SUMMER THUNDER RULES!~JEKYLL★RONOVE
2026年の夏休み終了。
今日からMarshall Blogを再開します。
相変わらずお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
今日は厚木から。
寡聞にして「厚木」と「本厚木」の違いすら存じ上げない私ではございますが…分不相応にも本題に入る前に2つほど厚木について知っていることを書きたいと思います。
ひとつめ。
かつては渋沢栄一の秘書をしていた「永野護」という実業家/政治家が著した『敗戦真相記』という本を読んで驚いた。
昭和20年8月29日、敗戦から2週間後、米軍の飛行機が初めて厚木基地に到着した時のこと。
基地を起点にして飛行機が飛ぶには当然燃料が必要で、その燃料を積んだアメリカのタンカーは横浜に停泊していた。
積み荷の油は横浜港から野を超え山を越え厚木基地まで輸送しなければならない。
その距離たるや約40km。
いちいちタンクローリーで運んでいてはいかにも効率が悪かろうと、米軍は横浜から厚木までパイプラインを敷くことを思いつき日本政府に提案した。
日本政府が考えるところ、大急ぎで測量するだけでも3日や4日を要する大工事だ。
完成させるにはどう短期間に見積もっても3年はかかるであろうと見積もった日本政府は米軍に「一体どれぐらいの期間で完成させるつもりなのか?」と質問した。
すると米軍は「Four days」と答えた。
そんな難工事がたった4日完遂できるワケがないと勝手に思いこんだ日本政府は「たった4ケ月で完成させるとはこりゃまたスゴイ計画ですナァ」と言うと、米軍は「違う!4日でやるんだ!」とハッキリ言い直したという。
日本人がやれば、やれ入札だ、やれ設計変更だ、と3年でできれば上出来とされたこの工事。
「それではお手並み拝見」と実際に米軍にやらせたところ、ナント27時間で完成させてしまったという。
そんなことをする国と大ゲンカをしたんだから日本もスゴイといえばスゴイ。
もうひとつ。
「貧乏」と「苦労する女性」を描き続けた成瀬巳喜男の1958年の映画に『鰯雲(いわしぐも)』という作品がある。
かの黒澤明に「一番尊敬しているのは成瀬巳喜男、二番目は小津安二郎」と言わしめた日本映画界を代表する大巨匠だ。
私もずい分と戦後に作られた成瀬さんの映画を観たけど、どれもいいんですよ。
この『鰯雲』は登場人物が多い上に設定が複雑で、それぞれの関係を読みほどくのに少々忍耐を要するがそれは成瀬作品によくあること。
そして、この作品も「話が何も解決しない」という成瀬巳喜男の作風が貫かれている。
でもいいんですよ。
出て来る役者が圧倒的に素晴らしい。
舞台は戦争未亡人が切り回すある農家。
画面に広がる緑の山々に囲まれた広い田んぼや畑。
この風景はてっきり信州あたりかと思っていたら…ナント、厚木!
それもそのはず、この『鰯雲』の原作を書いた「和田傳(わだつとう)」という1900年生まれの小説家は1985年に「初の厚木市名誉市民」となった人なのだ。
下は映画に出て来る厚木駅の周辺のようす。
駅舎も出て来るが、もうただの四角い箱。
映画の中にはメロディを流しながら畑の真ん中を走って行くロマンスカーも2度ほど登場する。
約70年前、厚木ってこんな感じだったのね?
下は現在の小田急線「本厚木」駅前のようす。
主演を務めたのは元タカラジェンヌで東宝の看板女優だった「淡島千景」。
手塚治虫の『リボンの騎士』に「サファイヤ王子」って出て来るでしょ?
