米山大輔のザ還暦ロック~BAD SCENE&FLOWER-CHILD
今回のライブ・レポートは町田から。
町田はウチから遠くてネェ。
よほどのことがない限り足を向けることがない。
今まで生きてきた中で恐らく10回は行っていないのではなかろうか?
イヤ、今回で10回目ぐらいかも。
そんなに滅多に行かない場所にはるばるやって来たのは大切な祝儀があったから。
現場は初めてお邪魔する「The Play House」。
入口に飾られていた祝い花。
この日は「ザ還暦ロック」と銘打ったギタリスト「米山大輔」の還暦を祝うイベントだった。
出演は大輔さんのギタリスト人生で関わってきた8組の皆さん。
そのウチの2組のステージのもようをレポートする。
ひとつは1992年に日本クラウンからメジャー・デビューした「FLOWER-CHILD」。
最近は「メジャー・デビュー」なんて言葉を耳にすることも滅多になくなったが、「1990年代前半」ということであればそれは大変なことだった。
川上真樹(以下「マッキーさん」)
曽我"JETTSOUL"将之
佐藤浩一
そして本日の主役、米山大輔。
相変わらず伸びやかな歌声のマッキーさん、Marshall Blogへは久しぶりのご登場。
そのマッキーさんの歌をフィーチュアした明るく楽し気な曲がバンバン飛び出してくる。
ステージ前方で暴れまくる2人のイキはピッタリだ。
ボトルネックも披露した大輔さん。
その図太いギター・サウンドを出しているのは…
もちろんMarshall。
ヘッドはJCM800シリーズの「1959」。
キャビネットは「1960A」。
大輔さんのトレードマークの花柄の1959。
実にいい感じだ。
大輔さんはコレをジャンプして使用している。
マッキーさんがフラット・マンドリンを提げて歌う「Hey! Hey ! Hey!」。
FLOWER-CHILDのファースト・アルバムのタイトル曲。
コレが実にカッコよかった!
タイトで…
フレキシブルなリズム隊をバックに…
マンドリンが効果的に使われて…
大輔さん猛ハッスル!…という寸法で徹頭徹尾にぎやかなステージだった!
去年の9月ぐらいだったかな?
夜、秋葉原のあたりを車で走っていると、大輔さんから電話が入り「来年の5月30日は空いていますか?」とお尋ねになる。
そんなに先の予定は入っていないことを伝えると、その用向きを説明してくれた。
「ボクの還暦祝いのイベントでBAD SCENEをやるんですよ!」
「おお!それは楽しみだ!」
とお誘いを受けて、アッという間にこの日がやって来た。
そもそも大輔さんと知り合ったのは2015年3月に開催された『RHYTM FEAR』というイベントの時のこと。
大輔さんが登板した「BIG☆X PROJECT」というチームのもうひとりのギタリストが杉山勝彦、ドラムスが三根生啓の元BAD SCENEメンバー両氏だった。
その後、大輔さんとは昔のBAD SCENEの音源を交換したりして仲良くさせて頂いてきたというワケ。
この日の屋台村のようす。
マッキーさんのアイテムや…
大輔さん関連のアイテムが並んだ。
そして、「BAD SCENE」がトリでステージに姿を現した。
オープニングは「Machinegun Gig」。
BAD SCENEについては過去2度にわたるMarshall Blogの記事で私の思い出を絡めて詳しく言及しているので今回は細かくやらない。
代わりにその2つの記事をリンクしておくので是非ご覧ください。
↓ ↓ ↓
①RHYTHM OF FEAR <前編>~BIG☆X PROJECT
②杉山勝彦校長の「かっちゃん感激‼︎」還暦ライブ!~BAD SCENEを見た!
金子光則
杉山勝彦
三根生啓
以上の元のBAD SCENEのメンバーに加え…
FLOWER-CHILDから引き続き登板した曽我"JETTSOUL"将之。
そして本日の主役、米山大輔。
共演を重ねているだけあってノッケからギター2人がピッタリとイキの合ったところを見せる。
曲が終わるやいなやお待ちかねだったお客さんたちから大きな歓声が沸き上がった!
コレは上の屋台村のところでチラリと紹介したBAD SCENEの新しい3曲入りのCD。
この日、限定で販売された。
2曲目はそのCDから「No Where」。
曽我さんのヘヴィなベースで曲はスタート。
その低音が三根生さんのドラムスと抜群のコンビネーションを見せるミディアム・ファスト・チューン。
金子さんのパワフルなシャウト!
ギター2人のソロがそれぞれフィーチュアされて…
ゴキゲンなことこの上なし!
元来「ロック」という音楽はこういうモノを指す。
「♪No where」のコーラスもとても印象的だ。
「サンキュー!
今日は…大輔、60歳だって?
