METAL QUAD SAGA<後編>~NAKED MACHINE & RAZOR HIGHWAY
RAZOR HIGHWAY主催の『METAL QUAD SAGA』レポートの<後編>。
今、ステージに上がっているのは3番目に登場したNAKED MACHINE。
2曲終わったところでKANちゃんのご挨拶。
今日のイベントは仲良しのバンドばかりが集まっているのでとても楽しいって。
ま、KANちゃんの場合、どこへ行っても仲良しばっかりでいつも楽しいに違いない。
♪グリングリンと啓祐さんが奏でる凄まじいベース音で始まるのは「The Devil of the Hatred」。
The Dark Side of NAKED MACHINE…この特に暗くて重い雰囲気もまたNAKED MACHINEの魅力だ。
私が勝手に「ゾルタン(トム・ハンクスの映画『ビッグ』由来)」と呼んでいる不気味な雰囲気のパートを経て源ちゃんのソロが炸裂した。
当意即妙にして適材適所の本間さんのフィルが曲のドラマ性を高めていく。
もちろん何度も聴いているけど、この曲ってどこまでも悲しいんだナァ。
KANちゃんの歌の説得力によるものだろう。
改めてそう感じた。
お!ナンダ?
舞台後方のスクリーンにロンドン塔が投影されたぞ!
ココで場面転換なのだ。
そして夏目漱石が呼ぶところの「逆賊門」が現れた!
源ちゃんがとびきりダークなリフを奏でる。
そう、曲は「Traitor's Gate」。
NAKED MACHINEの「黒キラー・チューン」。
「♪キレイに落として…」
ヘンリー8世の2番目の妻「アン・ブーリン」がKANちゃんに乗り移ったかのような激唱。
それを受けた源ちゃんのソロには鬼気迫るものがあった。
まさに「Swordsman of Calais(カレーの剣士)」。
「カレー」はインドのカレーじゃなくてフランスの地名ね。
首を落とす時、万が一失敗してアンが苦しむことのないように熟練の剣士をわざわざフランスのカレーから 呼び寄せたのだ。
反対に毒婦として知られた「高橋お伝(本当は毒婦などではなかったらしい)」なんてのは、時のスーパー首切り達人「八代目山田浅右衛門𠮷亮」が担当したにもかかわらず、土壇場(首を落とす場所のこと)で暴れてしまったため、勢いよく振り下ろした切れ味抜群の刃が首ではなく肩に入ってしまい、お伝は大変な苦痛を味わうことになったという。
ちなみに「sword」の発音は「スワード」ではなくて「ソード」ですからね。
「難読英単語」というとたいていコレが出て来る。
さて、今日源ちゃんが弾いているMarshallは「JCM900 4100」と「1960A」。
源ちゃんの足元のようす。
さすが「Swordsman of Guitar」、ビンテージ・リイシュー・ペダルの「DRIVE MASTER」が組み込まれているのだ。
このDRIVE MASTERは「GUV'NOR」と「SHRED MASTER」のスキ間に入り込んでいるような印象があって日の目に当たりにくい機種ではあるが、当然コレにはコレにしか出せないサウンドを持っていて、源ちゃんはそれに着目してウマい具合に使いこなしてくれているのだ。
DRIVE MASTERによって中音域がよりリッチになったギター・トーンが、源ちゃんの弾くシャープなフレーズを一層引き立てた。
ココでKANちゃんからライブの告知。
「今日は4つのバンドの色が混ざり合ってすごく良いステージになっていると思います。
楽屋もすごく楽しいです。
虹色になったステージを次に出演する主催のRAZOR HIGHWAYに渡せると思います」
触っただけでスパっと指を落としそうなリフ!
一心不乱にドライブするこの曲は「Monochrome Heart」。
まさに4人が一丸となったパフォーマンス。
そして、KANちゃんが歌う「♪色のない世界」というフレーズが耳に残る。
続けてこれまた人気の1曲「Glory Day」。
ハツラツとしたKANちゃんの歌声が会場に響き渡る。
もちろん客席は大盛り上がりだ。
サオ・チームは勤務地を入れ替えてアクションでも大サービス!
