D_Drive~フロア・ライブ vol.10 [DAY2]<第2部>
10回目を迎えたD_Driveの「フロア・ライブ」…をフロアで観るライブの2日目。
休憩をはさんでの第2部はギター・チームが7弦ギターに持ち替えてヘヴィな幕開けとなった。
まずはYukiちゃんが奏でるもの悲しいメロディが突き刺さる「Be Yourself」。
今日、Yukiちゃんのギターを鳴らしているのは愛用のアレ…Marshall「JVM410H」と「1960B」。
ドロドロとした重苦しいリフがこの曲を強く印象付ける。
不吉なリフにドッシリとしたリズム。
あの時、コロナにまつわる曲がアチコチで作られて少なからずそれらを耳にしたが、今になって振り返ってみるとナンカこの曲が一番あの時のことを巧みに描写しているような気がして来た。
みんな「がんばろう!」とか「負けるな!」やっていたけど、結論はもっぱら「コロナのバカヤロ~!」だよ。
最近では「ただの風邪と変わらない」ぐらいのことを言ってるじゃん?
ザけんなよ。
私は今でも心底コロナを憎んでいる。
そういう意味ではコレは私にとってとても重要な曲なのだ。
作った本人はこうして笑ろてはるけど。
続いてはSeijiさんがブチかます電光石火のリフ!
Seijiさんもいつもの愛用のアレ…Marshall「JVM410H」と「1960B」。
そのリフに「♪ジャッ、ジャッジャジャ」と強烈なアクセントを被せていくのは「Breakout」。
やっぱりどこまでもハードに音を埋め尽くす!
ココは「ヘヴィなコーナー」だからね。
思う存分やって頂きます。
迷宮に迷い混んだかのような複雑なギター・スタント・パートを一糸乱れず完璧に弾き上げた。(フランク・ザッパのバンドにいた時、スティーヴ・ヴァイは「Stunt Guitar」というパートを担当していた。もちろん「stunt」というのは「スタントマン」の「スタント」のことで「離れ業」という意味ね)
このパートの締めくくりのフレーズが好き。
こうして破壊力の強い2曲で第2部がスタートした。
「ありがとうございます!
先ほどチョット触れましたがD_Driveの次のライブは5月の大阪の『TAKE FIVE』での『フラット・ライブ』というライブになります」
「会場のTAKE FIVEにはステージがなくて客席と同じくフラットになっているんですよ。
それで『フラット・ライブ』。
それと『フラッと寄ってくださいね!』という意味だったハズ。
お酒もソフトドリンクだけでなくフードの種類も豊富でとてもオシャレなお店です。
トイレもすごくキレイなんですよ」
会場から笑い声が上がっていたが、コレ、Seijiさんは真剣なの。
時々Seijiさんと話すことがあるんだけど、トイレの状態はライブの会場選びの重要なポイントで、要するに女性客が敬遠するようなトイレのお店はうまくない…というワケ。
確かにその通りだと思います。
やっぱり汲み取り式のトイレのライブハウスはイヤだよね…さすがにそれはないな。
「そして、5月下旬には東京地区でのライブもあります。
久しぶりの対バンイベントで冠さんも出演されるんですよ!
冠さんとはすごく久しぶりになります。
D_Driveの初めての東京でのワンマンの時以来ですかね?」
先日タマタマ冠さんとご一緒する機会があって、D_Driveを引き合いに出してご挨拶したところ、そのワンマン・ライブを指して「あの時は楽しかったね~!」とおっしゃっていた。
「マー索くん」で調べてみると、それは2012年8月5日のことだった。
その時のもようはコチラ⇒祝!D_Drive初の東京ワンマンライブ<後編>
会場はいまはなき六本木の「morph」というところ。
ココはステージに前にプレス・ピットがあって、写真を撮るためにそこに入ったのはいいけど、途中で猛烈にお腹が痛くなっちゃって、満員のお客さんをかき分けてトイレに行くのもどうかと思い脂汗を浮かばせながらシャッターを切り続けたことがあった。
あの時は本当にマイったわ。
その後次第に痛みがやわらいでいって何とか完走することができた。
「冠さん」が出て来たところで大きく脱線してみましょう。
下は荒川区の日暮里にある「ネコの町」で人気の「谷中商店街」を見下ろしたところ。
いつも大勢の観光客でにぎわっている。
この階段は…
夕方になるとパノラマ状態で西の空に広がる美しい夕焼けを眺めることができることから「夕やけだんだん」と名付けられている。
昔、この辺りからは富士山もよく見えたらしい。
この「夕やけだんだん」の名付け親は地元出身の「森まゆみ」だ。
「元始、女性は太陽であった」とか「若いツバメ」という言葉で知られる「平塚らいてう」が明治44年に女性だけで創刊した『青鞜』という文芸誌に倣い、女性3人だけで作る『谷根千』というタウン誌を立ち上げた人。
森さんは「森鴎外」や「三遊亭圓朝」他の文人や地元の歴史を題材にしたたくさんの本を上梓しているが、学術色が濃くてどれもすこぶるオモシロい。
コレが今の夕やけだんだんの景色。
上の写真と見比べてみて!
