ZIGGY TOUR 2014~30th NIGHT STAND
『ZIGGY TOUR 2014』の千秋楽。
開演前に会場に流れるBGMは『Rise & Fall of Ziggy Stardust & Spiders From Mars』。
客電が落ちてDavid Bowieの「1984(『Diamond Dogs』収録)」が流れる。
1984年、そういば大学のマスコミ就職セミナーで「1984年」を題材に小論文を書かされたことがあった。オーウェルなんか読んでいるハズもなく、他に書くこともないので、延々とDavid Bowieのことを書いて強引に紙幅を埋めたんだっけ。
2014年、あれからちょうど30年か…。
そう、あれから30年。このツアーはZIGGYの結成30年を記念して敢行された『30th NIGHT STAND』。会場は超~満員のAX!
佐藤達也
イヤ~、ホントにスゴかった。これぞロックの塊。ロックの「憲法第9条」。それは絶対にみんなで守っていかねばならないもの!
開演前、タロウちゃんから「今日はタップリ演りますよ~」と聞かされていたが、最後までアットいう間だった。
タロウちゃんのお供はJCM2000 DSL100と1960A。
オープニングは「La Vie en Rose」。
こんな豹柄の衣装、これほど似合う人はいまい!
ツベコベ言ってないで、とにかくロックンロール!もうね、あまりのすさまじさに笑いが止まらんわ!
こういうロックが本当になくなっちゃったからね。このトラディッショナルでストレートなロックだけが持つ爽快感は筆舌し難い!
森重さんの背中。「ZIGGY SINCE 1984」だ。
ギターを手にした「Stay Gold」では大合唱。
アコギを手にした(やや)しっとり系の曲がまたよろしいな~。この声だからね~。
タロウちゃんは前回(2010年)に引き続いての参加だ。
考えてみるとタロウちゃんとは結構いろんな仕事をした。雑誌の取材、テレビ番組の収録、バンド・コンテストの審査員、そしてMarshallのクリニック…タロウちゃんのまわりはいつもロックであふれている。
まるでZIGGYの身体の一部のように溶け込んでいる。タロウちゃんのロック魂がZIGGYのそれと完全にマッチしているからに違いない。
そのギター族が持つピュアなロック魂はMarshallによって具現化されるのだ。
森重さんもタロウちゃんのロック・ギターに全幅の信頼を寄せていることがわかる。
憲夫さんのパワフルなふるまいがまた素晴らしい。コレもロック。
これだけの激しい曲を息をひとつも切らさず楽々と歌い続けることができるシンガーは他にいないだろうな~。
それに応えるバック陣も大激演だ。
佐藤さんなんかイスに座っているより、飛び跳ねているか、イスか鍵盤の上に乗っかっている方が長かったのでは?
このバンドのドラムは大変だ。アップテンポの曲を叩きっぱなし、打ちっぱなし。ただの一か所も気を休めるとことがない!この痛快なドライブ感は金川さんのドラムによるところも大きい。
これまた何回か書いたことがあるけど、かつてスティーヴ・ガッドは「ビッグ・バンドでフランク・シナトラのバックを務めるのが夢」と言っていたことがあった。
器楽演奏には超絶技巧でソロをキメる快感があるが、素晴らしいシンガーのバックを務めるという幸せもある。
自分のギターに森重さんが声を載せてくれる…なんて気持ちいいだろうな~。
本編後半にはゲストで武田真治も登場。
森重さんとガップリ四つに組んで豪快なブロウをキメてくれた。ストレートなロックンロールにはサキソフォンの音色が良く似合う。
合い方の憲夫さんもエネルギッシュな低音を注ぎ込みバンドをドライブさせた。
26曲…ほとんどMCなしに突っ走った本編。あまりにもい素晴らしいパフォーマンスだった!
当然コレでコンサートが終わるワケもなく、一旦ステージをを降りた後、ダブル・アンコール。
ここでも惜しみなくジャンジャン曲が繰り出してくる!このコンサート果たして終わりが来るのだろうか?!
舞台から飛び降りでお客さん気分で参加する武田さん!武田さん、ZIGGY大好きなんだね。メッチャうれしそう!
…と、どんなに楽しい時でも終わりは来るもの。2回目のアンコールでも4曲を演奏して〆て34曲。ホントにアッという間だった。
ここで話しは冒頭に戻って…1984年、実は私は当時ロックをまったく聴いておらず、ジャズとFrank Zappaしか聴いていなかった。パンク/ニューウェイヴ、テクノあたりが出て来てからというもの、ロックに興味が失せてしまったからだ。
したがって、テレビで「GLORIA」を歌うZIGGY以外の姿は見たことも聴いたこともなかった。
それが2010年、親友のタロウちゃんがZIGGYのツアーに参加するというので、お誘いを受けてMarshall Blogの取材をさせてもらった。会場はZEPP TOKYO。
アタシャね、愕然としましたよ、そのカッコよさに!そして後悔…もっと早く見ておけばヨカッタ…と。
だから今回もタロウちゃんが参加すると聞いて狂喜乱舞!イの一番で取材を申し入れたのであった。
期待を決して裏切ることのない、前回にも増したエネルギッシュな演奏。前半のたたみかけるような展開には鳥肌と笑いが止まらなかった。人間、あんまりすごいものを見ると笑いが出てくるものである。
「職業は?」と訊かれて、「アーティスト」なんて絶対に答えて欲しくない。きっと「ロックンローラー」と答えてくれるであろう5人による「ロックかくあるべし」のい一夜だった。
客出しのBGMはLeo Sayerの「The Show Must Go On」。そう、この素晴らしいロック・ショウを終わらせてはならない!
タロウちゃん、次回もよろしく!
※Leo Sayerはイギリスのシンガーソングライター。この「The Show Must Go On」が収録されている『Silverbird』ではRuss Ballardがギターを弾いていて、ドラムはMichael Giles。名盤。
70年代には相当人気があった人で、どのアルバムもすごいミュージシャンが参加してバックを努めている。1978年の『Leo Sayer』ではJeff Prcaroを含むTOTOの面々他、もう笑うしかないメンバーが集まっており、まるで「スタジオ・ミュージシャンまつり」の様相を示している。しかし、内容はおだやかで「オレが、オレが」という箇所がまったくない。昔のスタジオ・ミュージシャンは本当に楽器がうまかったことを思わせる。興味のある方はどうぞ。
ZIGGYの詳しい情報はコチラ⇒ROCK GUILD公式ウェブサイト