写真撮影のOKが出て出番の最後を締めくくったのはいつも通りNAKED MACHINE讃歌とも言うべき「Fight to Survive」。
おなじみの「♪Fight!」「♪Survive!」「♪Alive」の掛け声が響き渡り…
KANちゃんの魂の熱唱が出番の最後を締めくくった!
安定したパフォーマンスで今日もNAKED MACHINEだけが創り出せる音楽を爆発させてくれた。
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
当日のNAKED MACHINEの屋台村のようす。
『METAL QUAD SGA』のトリを務めたのはイベントを主催したRAZOR HIGHWAY。
場内にオープニング・テーマの「Flammable」が流れる中颯爽と登場した!
深澤AKI
田中"OMMY"輝臣(以下「オミー」)
池田督樹
「HELLHOUND」の「MOUNTAIN KING」こと山崎隆太。
下手のギターの高橋史男さんが療養中ということで今回のステージは以上の4人で臨むことになった。
まずは「Hungry for Your Heart」と…
「Under Pressure」を演奏。
オミーさんも「JCM900 4100」と「1960A」だ。
イベントなので仲良く皆さんで使い回しているMarshall。
でもみんなそれぞれの音があってオモシロイね。
それぞれのサウンドは異なっても音ヌケ、コシ、太さは共通だ…Marshallのプリ・アンプとパワー・アンプをちゃんと使っているから。
オミーさんもマスター・ボリュームを「7」以上にしたいかにもゴキゲンなサウンドだった。
「『METAL QUAD SAGA』、最後のバンドとなりました。RAZOR HIGHWAYです!」
いつも通りAkiさんの愉快なMCを交えてショウが進んでいく。
3曲目はセカンド・アルバム『FLAMMABOE SOULS』から「Ashes and Dust」。
オミーさんの高速リフ。
猛り狂う山崎さんのツーバス。
凄まじいまでのドライビング・チューン!
続けて同じくセカンド・アルバムから「Rest in Power」。
私のお気に入り。
トレードマークのホットロッドの衣装に身を包んだ池田さんは今日もコーラスでも大活躍だ。
ココでも密度の濃いギター・ソロを聴かせてくれたオミーさん。
そしてもう1曲「Rogue on the Run」を続けて演奏した。
続いたMCでは下手のギタリストの「田中史男」さんの欠席について説明…え?「高橋」さんじゃん?
ウマいナァ、Akiさん。
メンバーの名前をワザと間違えてガッチリと笑いをゲットした。
高橋さんはこの時点では既に健康を取り戻し、当日のステージに上がることを強く希望されていたそうだが安全を見て欠席して頂くことになった。
これまでとは雰囲気をガラリと替えてバラードの「In the Arms of a Stranger」。
Akiさんが情感豊かに歌い上げて…
本編最後の「'89」をつなげた。
コレもすごくいい曲だよね。
以前にも書いたけどサビのバッキングが大好き。
こうして短い時間ではあったがRAZOR HIGHWAYもその魅力を存分に発散してイベントの本編を締めくくった。
幹事もごくろうさまでした!
そして、アンコールはコレもセカンド・アルバムに収録されている名曲の呼び名高い「In This World」。
イベントとの別れを惜しむかのような感動的な演奏を繰り広げた4人!
RAZOR HIGHWAYの詳しい情報はコチラ⇒RAZOR HIGHWAY Official Website
この日のRAZOR HIGHWAYの屋台村。
お買い得品も店頭に並び人気を呼んでいた。
RAZOR HIGHWAYが主催するイベント『RAMBO BLOOD』の開催も近頃発表になった。
ノリにノッているレザハイなのだ!
<おしまい>
(一部敬称略 2025年11月15日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)