E.L.B.~Viva Akimoty 72'<後編>
巣鴨のライブハウス「獅子王」のオーナーの秋元さんの誕生日を祝うイベント『Viva Akimoty 72'』のレポートの<後編>。
トリで登場したのは、いよいよ秋元さんがドラムスを務めるトリオ「E.L.B.」。
Marshall Blogはしょっちゅう獅子王さんにお世話になっているので、お礼の気持ちを込めてこのステージのもようをレポートしたいと思う。
スローなブルースのインプロヴィゼーションでスタート。
透き通るようなクリーン・サウンドのギターで奏でるフレーズが味わい深い。
「皆さん、こんばんはE.L.B.です!」と挨拶をしてメンバーを紹介したのはJIMISEN。
「オン・ドラムス…オン・ドラムス、今日の主役で巣鴨獅子王のオーナー、そして今日が誕生日の秋元清実!」
「オン・ベース、スタジオ・ペンタ社長、善生(ぜんしょう)敦!」
「誕生日&オーナー、社長、そしてヒモでお送りします!」
「ヒモ」なんて言葉を久しぶりに耳にしたナァ。
昔、「ヒモ」はロック・ギタリストたちの一番の憧れの職業だった。
獅子王のオープンは2014年の5月10日ということだが、実はそのひと月前にドラマーとしての秋元さんをMarshall Blogで取材をさせてもらったことがあった。
下はその時の写真。
しかもNATAL(ナタール)をお使い頂いている。
そういえばこの時、「近々ライブハウスをオープンする」という話しを耳にして場所と店名を伺ったような記憶がある。
「場所は巣鴨で店名は'ししおう'」ということをお聞きし、「ししおう」とは何ぞや?と尋ね直したことを覚えている。
そして、予定通り「獅子王」がオープンした。
ところが、Marshall Blogの獅子王デビューは意外と遅く、オープンから2年近くが経過した2016年2月のことだった。
下はその時の秋元さん。
ちょうど10年前だから秋元さんが62歳の時。
ゼンゼンお変わりになりませんな~。
さてE.L.B.、この日の1曲目は「I Miss Brain」。
「オズの魔法使い」のカカシの「If I Only Had a Brain」みたい?
当たり前だけどそれと曲調は全く異なり、JIMISENが自らのファンク・ストラミングに乗せて歌うゴキゲンな1曲。
前にステージに上がったROSE HIP GARDENのYOSHINAGAさんがおっしゃっていた、まさに秋元さんの「グルーヴとドライヴ」が炸裂!
そしてJIMISENのソロ。
もちろんアンプはMarshall。
この日は「JVM210H」と「1960A」を使用して…
まずは切れ味の鋭いソロ・プレイを聴かせてくれた。
続いて善生さんのメロディアスなベース・ソロ。
サウスポーでリッケン!カッコいい~。
冒頭から小気味のよいカチっとしたファンク・チューンで雰囲気を大いに盛り上げた。
ところで…JIMISENは超久しぶりのMarshall Blogへのご登場。
2013年8月、ジミ・ヘンドリックス役の時に一度出て頂いたことがあった。
その後、KAMIKAZEというトリオでもご登場頂いた。
2017年4月のこと…ということはこの時から9年も経ったのか!
このKAMIKAZEって、他のバンドにはない独特の雰囲気があって私は気に入っていたんだけどな…。
そして今回のE.LB.。
何の頭文字かと尋ねたら…「Electric cute Lady smells funk Band」。
コレは絶対に解読できんな。
2曲目は「What Goes On」。
少しテンポを落としてのコレもファンキーな1曲。
秋元さんの律動感あふれるドラムスにからみつく…
善生さんの攻めのベースラインが実に鋭い!
私は自分の名字が珍しいこともあって、実際にお会いしたり、テレビで見かけたりする珍名さんのコレクションに勤しんでいる。
「善生(ぜんしょう)」さんにはすぐにビビビと来たよ。
調べてみると私の珍名センサーに間違いはなく、香川県の名字で全国でおよそ210人だという。
私の基準では400名以下の名字を「珍名さん」と定義づけているのでバッチリと言ってよいだろう。
そんなゴキゲンなリズム隊の演奏に乗ってフリーキーなJIMISENのソロが暴れまくった!
ア・カペラで善生さんのベース・ソロ。
いきなり出て来たのは正調「Donna Lee」。
この曲をジャコの演奏で知った人も多いことでしょう。
ドン・アライアスのコンガひとつをバックにワケのわからんメロディをベースで奏でるその演奏を高校生の時に初めて聴いて私もビックリしたことは確か。
ギターで弾くのもなかなかのホネであるこのリフを善生さんは奇を衒うことなく流麗に弾き込んでみせてくれた。
「Donna Lee」で脱線する。
この曲は古いスタンダード「Indiana」のコード進行を元にチャーリー・パーカーが作ったビ・バップ・ナンバー。
マイルス・デイヴィスは「あのリフはオレが作った」と後に主張していて、今ではそれが定説になっているようだが果たしてどうなんだろう?
と言うのは、あんなに複雑なメロディをマイルスが書くとはどうも思えんけどな。
そして穐吉敏子の「A Bit Byas'd(ア・ビット・バイアスト=ちょっとバイアスっぽく)」という曲。
「Byas」というのは「ドン・バイアス」という古いサキソフォニストのことで、タイトルは「biased(バイアス=偏見を抱く)」のシャレになっている。
この曲も「Donna Lee」。
同じコード進行に乗って凄まじいまでのビッグ・バンド・アンサンブルが展開される「超」をいくつくっ付けても足りないカッコいい曲。
敏子さん、1932年(昭和7年)生まれで今年94歳。
まだまだお元気のようで何よりだ。
善生さんが「Donna Lee」をフル・コーラスを弾き終わるとそこにギターと…
ドラムスが加わる。
曲は「Chimamire」。
ココでもJIMISENと善生さんのスリリングなインタープレイが展開すると…
リズムがジャズ・ビートに替わり…
フリーフォームのグループ・インプロヴィゼーションに突入した。
そして秋元さんのソロも飛び出した!
力強く、そして鋭いスティックさばきが炸裂!
JIMISENが当日の出演バンドを紹介して〆のご挨拶。
「毎年こんな感じで集まれてうれしいです。
本当に今日はありがとうございました!」
この日の最後にE.L.B.が演奏したのは「Flower Ice」。
意外にもジワジワっと来るバラードを持って来た。
この曲でも善生さんのソロがフィーチュアされる。
JIMISENはマイクを乗り換え。
ナンで2本あるんかいな?と思っていたのだが、ハハン、思った通りだった。
乗り換えたマイクから出された声にはエフェクトがかかり、ボコーダーのような効果を出していた。
これでまた曲の雰囲気が変わった。
するとまたリズムがジャズ・ビートに替わって…
JIMISENのダイナミックなソロが展開。
3人のくんずほぐれつのインタープレイを経て曲はドラマティックに幕をおろした。
演奏が終わって秋元さんがマイクを握る。
「皆さん、ありがとうございます!
今日の日を迎えることができてとてもうれしく思います」
「個人的にはとても楽しいライブでしたが、みんなスゴくて逃げ出したい気持ちになりました。
でも…」
「ガンバりました!
残り時間は少ないですが飲んで帰りましょう!」
秋元さんもポートレイトがお気に入りのようす。
お誕生日おめでとうございました!
LIVE HOUSE獅子王の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト
<おしまい>
