44605960(ヨシロー・ゴクロー)~人間万事塞翁が馬~ <後編>
ベテラン・ドラマー、久嶋喜朗さんの壮行コンサート、『44605960~人間万事塞翁が馬~』のレポートの<後編>。
よしろーさんはそのままに次のグループに出し物が移行する。
しかし、28インチのバスドラムってのはデカいな~。直系71cmだもんね。
ロックで使う普通のバスドラムは22インチ、つまり56cm。
12インチのスピーカーが4個入っているおなじみのMarshallのスピーカー・キャビネット1960の横幅は77cmだからね。
28インチってのは相当デカいことがわかる。
大谷令文!
曲は「Jet」。
STANDの「Jet」ではなくてポールの方ね。「♪ウウウウ~ウウウ~ウウ」の方だ。
ビートルズ関連で言うと、令文さんはジョンの「Jelous Guy」をよくインストで演奏しているけど、コレを演奏する令文さんを見るのは初めて。
やっぱり令文さん、スゴイ存在感。
ギターとキーボード、両方のパートを演奏した。
例の28インチ・バスドラでジャンボ級の「Jet」になった。こんなに重くて月まで飛べるのか?!
私はこの曲で「女性参政権」という英単語を覚えた。実際に使ったことはこれまで一度もないけど…。
David Bowieにも「Suffragette City」という曲があるが、断然「Jet」の方が言葉の使われ方のインパクトが強い。
久しぶりにWingsのCDを引っ張り出して来て聴いてみたが、やっぱり「Venus and Mars」あたりまではポールの才能全開という感じですごくいいね~。
私が中学2年生ぐらいの頃は、絶対にロックなんか聴いていないような子も「あの娘におせっかい(Listen to What the Man Said)」のイントロのメロディを口ずさんでいたりしたな。いい時代だった。
この後、『Wings at Speed of Sound』から「心のラヴ・ソング(Silly Love Songs)」が大ヒットした。それにしても双方ヒドイ邦題だ。
それにしても令文さんのギターってのはどうしてこう外人の空気感が強いんだろうね~。
曲は「Band on the Run」へ。
今日の令文さん、ハコのDSLを使ったけど、やっぱり「令文サウンド」だった。
正しくは「令文+Marshallサウンド」だ!
令文さんがステージを降りてメンバーが入れ替わる。
ここからは女性ボーカルをフィーチュア。
ボーカルはTomoya。
令文さんに替わって再びステージに上がったのは石井仁さん。
曲はGuns N' Rosesの「Paradise City」。
別に言わなくてもいいんだけど、なんか後ろめたいような気がするので白状しちゃうと、私、このガンズってゼンゼン知らないんだよね。
Slashには二度ほど会ったことがあるんだけど…。
何しろ、Guns N' Rosesがデビューして活躍していた頃は横分けにして、ネクタイ絞めて、スーツ着て、おカタイ仕事していたんだ。
でもこうして聴いてみると、80年代のバンドにしてはなるほどカッコいいもんだ。
今頃楽しめてうらやましいでしょう?
実際、Tomiyaさんが本当にカッコよかった!
すさまじいまでのエネルギッシュな歌いっぷりにッビックリしたよ。
その歌声に呼応するかのようにヘヴィにバンドをプッシュするよしろーさん!
Tomiyaさんに替わって登場したのは元ノーマ・ジーンのMARI。
Stevie Salasの「Born to Mack」という曲を演奏。
私はコレまたゼンゼン知らない曲なんだけど、メッチャかっこよかった!
さすがダイナマイト!この発破力は完全に「松」級だ!
そして、TomiyaさんとMARIさんがそろい踏み!
このコンサートにあった「G.S.T.Q.」とは「God Save the Queen」のこと。
コレを指していたのかしらん?
エリザべス女王はまだご健在だけど、チャールズ皇太子が後を継いだあかつきにはイギリスの国歌は「God Save the King」になりますからね。
どうするSex Pistols!
ま、王位後継問題に関しては、カミラ・パーカーボウルズのことがどう影響してくるか…もうヘンリーが継ぐべし!なんて真剣にやってるからね。
仮にウィリアム・ケンブリッジ公が王位を継いだとしても国歌は「God Save the King」だ。
また誰かそれにちなんだ歌を作るでしょ。
さて、曲の方はというとCCRの大ヒット・ナンバー、「Proud Mary」。「♪ローリン!」のヤツね。
ここはもう2人の独壇場!
「このコンサートのハイライト」と言っても過言ではない、留まるところを知らない盛り上がりよう!
メンバー全員が悔いを残さないように思いっきりこの機会を楽しんでいる感じ。
とにかくステージが燃え上がってしまいそうな熱狂ぶりで本編を終了させた。
アンコールでは「44605960~G.S.T.Q.」のメンバーが全員ステージに登場。
ウワサをすればSex PistolsのTシャツを着た竜さん!
曲はナゼか「Helter Skelter」。
こういう場にはおおよそ似つかわしくない曲のような気もするが、暴れちゃえ!
冒頭に出演したよしろーさんのお弟子さんもステージに加わって最後を締めくくった。
曲は「Anarchy in the U.K.」。
ゴメン庄ちゃん、今回は終始フロントに人たちに気を取られてしまってドラゴン・ファイヤをやったことに気付かなかった!
「よしろー」コールで…
よしろーさんが前で出てご挨拶する。
今回は竜さんの企画であったことを説明。タイトルも竜さんの発案だったそうだ。
そして、よしろーさんが出演者全員に関する思い出を語って別れを惜しんだ。
よしろーさんの故郷は石川県の小松だそうだ。
私、上に書いたおカタイ仕事をしていた時、2年ほど富山に住んでいて、石川県と福井県を担当していたんだよね~。
だから金沢、松任、根上、小松あたりは8号線を走ってよく行ったものです。
よしろーさんは小松で音楽関係のお店を営むそうだが、もうドラマーは辞めてしまうという。
とても寂しいことだが、ここで思い出して欲しいのは<前編>の冒頭の昔ばなしじゃ。
「人間万事塞翁が馬」…人生はチョコレートのハコのようなもの、開けてみるまでは何が入っているのか誰にもわからないもんじゃ。
いずれにしても、ベテラン・ドラマーの門出を彩る最高のコンサートになったことは間違いない。
よしろーさん、ありがとうございました!
新しいキャリアでのご成功をお祈り申し上げます。
よしろーさんの詳しい情報はコチラ⇒What's a YOSHIRO World
※明日は「勤労感謝の日」で祭日ですが、Marshall Blogは明日も更新します。代わりに28日(月)の更新を休みますこと予めご了承ください。
(一部敬称略 2016年9月28日 吉祥寺ROCk JOINT GBにて撮影)