【号外】ジョン・ロード逝く!
Shige Blog 2012年7月17日初出
現在『イギリス紀行2012』で活躍中のマーシャルのスティーヴ・ドーソンから突然メールが来た。
"Oh!, no, Jon Lord has died :-("
またか!
またしてもロック界は大きな大きな才能を失った。ジョン・ロード、享年71歳。
ディープ・パープルの総帥として長年にわたりハード・ロック界をリードし、セッション・プレイヤーとしてはザ・キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」のレコーデング等に参加した才人。
マーシャルはかつてPAやオルガンのアンプのビジネスをかなり積極的に展開していた時代があった。そして、マーシャルのキーボード・アンプというと必ず出る名前が「ジョン・ロード」だった。
どこかでも触れたが、ディープ・パープルのMarkIIはギター・アンプは当然、ベースもキーボードもアンプ類はすべてマーシャルを使用していた時期があり、マーシャル商品のデモンストレーション・コンサートまでしたことがあったという。これは見たかった!
私は残念ながらジョン・ロードの演奏は見たことがない。
2009年にディープ・パープルとイングヴェイ・マルムスティーンのダブル・フィーチュア・ショウがあった。その時、まだ開発中であったイングヴェイのシグネイチャー・モデル、YJM100のできたてのプロトタイプをイングヴェイに見せに、マーシャルのサンチャゴ・アルヴァレスとふたりで東京国際フォーラムに持って行った。
その時はキーボードはドン・エイリーで、演奏はされなかったがジョン・ロードもいっしょに来日していて、バックステージでお会いすることができた。「お会いすることができた」というより「お見かけした」という方が断然正確か…。髪やひげまで、上から下まで白い装束に包まれ、とてつもない気品に満ちあふれていた。何しろ名前からして「Lord」だからね。バックステージでの彼は、「ピリピリしたオーラ」というよりも先に「イギリス紳士」という印象が強かったナ。
こうして、ひとつひとつ、偉大なロックの財産を我々は失っていくのだ。ジョン・ロードを、そして、ディープ・パープルの音楽を愛する皆さん、彼らの偉大な才能を、ロックの素晴らしさを後進に伝えていこうではないか!
"Jon passes from Darkness to Light"…遺族の言葉だそうだ。
個人のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。