Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 2017年2月20日 | メイン | 2017年2月22日 »

2017年2月21日

2017年2月21日 (火)

【号外】 ラリー・コリエルのこと

Larry Coryellが逝った。
コレはちょっとショックだナァ。
果たして彼がMarshallを使っていた、あるいは使ったことがあるかどうかサッパリわからないし、かつてSuper400を愛用していたことを知っている以外、どんな機材を使っているのか気にしたこともなかった。
よって、Marshall BlogにLarryの話題を挙げるのはふさわしくないかもしれないが、ジャズ・ロックの全盛期を彩った偉大なギター・イノベーターに公私混同的に一文寄せることをお許し願いたい。
  

ところで、この人何ですか?…「フュージョンのゴッドファーザー」って呼ばれていたんですか?
そんなことゼンゼン知らなかった。
この通り、私は熱心なファンではないのだが、昔は「ラリー・コーイエル」と表記されていたのは覚えている。
特にファンでなくても、ジャズやフュージョンの道を通ると、彼が参加した作品を数多く保有してしまうのは自然のことではなかろうか?
コレは恐らく私だけに起こっている現象ではないだろう。
今、この記事を書くに当たって、LPとCDの棚をサラっとチェックしてもコレだけ出て来た。

1_img_34272 『Standing Ovation』やクラシックものは遠い昔に処分してしまったし、この他にもラリーが参加した作品がゴチョゴチョあるのだが、棚から出すのが面倒だったのでパスさせてもらった。
どんなアルバムかというと…
例えばGary Burtonとの『Dustar』や『Lofty Fake Anagram』、『A Genuine Tomg Funeral(葬送)』…

Gb Steve Marcusとの『Count's Rock Band』『Tomorrow Never Knows』、『The Lord's Prayer』…

Sm
Charles Mingusとの『Three or Four Shades of Blues』や『Me Myself an Eye』…

34 それと、私はPhilip Catherineが大好きだったので、最初の写真にあるように、共演盤を買い込んで来ては聴き入っていた。
こうして書いてみると、イヤ~、ものすごいキャリアだよね。
一応、ジャス史的にはジャズ・ロックの中心人物みたいな扱い、言い換えるとジャズにロックのエキスを注ぎ込んだ人として知られているけど、果たして本当のストレート・アヘッドなジャズができるんかいな?とジャズを聴き出したころ訝しんでいた。
だってなんかフルアコを使って強引にロックを演っている人…というイメージが強かったんだもん。
そこに現れたのが故Emily Remlerとのデュエット盤『Together(1985年)』だった。
この中でLarryはClifford Brownの「Joy Spring」を取り上げ、Emilyとバリバリのジャズを聴かせてくれた。
ウォーキング・ベースのバッキングがすごくカッコよくて「なんだよ、ジャズできるんじゃん!」と驚きつつ感動したことがあった。

Tg 一方、自信のアルバムは私の感覚では粗製乱造というイメージが強くて昔は避けて通っていた感があったな。
その中で名盤の誉高い『Spaces』はアタマひとつ抜けていた。
その2曲目に収録されているのがベルギーのジャズ・ギタリスト、Rene Thomas(ルネ・トーマ)の『Rene's Theme』。John McLaughlinとのギター・デュオだ。
緻密なMcLaughlinと大胆なCoryell、昔はMcLaughlinの方が好きだったが、色んな作品を聴いているウチにLarryの奔放なプレイの方に惹かれるようになった。
四角い部屋を丸く掃いて掃除するような感覚でなんか、乱暴なんだよね。
でも、その丸く掃いた部分の密度がものすごく濃いのだ。
それと髪の毛の量がスゴイ。
うらやましい。
  
考えてみると、一回もステージでチャンと弾くLarry を見たことがなかったな。
一度、NAMMショウで某ギター・メーカーのデモンストレーションをしているのを見たことがあった。
「Oleo」をサラっと弾いた後、「ハイハイ、CDはコッチで売っています。買ってチョーダイ!」みたいな感じでチョット幻滅してしまったのを覚えている。
  
しかしね~、もうこの世にいないとは…74歳だったそうだ。
最後にややヘソ曲がり的に、好きなLarryの演奏を3枚ほどピックアップしたいと思う。
   
まず、コレ。
コレは誰も挙げないでしょう。
Sonny Rollinsの1979年の『Don't Ask』。
大学の頃、上野にあった「イトウ」というジャズ喫茶で初めて聴いた。
たまたまB面をリクエストした人がいて、最後の「And Then My Love I Found You」という曲にヤラれた。
あの時A面がかかっていたらこのアルバムを買うことはなかったと思う。
Rollinsはギター好きと言われていて、全編にわたってかなりLarryのプレイがフィーチュアされている。
今でも時々引っ張り出しては聴いている。

Srフランスのジャズ・ヴァイオリニスト、Stephane Grappelli名義の『Young Django』。
コレはホントに好きだった~。
「Young Django」とは、Charles Mingusがこのアルバムに参加しているPhilip Catherineに向かって言った言葉。
Django Reinhardtの代表曲がベテラン+若手(当時)でフレッシュによみがえるといったところか?
やはりここでもLarryのプレイはダイナミック。
センシティヴなCatherineのギターとの対比がおもしろい。

Sg 最後にLarryのリーダー・アルバムを…。
やっぱコレか…『Spaces』。
今また聴いてるけど…いいナァ。

Lc さようならLarry Coryell…素晴らしい音楽をありがとう。

Thunder Snake ATSUGI 14th Anniversary SPECIAL LIVE!!~TSPの章

厚木Thunder Snakeの14周年を記念するイベント、2番目にステージに上がったのはTSP。
Marshall Blogへが久しぶりの登場だ!

