【号外】バート・ウィードン逝く!
Shige Blog 2012年4月20日初出
レヴォン・ヘルムの悲しいニュースも飛び込んできたが、今、マーシャルの親友から届いたニュースは、ギタリスト、バート・ウィ―ドンの逝去を知らせるものだった。
バート・ウィ―ドンの名は日本ではそれほど知られていないかもしれない。
1920年、エセックスの生まれ。1959年の「Guitar Boogie Shuffle」が大ヒットし、イギリスの音楽史上、初のギタリストのヒット・チャーターとなった。クラプトンやブライアン・メイ、マイク・オールドフィールド、シャドウズ、そしてビートルズに影響を与えたという。
私が彼の名を知ったのは、ジェフ・バクスターがホストを務める『Guitar』というビデオによってだった。この中にマーク・ノップラーが登場し、「It's a lie!」と言いながら一冊のギター教本を実際にその著者に付きつけるシーンがあった。
その教本のタイトルが「Play in a Day」といい、その著者がバート・ウィ―ドンなのだ。
この本はよく英会話系にありがちな、『あなたも一日でギターが弾ける!』系の教本で、ノップラーは尊敬と親しみを込めて、イギリスで一番有名なこのギター教本の著者であり、ギターの大先輩に接したのであった。
このビデオ(実際にはレーザーディスクだった)をそう繰り返し見たワケではないのに、ナゼか私にはこのシーンが印象的で忘れられずにいた。実際に思いだそうとしても他のシーンがほとんど頭に浮かんでこないのだ。
さて、なぜ私がバートの逝去にショックを受けているのかというと、実はバートはジム・マーシャルの無二の親友だったのだ!
だから、マーシャルの何かのイベントには必ずジムに招待されたバートがいて、フランクフルトで何回もお会いしているうちに私も顔見知りになった。もちろん、初めてバートに会った時は、「ウワッ!あのマーク・ノップラーに怒られてたおじいちゃんだ!」とかなりビックリしたっけ!
残念ながら挨拶の他は本当に少ししか会話をしたことがなかったけれど、ニコニコしてとてもやさしいおじいちゃんだった。また、奥様が猛烈に感じのいい人で、目が会うといつもウインクをしてくれた。
マーシャルの工場からヒースロー空港に行く途中にある彼の家の前を通りかかったこともあった。
バートは近く催されるジムのお葬式に出席する予定にしていたという。
天国でジムが何か新しいギター・アンプのアイデアが閃いたのかな?それともジャム・セッションの相手がいなかったのかな?
天国でも仲良くしているに違いない。
心からご冥福をお祈り申し上げます。