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2023年12月 1日 (金)

26周年記念コンサートのBARAKA~Red version


昨年結成25年を迎えたBARAKA。
「25周年」の次は…そう、「26周年」だネェ。
「別に5年、10年と5の倍数でお祝いをしなくてもいいではないか!」…というワケではなくて、今日レポートするコンサートが開催されたのは去る10月19日のこと。
この「10月19日」はまさにBARAKAの3人が初めて一緒に音を出した記念すべき日なのだが、その長い歴史においてこれまでその「10月19日」にライブを演ったことが一度もなかったのだそうだ。
今回のライブがちょうどその日に当たったものだから「26周年」を謳ったワケ。10v 開演前、会場にはマイルス・デイヴィスの「Nefertiti」がBGMで流れた。
以前「In a Silent Way」も使われていたが、メンバーの誰の好みなのかな?
ウェイン・ショーターが作曲した前者はジャズの命である即興演奏を排除した1968年の問題作。
後者はテリー・ライリーやスティーブ・ライヒらのミニマルミュージックよろしく、「♪タカチータカチー」と同じリズムを延々と繰り返す「フュージョン・ミュージックの嚆矢」とされる1969年当時の衝撃作。
ちなみにオランダのFocusはこの曲のリフを拝借して「Harem Scarem(『Humburger Concerto』収録)」という曲を作っている。
こうした音楽の雰囲気がこれから始まるショウのイメージにすごくマッチしている感じがした。
 
エキゾチックなSEが会場に響き渡り、BARAKAの3人が舞台上に姿を現し演奏が始まった。
1曲目はこの日初めて人前で演奏したという「Superior Force2」。
20高見一生
Img_9979_2 依知川伸一
40v平石正樹30v疾駆する依知川さんと平石さんのリズムに乗って一生さんがテーマに、そしてソロにとハナから暴れ回る。60依知川さんが使用しているアンプはEDEN(イードゥン)。
思えばコレのおかげで私はBARAKAとの縁を結ぶことが出来たのだ。70vもうMarshallはEDENから手を引いてしまったが、コレはホントに素晴らしい音を出すアンプだと思うよ。
「ベースらしいベースの音」っていうのかな?
どこまでもヌケてくる正しい低音が爽快極まりない。80v足元のようす。
依知川さんは足鍵盤を操るパートも多く、まさに四肢を駆使してのパフォーマンスだ。90一生さんはもちろんMarshall。100Marshallが創立40周年を記念してリリースした白の1959と1960。
コレをジャンプ(旧名:リンク)して使用している。110コチラは一生さんの足元のようす。120一生さんの音も最高に素晴らしかった。
「パチーン、パチーン」と1959独特のサウンドが会場のどこにいても直接耳に入ってくる。
それだけ音ヌケがよいのだ。
コレ、絶対にデジタル・アンプではできない芸当。
あの手の機械はアンプからの距離が大きくなるとナゼか聞こえなくなっちゃうんだ。
このMarshallのギター・アンプはPAシステムが全く貧弱だった時代に作られたアンプなので、音が遠くまで飛ぶように出来ている。
「今はPAシステムが発達したからそんなアンプは必要ないじゃないか」って?
トンデモナイ!
ロックの現場はステージの中の音がある程度大きくないと、どんなに優れたPAのシステムを使っても十分に迫力が出ないからだ。
AC/DCがステージ上のMarshallのスピーカー・キャビネットを何十台も鳴らしているのは、彼らがそのことをよく知っているからなのです。130景気よくブっ飛ばして最高の滑り出しを見せた26周年記念コンサート!0r4a0009 フェイザーを効かせた一生さんのアルペジオから始まる2曲目は最近作『Maverick』のタイトル・チューン。150v_mいかにもBARAKAらしい1曲。
5/4拍子、7/4拍子、緩急自在、当意即妙に表情を変えていく。170vフレットに弦を打ち付けてアグレッシブなソロを聴かせる一生さん。
BARAKAのライブ・レポートではいつも書いていることだが、一生さんも「自分だけの言葉」を持っているギタリストの1人だ。180v 平石さんのドラムスがフィーチュアされ…190尚も曲は数々の情景を映し出して消えていった。200 続けての3曲目は「Meteor」。
「Meteor(メテオ)」とは「隕石」とか「流星」のことね。
「comet(コメット)」は「彗星」。
我々の「コメットさん」といえば上野桜木町出身の九重佑三子だ。
「上野桜木」といえば…あ、イカンイカン!コレをやっていると一生さん式MCのお株を奪ってしまうことになる!
 