そのモデルが淡島さんだった。
手塚治虫は宝塚時代の淡島さんの熱狂的なファンで、淡島さんをモデルにしてサファイヤ王子を作り上げたというワケ。
淡島さんは美人だし、演技はウマいし…でも、原節子、京マチ子、木暮実千代らと同様に生涯独身で過ごした。
さて、個性的なバンドが「厚木THUNDERSNAKE」に結集して開催されたイベント『SUMMER THUNDER RULES!』。
この日は4つのバンドが登場した。
勝手ながらこのレポートではチョット順番を入れ替えさせてもらって、まず2番目にステージに上がった「JEKYLL★RONOVE」からご登場頂くことにする。
JEKYLL(以下「スミレちゃん」)
N★OTO
もちろんN★OTOくんは今日もMarshall。
愛用の「Silver Jubilee 2555X」と「1960BV」の組み合わせでブッといギター・サウンドを聴かせてくれた。
オープニングは2016年に発表した最初のフル・アルバム『E=cm2』から「Guilt or Innocence」。
続いてはN★OTOくんがオクターヴを使ったリフでスタートするヘヴィ・チューン。
昨年リリースの5枚目のEP『TRAP』から「Fight and Flight」。
スミレちゃんのパワフルな歌声が曲をダンサブルに演出すると…
Jubileeらしい太い音色のギター・ソロが飛び出してきて曲をエキサイティングに染め上げて…
ノリは上々!
「We are JEKYLL★RONOVE!」
この世にもカッコいいスミレちゃんの雄叫びを前回耳にしたのは一体いつのことか?
…と思って調べてみてビックリ。
それは昨年の3月。
同じくココ厚木THUNDERSNAKEでの「JEKYLL★RONOVE10周年記念ライブ」のことだった。
かなり久しぶりのご登場だということはウスウス感づいてはいたものの、まさか1年以上経っていたとは驚いた!
「こんばんは!改めましてジキル#$%です!
私、自分のバンド名でも噛むんですよ!」
「今日は雨が降っていません!
ボクがココでライブをやるとたいてい雨が降るんです。
だから今年あまり呼ばれていなかったんだと思います」
「こんなにたくさんのお客さんのお越し頂いてチャンとしなきゃイケないなと思って…。
対バンの皆さんも私がキュン死するような対バンの皆さんで一緒に演奏することができてうれしいです」
早速コレが飛び出した!
「ココにいる皆さん…最高です!カープ、3連敗ですけど」
野球好きのバンドが集まるイベントが企画されていて、ジキロノは広島東洋カープ・ファン代表で出演するそうだ。
「皆さんに少しでも楽しんで頂けるよう精一杯演奏します!」
「Are you ready rock?」とアオっておいて…
ギターを持ち替えたN★OTOくんのリフから「Venom」。
ハードなバッキングに乗ってスミレちゃんがシャウトしまくる!
しかし、いつ聴いてもカッコいい声だナァ。
「音楽は歌…そして歌は声」というセリフは真実だ…私のセリフだけど。
N★OTOくんも負けずにMarshallが繰り出す魅力的な「ギターの声」で迫力のソロをキメてみせた。
ココでガラリを雰囲気を替えてバラードの「Stay with Me」。
スミレちゃんがありったけの情感を込めてジックリと魅惑のメロディを歌い上げていく。
こうした曲には欠かせないのは泣きのギター・ソロ。
Marshallとレスポールのコンビネーションで奏でるソロはまるでスミレちゃんとデュエットをしているかのような歌いっぷりだ。
さらにそのギターにスミレちゃんの熱唱が重なる!
ジックリとバラードを聴かせることができるチームというのはとてもいいものだ。
「皆さんのおかげで今日も楽しいひと時を過ごすことができました!」
2人の活動の告知をして早くもJEKYLL★RONOVEのステージの最後のセクションに突入した。
「ラスト2曲いくぞ~!」
まずは再び『TRAP』から「Meaningless Being」。
同期のパートが前面に押し出されたドライビング・チューン。
もちろんギター・ソロもバッチリとフィーチュアされて…
ド迫力のスミレちゃんのシャウトが炸裂した!
そしてJEKYLL★RONOVEの出番の最後を飾ったのはおなじみの「Never Let Me Go」。
今日も「ツー」と言えば…
「フェイス」と答えるイキの合った演奏で…
客席を大いに盛り上げた!
JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒JEKYLL★RONOVE official site
この日の屋台村のようす。
いつもキチンとしていて気持ちいいわ~。
N★OTOくんと相棒たちとの1枚。
今日もとてもいい音でした!
<つづく>
(一部敬称略 2026年7月12日 厚木THUNDERSNAKEにて撮影)