【号外】Hipgnosis、ストーム・ソーガソン(Storm Thorgerson)逝く!
ここに一冊の写真集がある。
イギリスのデザイナー集団、Hipgnosis(ヒプノシス)の作品集だ。
高校生の時、何かの雑誌を見てこの『THE WORK OF HIPGNISIS 'WALK AWAY RENE'』の存在を知って、青山の洋書屋さんへ飛んでいった。もう何千回見たことだろう。表紙を覆っているビニールもはがれてきてしまった。
私はデザイナーになりたいと思ったことは人生でただの一度もないが、やっぱり格好のいい意匠は好きだし、どちらかといえばうるさい方かもしれない。ま、モノによるかな…。
とにかくHipgnosisの美しい写真とシャレたデザインやロゴ、レイアウトが大好きだった。これはデザインもさることながら、そこから聞こえてくるようなブリティッシュ・ロックの芳香に酔っていたのかも知れない。
南ロンドンのバタシー発電所を教えてくれたのもヒプノシスだった。私はジャケ買いは滅多にしないが、ヒプノシス作品だけは別で、今でも「ま、ヒプノシスだから買ってもいいか…」なんてことをやっている。正直ヒプノシスのジャケットだからと言って特段内容がいいワケでは決してないんだけどね。
青春時代に心ときめかせたレコード・ジャケットを制作したHipgnosisの中心人物が逝ってしまったのだ。
ますますブリティッシュ・ロックがヤバくなった…。
追悼の意味を込めて好きな作品ベスト10でも記しておこうかと思ったが、好きなものがあまりにも多すぎてできなかった。代わりにMJG(Music Jacket Gallery)の『ヒプノシス特集』を改編して別途掲載し、哀悼の意を表したいと思う。
<おまけ>
久しぶりにヒプノシスの写真集を引っ張り出して広げたらこんなものが出てきた。なぞなぞ商会の新聞だった。こういうものは場所を取らないので取っておくに限るね。1981年の発行。32年前、渋谷の屋根裏に出演した時に配られたものであろう。