左側にこんなツマらんマンションなんか建てやがって視界が大幅に狭くなってしまった。
ナンでこういうことをするかネェ。
ココがロンドンだったらこんなことは絶対に許されないと思う。
森さんはこの光景を指して「『夕やけが見えないだんだん』になっちゃった」と落胆されていた。
その夕やけだんだんから商店街とは反対の方向に少し行った左側に「経王寺(きょうおうじ)」という日蓮宗の古刹がある。
ココの山門には直径1cmほどの穴がいくつも空いている。
これらは全て弾痕。
1986年5月15日、徳川家の菩提寺のひとつである「東叡山寛永寺」を中心として、幕府軍の「彰義隊」と岩倉具視が考案したというニセの「錦の御旗」を振りかざす薩長による自称「官軍」との間で熾烈な戦闘が繰り広げられた。
いわゆる「上野戦争」だ。
押され気味の彰義隊の数名がこの経王寺に逃げ込んだ。
そこへ追いかけて来た長州の連中が山門に向かって銃をブッ放した時にできた弾痕がコレらの穴。
経王寺の前の通りの今。
手前側は夕やけだんだん、向こう側はJR日暮里駅。
チョット脇道に入ると「パティシェ イナムラショウゾウ」という私が思うに世界で一番おいしいケーキ屋がある。
その上野戦争、グラバーやマセソンたちが準備したイギリスから取り寄せた最新式の武器の前に彰義隊はなす術もなく半日でカタが付いてしまった。
惨敗!
その時、この写真の道は死屍累々となっていたそうだ。
長州の連中はその亡骸に手を出すことを一切禁じた。
まったくヒドイことをしたんですよ。
この辺りのことをもっと書きたいのだが、その機会は別に見つけることにする。
さて、ココからが本題。
この脱線でナニが言いたいのかというと、この経王寺のご住職のこと。
お名前をナント「冠賢一」さんとおっしゃって、日蓮宗系の教育機関である立正大学の名誉教授でいらっしゃるのだ。
この「冠」さんという名字は「かもり」さんと読むパターンもあるようなのだが、摂津地方が起源とされていて全国で630人いらっしゃるらしい。
かなりの珍名さんかと思っていたんだけど、それほどでもないようだ。
ナンとならば人数としては私の名字の方が「冠さん」より断然少ないのだ。
コレが言いたかったの。
脱線終わり。
「昨日もノリでやったんですが、『カシス!⇒オレンジ!』みたいな掛け声をですね、チョット恥ずかしさもあるんですが次の曲で今日もやってみたいと思います」。
Yukiちゃんが「赤いきつねと~」と上の句を読んでお客さんが「緑のたぬき!」と答えるいわゆるコール&レスポンス。
軽い練習の後、何をやったのかと言うと…
「Red Light~!」
「Green Light!」
客席から力強いレスポンスが返って来た!
そこへChiikoちゃんがシャープなフィルをブっ込む。
もう皆さん忘れているかも知れませんが「Red Light, Green Light」は「だるまさんがころんだ」という意味ですからね。
Chiikoちゃんもいつもの愛用のアレ…NATAL(ナタール)のドラム・キット。
今日はスペースの加減でバスドラムはひとつ。
Seijiさんが弾くソリッドなテーマ・メロディはサスペンス・ドラマの主題曲のようにいつ聴いてもスリリング!
Yukiちゃんとハモるパートでスリル度倍増だ!
ワウワウ・ペダルを大胆に踏み込んだでもソロも大きな聴きどころ。
そういえば「イカゲーム」の音楽のオファーの方はどうなったのかな?
曲はカット・アウトしてそのまま「Begin Again」へ。
荒々しくも滑らかにつなげる展開はおなじみのパターンだが何度聴いても興奮度は120%!
極限までハードなパフォーマンスを見せておいて…
Seijiさんの親指が立った~。
Toshiくんのベースがブイブイと唸りまくる傍らで…
Yukiちゃんも両手の親指を見せて…
「Thumbs Up」!
ちなみにフランク・ザッパに「♪Let me see your thumb」と連呼する「Wind up Workin' in a Gas Station(ガソリン・スタンドで働くのはもうヤメだ)」という曲があるのを急に思い出したわ。
ライブ・バージョンでは4/4拍子から5/4拍子に変わるところがすこぶるカッコいい1曲。
何度も「Thumbs Up」のことをココに書いてきたのにナゼか一度もザッパのこの曲に触れたことがなかったね。
ホールトーン、ディミニッシュ、ミクソリディアンというスケールのレールを疾走する音楽のジェット・コースター。
こんな曲は他にないよ。
「ありがとうございます。
皆さんソロソロお尻が痛くなって来たのではないでしょうか?