マレットで叩く平石さんのドラムスが深遠な雰囲気を演出して…210v_mtココでも一生さんが指ではじいた弦をフレットに当てて弾奏でたギターの音が響く。
シットリとしていていいナァ。
このライブ・バージョンはCDとはゼンゼン異なるアレンジで、このライブ・バージョンを私が耳にすると、一生さんがフランク・ザッパにギターで語り掛けているように聴こえる。
5/4拍子の名バラード「Watermelon in Easter Hay」だ。
220v_wmeh
…と思ったらドカ~ン!
チコちゃんではないが、ボーッと生きてちゃダメだ。
このパートのリフはムズカシイからね。
前回も書いたけど、こういうのはナンて言えば良いのだろう?
23/8拍子か?
そういえばパット・メセニーにも「First Circle」という22/8拍子の曲があった。
ステージではしきりに曲に合わせて手拍子を打つようにアオるんだけど、お客さんは誰ひとりそのリズムに手拍子を合わせることができない。
BARAKAの場合は8つ並んでいる3連符の最後の1拍を削るというパターン。
ボーッとしていなくてもコレに合わせて手拍子を打つことはムズカシイ。
230依知川さんは手と足で大忙し。240v美しいクランチ・トーンで弾くテーマ・メロディ。250曲は例のハードな変拍子パートで終わるかに見せかけて、転調してまた動き出す。
レゲエっぽいリズムに合わせ、パーム・ミュートしてスタッカートで弾くベース。
260
そして、そのリズムに呼応して弾く一生さんのギター。
ココでもマイルス・デイヴィス…マイルスの晩年のオハコ、「Jean Pierre」のテーマをクォートした。
マイルス好きは一生さんなのね?
BARAKAのことだからもうひと騒ぎありそうなイメージだが、このまま消え入るように終わってしまう。コレもBARAKA流。270v_jp「皆さん、こんばんは!
BARAKAの26周年記念コンサートにお越し頂きましてありがとうございます。
26年前の10月19日…三軒茶屋のスタジオで初めて3人で音を出した時、『ア、コレはすごいモノが出来るんじゃないか?』という感覚を覚えました。
その時、2人はどう思ったかはわかりませんが…。
週1回リハーサルをして、ライブを演って、それから26年の間休むことなくガンバって参りました。
明日から27年目に入ります。
今日も最後まで思いっきり演りますね!
どうぞ楽しみにしていてください。
ところで皆さん、入り口に『Maverick』のタオルわかりました?」
280v「今日のために限定で50枚作りました。すごくいいタオルです。
みなさんでコレを手にして応援して頂けたらうれしいです!」
と、BARAKAの最近作『Maverick』のジャケット柄のタオルを紹介した。
Img_0042 「次はカバーを演奏します」と続けたのは「いい風よ吹け」という曲。
寡聞にして私は存じ上げなかったが、コレは1999年の沢田研二さんのアルバムのタイトル・チューン。310v 最近はBARAKA全員で沢田さんのバックを務めているからね。
依知川さんのこのアルバムに「インチキ小町」と「お気楽が極楽」という曲を2つ提供している。320もちろん曲はおおよそBARAKAらしくない素直な(失敬!)ポップ・チューンだったが、とても大事に演奏している3人の姿が印象的だった。330続けてはBARAKAのショウではおなじみのビートルズ・メドレー。
330_bt持ち替えた依知川さんのベースがメロディを担当する「Norwegian Wood」。340v_nw一生さんはダブルネックに持ち替えて「Something」をプレイ。350v そして「Day Tripper」。
12弦ギターであのリフを弾く。360_dt刻々と変わって行くビートルズの風景。380完全に自家薬籠中に入れたビートルズ・ナンバーを完璧に演奏した。Img_0105 エ?ナンでやねん!
それ…ビートルズちゃいまっせ!
最後にビリー・コブハムの「Stratus(ストラトゥス)」が出て来た!
しかもあのリフを一生さんは12弦で弾いたのだ。390v_stts いつ聴いてもこのBARAKAの破天荒なアレンジのビートルズは楽しい!
そういえば、最近「Lady Madonna」で新しい発見をしましてね…やっぱり英語とイギリスの文化が本当にわかっていないとビートルズを100%楽しむことはできんね。
だからBARAKA版のビートルズを楽しもうじゃないか!400「皆さん、今日はありがとうございます!
去年25周年を記念してEX Theaterで演りましたがあの時もありがとうございました。
普通25周年の次は、30周年、35周年、となるんでしょうどBARAKAは26周年。
そしてまた、結成した時と同じ日にライブを演るという…こう見えて意外と3人ともマジメなんです」410v 「皆さんも『1年早いよねぇ~』ということをおっしゃっていると思うんですけが、ついこの間お正月だったと思ったらもう間もなく年末ですもんね。
本当に時が流れるのは早いと思いますが、我々もガンバって色んなことにトライしていきたいと思っています。
ゼヒ皆さんも我々と楽しい時間を共有して頂ければと思いますのでこれからもよろしくお願いします。420次はその平石さんのお気に入りという「Reflected Waves」。
