山口"PON"昌人 還暦祭!<中編>~MOONSHINE
山口"PON"昌人の還暦をお祝いするイベントのレポートの第2弾。3番手に登場するのはMOONSHINEだ。
コレはMOONSHNEの屋台村。
3枚の3曲入りCDとオリジナルTシャツ。
期せずしてずいぶんと「3」が並んだナ。
ベージュ色のCDはチャーリーの「梵天」のアルバム。
中身もさることながら、篆刻のようなジャケット・デザインがとてもステキ。「MOONSHINE」のロゴが入ったTシャツの前面と…
背面はコチラ…でもコレは特別仕様。
一般の商品には図柄は入っていません。さぁ、MOONSHINEのステージが始まった!
1曲目は「引き裂かれた絆」。
上の3枚のCDに収録されていないヤツ。藤井重樹
Charlie Tanaka(=「チャーリー」)
河野充生
金光健司
ココからこのイベントのドラム・キットはNATALとなる。
金光さんは12"、16"、24"のシングル・タムのコンフィギュレーション。
シェルの素材はメイプルだ。この曲の後半でリズム・パターンが変わるパートがアホほどカッコいい!
そのパートに続くギター・ソロ。
チャーリーの背後にはMarshall。
愛用の「JCM2000 DSL100EC」と、キャビネットは「1960BV」。
このコンビネーションによって出される真空管アンプ特有の図太くヌケのよいサウンドでチャーリーならではのギター・プレイを聴かせてくれるのだ。早速会場はMOONSHINEの世界一色に塗り替えられた!
「ヘーイ、ヘーイ、ヘーイ、クレッシェンド!
MOONSHINEです!」藤井さんのひと言挨拶にすかさず河野さんのベースが連なる。
コレコレコレコレコレ!
待ってましたの「まがいもの」。チャーリーのアルペジオが重なって…
藤井さんの歌が入り込む。
そして金光さんが思いっきりヘヴィなグルーヴを流し込む。
こんな曲他にあるかァ?チャーリーのハードなギターが容赦なく炸裂!
ナンのまだまだ。
この曲も後半で意外な展開を見せる。藤井さんの凄まじいまでのシャウトが存分に味わえるのだ。
聴きどころの多い1曲だけど、やっぱりココは作曲者である河野さんのベースに注目してもらいたい。
どのパートでも河野さんがベースという楽器の魅力を教えてくれるわ。
どうよ、コレだけ書いたらMOONSHINEを観てみたくなるでしょ? 「改めましてこんばんはMOONSHINEです。
今日はみんな大好き『山口“PON”昌人還暦祭』!
おめでとうございます。
今日出演される皆さんはそれぞれPONさんとゆかりの深い、馴染みある方たちばかりだと思いますが、我々も馴染みが深いと言えば深そうで、深くないのかも知れない?…と」「イヤイヤ、オレは深いですよ。
10年ぐらいBLIND BIRDというバンドを一緒にやっていましたからね」「オレはPONさんが大阪でまだ『FORT$KNOX』をやっていた頃からだから…40年ぐらいの付き合いです」
「オレが知らないだけですごく馴染みが深かったね。
いかに自分が新参者だってことを思い知らされたわ!
山口“PON”昌人のバースデイ・パーティー…この後もブチかましてくれると思います。
その前にMOONSHINEを楽しんでいってください。
よろしくお願いします」開放弦を使った独特のギター・リフから始まるのは「嘆きと嘘」。
最初のCDに収録されたチャーリー作曲のMOONSHINEスタンダードのひとつ。藤井さんのウソ偽りのない力強い歌唱が素晴らしい。
「楷書」の歌だ。
実際に藤井さんは絶対にフェイクしないからね。
どんな曲でもキチンと丁寧に歌う姿が美しい。シットリとした曲調は途中でガラリと様相を変え、4人が一枚岩と化してハードに迫りくる!
毎回書いているけど書かないではいられないのがチャーリーのチャーリーだけの言葉によるソロ。
真空管アンプがそのオリジナリティを忠実に増幅する。
やっぱりどこをどう聴いても真空管アンプしか勝たん!
重量部門も優勝だ!「誰にだって決して捨てきれない夢がある…」という藤井さんのセリフ付きでスタートしたのは「くすんだダイヤモンド」。
この曲もCDにはまだ収録されていない。 どこまでも重厚な「金光ビート」。
そこへ河野さんがローB弦の低~いところを乗せて来る。
そう来りゃ2人のコンビネーションは重いにキマってる!そんなヘヴィなリズムにピッタリとマッチするメロディをナゾる藤井さんとトライトーン含みの和音で合いの手を入れるチャーリーのギターがまたイカしてるんだよ。
ナンと言ってもこの曲のチャーム・ポイントはみんなで4分で歌うサビの「♪く・す・み・か・け・て・る」のパート。
以前にも書いたことはわかってる。
でも何度も書きたくなっちゃう。そんな「♪ひ・け・ら・か・す・よ・な」輝きを放つ魅力的な1曲。
チャーリーのソロはこの曲においてもすこぶるクリエイティブ。
このソロ・パ―トでの河野さんのベースも決してお聴き逃しなく!