大丈夫、大丈夫。オレ72歳だから!
ドンドン近づいてるね~」
大輔さんが金子さんと知り合ったのは14歳の時だそうだ。
私が小岩の「音曲堂」のホールで初めてBAD SCENEを見たのは1978か1979年…16か17歳の時だった。
私の方が少し早かったのね?…歳を取っているから。
高校生だった私もこの時出演させてもらってUFOのコピーを演った。
チョット記憶が曖昧なのだが、かつて「オレたち『浦和のツェッペリン』じゃなくて『世界の是夢』を目指しているんだ」というキャッチ・コピーでヤマハの広告に出ていた「是夢」という浦和のトリオ・バンドも出演した。
是無はこの時はシンガーを加えたカルテット編成になっていたが、「ラスト・パーティ」という曲や「Dr.ペッパーのナントカ」という曲を演奏した。
コレがとても良い曲だったんですよ。
我ながら50年も前のことをよく覚えていると思うが、ホントにロックが好きだったんです。
続いて杉山さんが奏でるリフで始まった曲は1981年にシングルでリリースされた「SAHARA」。
今でも大切に保管しているシングル盤。
発売されてすぐに買った。
シングル・レコードが目の前でそのまま再現されて…
杉山さんのソロが続く。
杉山さんももちろんMarhall。
「JCM900 4100」と「1960A」。
昔、杉山さんが使っていたMarshallは「1987」のハーフ・スタックだった。
今でいう「1987X」と「1960AX」。
「アンプのナチュラル・ディストーションで弾きたいので50Wのモデルにした」…という話を新宿ロフトかどこかで高校生の私にしてくれたように記憶しているが、その時に話の意味を理解していたかどうかは記憶にない。
その後、そんなヤツが30年近くMarshallでメシを食って来たんだから世の中恐ろしい。
三根生さんのドラムスが裸になって…
「♪Sail on burning sand」
「♪Keep on looking for the promised land」と客席とのコール&レスポンスが展開した。
「Sahara」は私が覚えている限り、シングル盤が出るまで一度もBAD SCENEのライブで耳にしたことがなかった。
要するに当時の新曲だった…ハズ。
で、その新曲のタイトルが「サハラ」と知った時に真っ先に頭に浮かんだのがコレだった。
『サハラ戦車隊』という1943年のアメリカ映画。
原題は『Sahara』。
ハンフリー・ボガートとその仲間がオンボロ戦車の「ルル・ベル号」とともにサハラ戦線でドイツ軍に立ち向かう話。
水がなくて、水がなくて…観ている方もノドが乾いてしまうオモシロい作品だった。
それとテレビのコマーシャルのロケでやたらと使われているのが千葉県の「佐原」。
ココは「伊能忠敬」が住んでいた実に美しい町なのだが、残念ながら読み方は「サハラ」ではなく「さわら」だ。
蛇足ながらジャズではこんなアルバムもあるよ。
「アーマッド・アブダルマリク」というベーシストがウードを弾いているアルバム『Jazz Sahara』。
タイトル通りサウンドはもろにアラビアというのかエジプトというのか…コレが実に良いのです。
BAD SCENEはもちろんLPも大事に保管している。
「ウチは『イエーイ!』とか『のろうぜ!』っていう感じはもう齢なんで止めています」
昔さんざんやられていましたからね。
私は渋谷の屋根裏やまだオープンしたばかりの吉祥寺のシルバー・エレファントあたりで小声で「イエ~イ」とやっていたクチでした。
しかし、あの自前のPAシステムを持ち込んで演奏したシルバー・エレファントのライブはホントにスゴかった!
1983年のシングル「Stoned Night」。
TVKテレビの「Music Shotgun」という番組のテーマ・ソングとなったAABAのサビつきブルース。
大輔さんがリフを弾く。
もちろん大輔さんはFLOWER-CHILDの時から引き続いてMarshallを使用している。
大輔さんのリフに杉山さんが加わり…
リズム隊が入りこんでくる。
ロック・ミュージックの常套手段にして醍醐味だ。
そして金子さんの激唱!
杉山さんと大輔さんのギター・バトルも飛び出した!
その後には杉山さんによる強力なアオリが待っていた。
「OK!Are you ready?
♪イエーイイエイ…
全員で元気よくいきましょうよ!大輔の還暦のために!」
「♪イエイイエーイ」
「♪イエイイエーイ」
杉山さんのパワフルなリードで大いに盛り上がった!
続いても今回のCDに収録されている「Crazy Club」。
コレも密度の濃いミディアム・テンポのヘヴィ・チューンだ。
ツイン・リード・パートもバッチリと決まって…
ステージ前で四4者揃い踏み!
見せどころ聴きどころ満載!
曲が終わるやいなや三根生さんのドラム・ソロが始まった!