平石さんが叩くスネアのリムの音が脳裏に焼き付くとても印象的なイントロ。Img_0083 そして曲は突如として表情を変え11/8拍子のヘヴィなセクションに移行する。440依知川さんの図太い低音がグイグイとバンドを引っ張って行く。
実に良い音!
475v_811一生さんは自由に曲の中を飛び回る。450v今回は「Stella Maris」をメドレーでつなげた。
それこそマイルスの『On the Corner』じゃないけれど、BARAKAの曲はメドレーにされるとどこで曲が変わったのか判別がムズカシイ時があるね。
「Stella(ステラ)」とはラテン語で「星」、「Blanche(ブランチ)」は同じくラテン語で「蛾」という意味…というのはテネシー・ウィリアムスの『欲望という名の電車』の一節。
コレばっかり書いてスミマセン。
とても好きな映画なもんスから。
そういえば『1958 Miles』の「Stella by Starlight」はいいな。
480vこのメドレーのつなぎ目はわかりやすい。
ナンとならば、あの平石さんが叩く印象的なリムの音が帰って来たからだ。
つまり「Reflected Waves」で「Stella Maris」を挟んだのであった。490「イエイ!みんな元気?
ホントありがとうございます。
元気1番!
2に睡眠…3時のおやつは」
「文明堂!」
出た!コレが一生さんしかできないMC。
話がどこに飛んで行くのか誰にもわからない。
510ちなみに、長崎に行くと「文明堂」は新興のカステラ屋さんであることがわかる。
文明堂の創業は1900年。
一方、コウモリのロゴで知られる「福砂屋」の創業は1624年だからね。
テレビ・コマーシャルの力ってのはやっぱりスゴイね。
ところで、カステラってハジッコの切り落としてしまう部分が一番おいしいんだって。
でもその部分は販売しておらず、どうもスタッフが頂いちゃうらしいよ。0r4a0447 「そう…25年。
丸25年やってきたワケですけど、最初はもうオモシロイすよ…オモシロくないですけど。
最初の頃はスタジオに入ると『おはよ!』とかやっていましたけど、だいたい20年くらい経つと『あ!』とか『うっす』みたいな感じです。
会話も『ソレ、アレちゃうん?』、『コレ?』みたいにアレ、コレ、ソレばっかりですわ。
顔の筋肉使なアカンのに…これを機に口角を使う顔の運動をみなさんと一緒にやりましょうか?」
と、「元気」をキーワードにみんなで「い」の発音をして顔の運動に取り組みました。
仕事がら、私もずいぶん色んな人のMCを聞いて来ているけど、一生さんのようなMCは他に2つとない。
いつも楽しみにしています。
500v「もう後半戦です。
最近は世界中で何が起こるかわからないような状況ですが、ボクらはこれからも1音1音、大事に音を奏でていきたいと思います。
よろしくお願いします」Img_0037 「どこまで演るかわからない」と紹介した本編最後の曲は「Bharmad」。
『BARAKA VII』に収録されている20分を超す大組曲。
25周年記念コンサートの際には「Flow」と呼ばれる第2曲を演奏した。
今回はその全てを丸々披露しよういう企画…だから依知川さんの「どこまで演るかわからない」という発言になった。
0r4a0139いきなり10/8拍子のリフが炸裂!530v5/4と6/4拍子が入り交ざるパートにつながる。
ああ、こういうのはオモシロイなぁ。540v当然のことながらこの曲も山あり谷あり、刻々と情景が変わって物語が進んでいく。560そしてBARAKのショウでは欠かすことのできない平石さんのソロの出番。570ステージにひとり残って気魄に溢れたスティックさばきを披露した。580vそのまま依知川さんのベース・ソロ。590v平石さんとの会話を楽しむかのような深みのあるソロ。
バカチコと弦を叩くばかりがベースのソロではないのだ。
でも、この2人の音の会話の内容はきっとかなりシリアスだぞ。600v一生さんのソロを交え、曲は更に様々な表情を見せながら…
620vクライマックスへと向かった!
610さて、本編の最後を飾ったどこまで演るかわからない「Bhramad」…どれだけ演ったと思う?
攻めも攻めたり何と38分!
ただただ、ひたすら「圧巻」だった!520_bra_2 アンコールを待つ間に今日の屋台村を拝見。
さっき依知川さんが触れていらした「Maverickタオル」あり〼。Mer1Tシャツもズラリ。
一貫性に富んだデザインがステキ!Merc2そして、3人がステージに戻って来た。
「皆さん、ありがとうございました!
アンコールにお応えして…参ります!640v「参ります!」で気合が入った!
アンコールでは「Superior Force」。640_sf1豪快にブッ飛ばす3人!
27年目が見えた!650v

660v

670v26周年おめでとうございました!
これからジャンジャンBARAKAだけの音楽をクリエイトし続けてくださいまし!
 
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680 <つづく>
 

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>


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200 (一部敬称略 2023年10月19日 渋谷PLEASURE PLEASUREにて撮影)