「いかがですか、MOONSHINEは?
美味しい?…チガウ、チガウ!
マズくないだろ?…チガウ、チガウ!
ここまで4曲演奏したんですが、我々は『デモCD』という形で3曲入りのシングルを3枚リリースしています。
全9曲…全部お買い上げ頂くとアルバムになります。
それとTシャツをご用意しましたのでよろしくお願いします。
今、我々はレコーディングの最中なので、この後しばらくライブの予定を入れておりません。
なので今日は存分に楽しんでいってください。
11月24日にはライブがありますのでよろしくお願いします」そう、MOONSHINEは長い長いレコーディングに臨んでいる。
私もその現場に一度お邪魔したが、細部にまでこだわった創作に対する4人の姿勢には畏敬の念を抱かざるを得なかった。そしてレコーディングは残すところ藤井さんの歌入れだけとなった。
ところが、昨日SNSでご自身が発表した通り、藤井さんはノドの具合を気遣い、大事を取りながら進めているため時間がかかっているとのこと。
そうよ、ムリ&ムチャは絶対にダメ。
私もいつか冗談で「東海さんの墓普請」なんてことを書いたが、「せっかちの安普請」をしたところでそうは良いモノなんてできゃしませんよ。
それに藤井さんのノドにもしものことがあったら元も子もないじゃないの?
大人しく待ってます。そしたら藤井さん、ウマいコト言ったね~!
「3曲入りCDが3枚集まればアルバム1枚分」って。
そういうやり方があったのか!
レコーディングが完了するまではこの「複合アルバム」でMONNSHINEの音楽を楽しむことにしましょう! チャーリーが弾くアルペジオから「過ぎゆく時を」。
藤井さんが丹精込めて歌い上げるミディアム・スローの1曲。
コレもまだCDには収められていない。激しく重いばかりではない金光さんのビートが曲を柔らか~く膨らませていく。
MOONSHINEにしてはとても素直なナンバー。
これもまたとても良き哉。金光さんのシンバルが導く「ひび割れた記憶」。
2枚目のCDに収録された1曲…「複合アルバム」で言えば真ん中あたり。大人しいパートから…
ガツンとハードなパートへ幾度となく繰り返されるパターン。
このハードなロック・ビートに変わるところがトリハダもの。
このチームはこの手の仕掛けの曲を自然に、かつドラマティックの聴かせるのが実にウマい。息詰まるようなスリル満点のチャーリーのソロ!
そしてテンションのカタマリのような藤井さんの歌声が全編を貫き通して聴く者に「ロックの感動」を与える。
「早いもので我々の出番ももう少しで終わりです。
ありがとうございます。
また別の機会にお目にかかることがあったら、是非ともMOONSHINEを楽しんでください。
よろしくお願いします」バンドの中でPONさんとの付き合いが一番長い金光さんからもひと言。
「今日はPONちゃんの誕生日ということでおめでとう!
今日も相変わらずの暴れ太鼓をPONちゃんがブチかましてくれると思います。
オレは、PONちゃんと出会ったのが17歳ぐらいの時で、とっても大きな影響を受けました。
こういうことしたりとか(スティックくるくる)、こういう顔したりとか(ギューの顔)、ワァ~って言ったり…大きく影響を受けてます、オレ。
今日もPONちゃんの素敵な勇姿を拝みたいと思います。
みんなでお祝いしましょうね!」
ご存知の通り金光さんもPONさんもNATALを愛用して頂いているけど、PONさんを紹介してくれたのは実は金光さんなんです。「じゃあ、ボクらからの最後のメッセージ。
『明日へと続く道』を歌っております」曲は1枚目のCD収録の「明日が壊れても」。
「♪明日が壊れても 昨日がウソでも この道は続く」…と、藤井さんの言葉でPONさんにエールを送った4人。
ホントにこのバンドはカッコいいと思うんですよ。
ロックが大人のモノだった時代のロック。
今となってはひとりでも多くの老若男女に聴いてもらいたい。
どうかライブ会場に足を運んでください。短いながらも充実したMOONSHINEのステージが終わりイベントも後半に突入する。
<後編>につづく