10_2STEVIE

20vShu

30vTHUNDER

40vHINA

50v



オープニングは2012年、TSP初の音源、ミニ・アルバム『MAD CLUSTER』からタイトルチューン。

60直前のBLIND BIRDとはまったく異なるコンテンポラリーなサウンドで会場の雰囲気がガラリと変わる。

S41a0288 「クラスター」というと、ま~ず、頭の中に浮かぶのは「トーン・クラスター」。「音塊」ってヤツ。楽理的には「房状和音」という。
「cluster」は「房」という意味だからね。
ピアノを鍵盤をグバーン!っと腕でいっぺんに押さえて出てくるような文字通り音の塊り。
山下洋輔やセシル・テイラーみたいなフリー・ジャズの人たちがよくやってるヤツ。
でも、コレはジャズの概念や技法ではなくて、元はクラシック。
アメリカのヘンリー・カウエルという人が考え出した概念で、ジョン・ケージやルー・ハリソン(←この人、メッチャかっこいい!)、さらにガーシュインはこの人のお弟子さんだったそうだ。
クラシック音楽は名前こそ「クラシック」だけど、やってきたことは常に「コンテンポラリー」で、今の巷間の音楽はほとんどクラシックが遠い昔に既にやってしまっていることなんだよね。
…ということは今日のレポートに何ら関係ない。
で、なんで「トーン・クラスター」の話を持ち出したかと言うと、そうして音に固めて出すことによってものすごいパワーを生み出そうとしたんだね。
このTSPのサウンドが「トーン・クラスター」だって言いたかったワケ。
90
そのサウンドの要は何と言ってもShuちゃんがクリエイトするそのギター・サウンド。

70vShuちゃんの長年の相棒。
Marshall JMP-1とパワー・アンプEL34 100/100。それにMODE FOURシリーズのキャビネット、MF400A。
もうこのセットになって何年経つんだろう?Shuちゃんが試奏しに来た時のことは覚えているんだけど…。

80v昨年の10月に正式加入したシンガー、STEVIE。
このステージは正式加入からまだ2か月しか経っていない時分であったが、もう完全にバンドとバンド・サウンドに溶け込み、パフォーマンスをバッチリ切り盛りしていた。

100v立て続けに「NO STANDING STILL」。

120vMCをはさんで「Killing Bites」。

130密度の高い、ゴリンゴリンのサウンドでバンドをうねらすリズム隊。

140vケンカ腰のHINAちゃんのドラミングはいつ聴いても迫力のクラスターだ!

150vファースト・ミニアルバムから「Damon's Ride」。

160v要所要所で効果的にはさまれるギター・ソロがまたTSPらしさのアッピールでもある。
ん~、いい音だ。
Marshallのラック・シリーズは1989年のSERIES 9000でスタートしたが、当時はものすごい反響で。世界的にアホほど売れたらしい。
その後、90年代に入りJMP-1やEL34の前身9000番台を発表するとこれまた大ヒット。
こうして今でも愛用するギタリストが多い。
今ではラックの「ラ」の字も騒がなくなっっちゃったもんね~。
でも、Marshallのラック・シリーズってのは名門なんだよね。
ラック・システムは80年代のLAあたりのスタジオ・ミュージシャン(←コレ、ほぼ死語?)が使い出したことに端を発し、一大ブームが来て、そして後を濁さず去って行った。
今はそんな機材にブームを起こすようなミュージシャンってのがいなくなったよね。
「誰が使ったから売れた」みたいな傾向を年々見かけなくなっているような気がする。
それだけ音楽の力がなくなっているんだナァと思うよ。
ごく僅かな例外を除くと、楽器には自分でブームを起こすほどの力はない。ただの工業製品だからね。
音楽についていくだけなんだもん。
いい音楽が出てこないといい楽器は出てこない。
ギター・アンプに関して言えば、今がいい例だと私は思っている。

170そんな愛機をバックにステージ上で暴れまくるTSPのみなさん。

180さらに続けて「附和雷同」。
2015年の『TSP II』は、おごそかにお琴の演奏から始まり、この「附和雷同」につづく。
正しくは「付和雷同」ですからね。

190v最後のMCをはさんで最終セクション。
同じく『TSP II』から「the times」。

230
「回れ、回れ~!」
客席はもう熱気の海!

210ドラムスだけでなく、所々でシブいノドを聴かせてくれるHINAちゃん。
主役級の大活躍はいつも通り!

250v
HINAちゃんと完璧なコンビネーションでバンドをうならせたTHUNDER。
名前も今日のイベントにベスト・マッチだ!

240
ステージ狭しと暴れ回り、TSPのパフォーマンスをみせつけたSTEVIE。

220そして総帥、Shu。
がんばれ後輩!

200v

最後に「矛盾」を演奏して持ち時間を終了した。

TSPの詳しい情報はコチラ⇒TSP OFFICIAL WEB SITE

260つづく

(一部敬称略 2016年12月10日 Thunder Snake ATSUGIにて撮影)