いて3~4分のところに有名なレインボー・シアターがある。
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1974年5月8日、グラハム・ボンドはここに身を投げてアノ世に行った。成功のチャンスがなく、経済的も苦しかったグラハムは前年より神経衰弱で入院していたらしい。

電車に飛び込む直前にそばにいた見知らぬ少年に話しかけ、その少年の名前とギターをやっていることを言い当てたらしい。グラハムは生前、自分が神秘主義者、魔術師のアレイスター・クロウリーの息子であると信じていたという。クロウリーはオジーの「ミスター・クロウリー」のモチーフ。クロウリーはまたビートルズの『サージェント・ペパーズ』のジャケットにも登場している。
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このジャケットはリバーシブルになっているのだろうか?Chuck Beryの編集盤。何年に編まれたものかチェックし忘れたが、Chuck Berryのベストって今だと果たして何枚売れるんだろう?実際、これを出した時はどうだったんだろう?今の若い人たちがChuck Berryなんか聴いてくれるといいんだけどね…エ、アタシャ結構で~す!

考えてみると、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、あのマーティがプロムかなんかでギターを弾くシーンを理解できる日本の若い人ってどれくらいいるんだろう?もしくは、いたんだろう?ナニ?若い人はそんな古い映画を観ないって?アタシャ、今の家内とデートでロードショウに行きましたよ。

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これもピンとこないデザインだな~。Wishbone Ashはオリジナル・アルバムがHipgnosisだけに残念だ。もっと残念なのは、このコンサート、私会場にいるんですよね~!だからもっとカッコいいジャケにして欲しかったナァ~。当時は高校1年だったかな?友達とWishbone Ashのコピーをやっていて、1978年11月10日、みんなで中野サンプラザに観に行って大騒ぎした。前から7列目だった。

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これがその時のプログラム。この後、長い年月を経てAndy Powell系Wishbone AshとTedTurner系Wishbone Ashの双方を観たが、やっぱり高校生の時に観たAshの方が断然よかった。

ちなみにLaurie Wisefieldは10年近く前にロンドンのドミニオン・シアターで『We Will Rock You』を観た時、ギターを弾いていた。もうひとり交代で弾いているギタリストがPhil Hilbourne(フィル・ヒルボーン)といって、結構古いつきあいだ。去年、フィルに会った時、「最近どうしてんの?」と訊くと、驚いたことに「相変わらず『We Will Rock You』だよ」と言っていた。すかさず「ローリーは?」と訊くと「まだやってるよ!」という答えだった。飽きるだろうナァ~。

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ハリー・ニルソンか…「うわさの男」と「ウィズアウト・ユー」しか知らんなぁ~。「ウィズアウト・ユー」にしたってBadfingerだもんナァ。でも最近すっかりNilsonにハマってしまってほとんどのCDを買い揃えた。

ところで、「うわさの男」はあまりにも印象が深くてね。ところで、この曲、原題は「Everybody's Talkin'」というんだけど、なかなかの名訳だと思わない?

でも、これもカバーで元はFred Neilというアメリカのフォーク・ソングライターの作品。ニルソンが作ったわけではないが、ジョン・シュレシンジャーの『真夜中のカーボーイ』で使用されてドカンといっちゃった。1969年のこと。このニルソン、コンサートもツアーもロクにせずに大きな商業的成功をおさめた、この時代にあってかなり稀有なミュージシャンだった。(ちなみのこの「カーボーイ」を「カウボーイ」としなかったのは水野晴郎さんだったとか…)

当然、この曲の印象が強いと言ったのも映画を通じてのこと。

やっぱり音楽が映画にもたらす影響力って尋常ではないし、またその逆のパターンも大いにあり得る。映画のおかけで誰にでも知られるようになった曲なんて枚挙にいとまがないもんね。下手をするとその音楽が映画のために書き下ろされたと思われてしまっているケースすら少なくないのではないか?。

その最たるものは日本ではなんと言ってもマイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』だろうナァ~。実際、ウィリアム・フリードキンが映画『エクソシスト』に採用したおかげで日本では有名になったワケだけど、あのイントロを聞いただけで「お、『エクソシスト』のテーマ!」と反応する人がほとんどではなかろうか?または、『チューブラー・ベルズ』を最後まで聴いたことがない人の方が『エクソシスト』を最後まで観た人に比べて、イヤ、比べられないほど少ないのではなかろうか?「有名な割には最後まで聴かれたことがない曲」のコンテストがあれば余裕で優勝じゃん?イギリスではリチャード・ブランソンがコレ一発でひと財産築いたのにね。もっと『エクソシスト』のことを書きたいんだけど、またの機会にしましょう。