鮮やかなスティックさばきを存分に見せてからそのまま…
「Birds of Fire」へとつなげた。
この曲も今回のCDに収録された。
上に書いた通り47、48年前に小岩の「音曲堂」で初めてBAD SCENEを見た時に最初に耳にした思い出深き曲。
昔はよくライブのオープニングで取り上げていた。
そのBAD SCENEのキラー・チューンのひとつで本編を締めくくった5人!
盛り上がりに盛り上がって本編の幕を下ろした。
やっぱりこういう自分の青春がらみのバンドが登場するとなると、どうしても昔のことを思い出しながら記事を書いてしまうのが人情というモノであろう。
それで思い出した。
上でリンクした過去の記事の中ですでに書いたことなのだが、昔「Plumage(プルーミッジ)」という民間の音楽サークルがあって、その集まりにBAD SCENEがゲスト参加したことにより私はこのバンドを知った。
つまり初めて見た小岩の音曲堂のステージがそれだったワケだ。
私が通っていた学校にはまだロックを聴いている連中が少なく、高校2年生の頃、ロック仲間を求めて私は足繁くPlumageの集会に通った。
ある時、そこに出入りしているバンドを集めて杉並公会堂で自主コンサートを開催することになった。
確か『フェイント・カーニバル』とかいうタイトルだったと思う。
そこにもBAD SCENEが出演した。
私はこのコンサートかぎりのバンドでギターを弾かせてもらうことになった。
当時流行していたディスコ系の曲を演奏することになり、生まれて初めてファンク・ストラミング(カッティング)なるものの練習をした。
下は生まれて初めて買ったエレキギターを提げて舞台に上がったその時の写真。
「朝日無線」で買った6万円のグレコのストラトキャスター・モデルだ。
トリはBAD SCENEで、最後にその日の出演者数人がステージに上がることになって、私もギターを提げて登壇したのだがアンプがないので弾くマネをしていた。
するとその私の姿に気づいた杉山さんが、6弦の3フレットを人差し指で押える大ゲサな仕草をしながらしきりに口を横に広げ、私に向かってナニか叫んでくれている。
曲は「Tush」だったのかな?
杉山さんが叫んでいた言葉は「ジー!ジー!」だった。
つまり曲のキーが「G」であることを懸命に私に伝えようとしてくれていたのだ!
私がギターにケーブルがささっていないことを杉山さんに見せると、納得したご様子になった。
そして、コンサートが終わった時、杉山さんは私に「キミ、いいね~、BAD SCENEのローディやらない?」とお声をかけてくださった。
こんな50年近く前のことを杉山さんは絶対に覚えていらっしゃらないであろうが、私にとってはとても楽しい思い出となった。
この頃のPlumageの皆さんは今どうしているだろうナァ。
さて、アンコールの部。
「ありがとうございました。
もっと演って欲しいって…どうする?やる?やめる?」
客席からは「やる~!」という大きな反応。
「オーライ!みんな、ハードロックは好きかい?
オレたちダ~イ好きだよね」
と、アンコールでまず演奏したのは「Sahara」のB面でもあった「In the City」。
私は金子さんがこの曲を「新しい曲」として紹介した時のライブにいたような記憶がある。
それまでの「風に向かってぶっとばせ」とか「Rising Dream」とか等とは異なり「Whole Lotta Rosie」のようなエラくシンプルでストレートなハード・ロックぶりに驚いたのだ。
「♪ベイビー いつもの酒でも飲もう」…この曲とはゼンゼン雰囲気が異なる「ペルシャの女」なんてスゴく好きだった。
そして最後はマッキーさんがステージに上がった!
大先輩に心から敬意を示したマッキーさん。
とてもうれしそうだ!
マッキーさんを迎えて演奏したのはステッペン・ウルフの「Born to be Wild」。
パートを分け合い、絶妙な押し引きで歌いこなす2人。
金子さんも最後まで気力のこもった歌を聴かせてくれた。
いよいよクライマックス!
曲が終わると大きな大きな歓声が沸き上がった!
そして、ステージにひとり残った大輔さんから〆のごあいさつ。
「今日はありがとうございました。
1年かけて計画して、これだけの皆さんに集まって頂いて本当に感謝します」
この日は大輔さんの誕生日であったが、出演者の中には他にも還暦を迎えた方々がいらっしゃって大輔さんからお祝いの言葉が贈られた。
「本当に…ステージの皆さん、お客さま方、それからスタッフの皆さん、この場をお借りしてもう一度お礼を言わせてください。
ありがとうございました!」
大輔さん、ご還暦おめでとうございました!
そしてお誘いありがとうございました。
米山大輔の詳しい情報はコチラ⇒Official Facebook
(一部敬称略 2026年5月30日 町田THE PLAY HOUSEにて撮影)