そして、「うわさの男」…これは本当にうまく映画に使われていたように思う。タイトル・バックでジョン・ヴォイトがおめかしして田舎を出ていくところ…タマらんですよね。

でも、(当然とはいえ)映画の存在感の方がはるかに強くて、12、3歳で初めて観た時は大変なショックを受けた。いくつも心に残っているシーンがあるんだけど、もう何十年も観ていないので、もっとも印象的なラストのシーンをちょっと確認してみた。

最後にフロリダ行きのバスの中で、もう衰弱してトイレに立つこともできず、座席で失禁してしまうダスティン・ホフマンに向かって笑いながら「おまえ、便利だナァ~、トイレに行かなくても用が足せるんだもんナァ~」と冗談を言う。ジョン・ヴォイトがアロハ・シャツかなんかに着替えさせてやるんだっけかな?そうして、そのままバスの座席でダスティン・ホフマンが息を引き取る。ここでニルソンの出番。そしてナミダ。

以上が記憶。でも実際はちょっと違っていた。

失禁してしまうところはその通り。でも気になったのはジョン・ヴォイトのセリフ。どう聴いてもこの日本語訳のようには聞こえない。そこで調べてみると、ジョー・バック(ヴォイトの役名)はこう言っている。

Rizzo : That's funny?  I'm falling apart here!

Buck : It's just - Know what happened?  You just took a little rest stop that wasn't on the schedule!

Rizzo : 何笑ってんだよ? オレはもうボロボロなんだぞ!

Buck  : イヤな、わかってんのか? お前は予定外のトイレ休憩を取ったんだぜ!

これでふたりとも笑う。まったく面白くない。少なくとも日本語の意訳の方が気が利いていはしまいか?翻訳家ってすごい。これは田舎から出てきていまだにソフィスティケイトされないジョーにしてはマシなジョークだったということか…。だとしたら、翻訳は意思を入れすぎだと思う。

で、休憩時間にジョーがリゾの着替えを買いに行く。ここで「うわさの男」が流れるんだった。マイアミの陽光、アロハシャツ、ニルソンのやさしい歌声、…これで何とか温かいマイアミに住んでリゾも体調を取り戻してハッピーエンドの友情物語か…となるハズなのだがそうはいかない。

リゾはその後、バスの中で座ったまま息を引き取る。この時に流れる曲はニルソンではなくて、トゥーツ・シールマンスだった!そう、この映画にはもうひとつ胸を引き裂かれるようなもの悲しいメロディを奏でるシールマンスの名演があったのを忘れていた。バディ・リッチは「Midnight Cowboy Medley」なんてのをレパートリーに入れていたっけ。

この『真夜中のカーボーイ』はアカデミー賞の歴史の中で唯一X-rated(過度な暴力や性描写で子供には見せていけない映画)の指定を受けながらも「作品賞」を獲得した作品。日本ではテレビでやってたけどね…。

受賞は逃したがもうひとつX-rated指定を受けても「アカデミー作品賞」にノミネートされた作品があった。それはキューブリックの『時計じかけのオレンジ』である。

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ところで、最近洋画に日本のどうでもいい曲を「日本版テーマ曲」とかいってひっつけてるけど、あんなことして一体何になるんだろう?CDの売り上げもしくはダウンロード件数が上がればいいってこと?見ていて本当に恥ずかしい。でも、アメリカもそんなことをされてしまう映画しか作れなくなってるんだよ。

『真夜中のカウボーイ』に勝手に日本のポピュラーソングを「テーマ・ソング」と称してくっつけることなんて、良心が咎めてできないでしょ?ビリー・ワイルダー作品には?デヴィッド・リーンは?ウィリアム・ワイラーは?キューブリックの作品にはどうだ?普通の神経の持ち主であればそんなことできないハズ。

そういえばアーネスト・ボーグナイン、亡くなったんですってね…。でも、どちらかというと生きていたことの方に驚いた。好きだったんだ、子供のころ…。

さて、もうひとつニルソン。この写真はロンドンのハイド・パーク・コーナーにほど近いアパート。かつてのオーナーはニルソンだった。私はニルソンのファンでもないので、それだけなら何もここに紹介することはない。ここは「デス・フラット」と呼ばれるアパート。ママス&パパスのママ・キャスが1974年に、キース・ムーンが1978年にここで亡くなっているのだ。同じベッドで死んだらしい。ニルソンも心臓病で1994年にアメリカの自宅で永眠した。

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ミュージック・ジャケット・ギャラリーの詳しい情報はコチラ⇒金羊社公式ウェブサイト

<中編>につづく