本当に座布団が要るかも知れませんね。
あと3曲なんですが物販の紹介をさせてください。
昨日もたくさんの方にお買い上げ頂きまして感謝しております」
担当のChiikoちゃんから物販の説明。
「今回はロシアンルーレットくじ引きというのを持ってきました!」
関西では以前からやっていたのだが、関東では初めての試みなのだそうだ。
要するに空クジなしで手作りのセットリストやらチェキやらナニかグッズが当たるお祭りの露店で見かけるのと同じヤツ。
コレはそれだったのね?
クジの景品のひとつのセットリストの紙について。
「セットリストはボクのが一番キレイですからね」
Seijiさんは几帳面だからね~。
いつもA4の紙2枚にその日に演奏する曲目を省略したりなどせずキチ~っとワープロで打って来はる。
Yukiちゃんは手書き。
いつも割と小さめに書き記している。
Chiikoちゃんが自ら自分の手作りセットリストを手にしてそれがどんなモノかを解説した。
Seijiさんによると、曲名の傍らに「ダカダン」とか「ドコドン」とかドラムスのフレーズらしきモノが書いてあってほとんど暗号なのだそうだ。
で、昔のMarshall Blogの記事を見ていて偶然目に留まったのがコレ。
2012年10月14日、今はなき代々木の「Zher the Zoo」でのライブの時のChiikoちゃんの手書きのセットリスト。
ホントだ。
「M16」のところに「タカドンパー」って書いてある。
コレはあの曲のどこのパートを指していたんだろう?
第2部最後の3曲はまずSeijiさんのアグレッシブなリフから。
クジじゃないホンモノの「Russian Roulette」。
猛烈なハードさがウリの人気曲。
「♪シャンシャンシャ、シャンシャンシャ」
Yukiちゃんに合わせて客席から大きな手拍子が沸き上がる。
そしてSeijiさんは例の独特のリフで曲をさらに盛り上げた。
続けてChiikoちゃんの爆裂イントロ・ドラムス!
一層激しく畳みかけて来たのは「GEKIRIN-逆鱗-」だ!
ベースのピックアップ・ソロから…
エキサイティングに展開していくギターの競演。
こんな密度の濃いギター・パフォーマンスを見せてくれるのはD_Driveだけ!
そして本編の最後を締めくくったのは「Screw Driver」だった。
アンコールで取り上げることが多いこの曲を本編に繰り上げたのにはナニか理由があるに違いない。
それはナンでしょう?
いつも通りのエキサイティングな演奏で本編を締めくくった。
さっきYukiちゃんが言っていた次の大阪のライブがコレ。
そしてアンコール。
「皆さんアンコールありがとうございます!
もう1曲、Seijiさんが作った新しい曲で『パズル(仮)』を演ります」
ね、新曲を披露するのでいつもアンコールで演っている「Screw Driver」を本編の最後に繰り上げたんだよ。
「ナンで『パズル』かと言うと、曲の進行だけでメロディもキマっていないんです。
対バンとセッションすることもイメージしたんですが、演奏する人によって内容が異なる。
つまりパズルを埋めていくような感覚ということです。
だからタイトルは『何とかパズル』にしようと思っています」
「タイトルはXで公募しましょう。
『D_Drive Puzzle』とか…でも、コレ前にありましたよね?」
「ん~、あったかな?
曲をもらった覚えがないな~」
「Yukiちゃんからは『タイトルは口にしやすいのにしてくれ』といつも言われているんですよ。
『パズルでポン!』にしようかと思っていたんですけどね」
「それではD_DriveRさんに今日のこの後の打ち上げの時に考えてもらいましょう!
『パズルでポン』と言ってたけどカッコいい曲なのでビシっとしたタイトルにしたいですね」
Chiikoちゃんのドラムスからスタートするシンプルなリフを携えたミディアム・テンポ・ナンバーが「パズルでポン(仮)」。
テーマ・パートを通過すると…ナント、ナント!
12小節のブルースだよ!
以前Seijiさんは「ブルースを取り入れない」とキッパリ言っていたので私はかなりビックリした。
ギター2人のソロから…
テーマを挟んでベース・ソロへ。
そしてドラム・ソロ。
最後はギンギンにテーマを演奏して曲は終わる。
いいじゃないの~。
だからロンドンのスタジオでの待ち時間の時に「ブルースとかラテン・リズムを取り入れたら?」って言ったのサ。
今度は「Dのルンバ」なんていいんじゃない?
昔、オランダのFocusというグループに「Pのマーチ」なんて曲があったな。
もうラテン・リズムを知っている日本人なんてかなり少ないからきっと新鮮に聞こえると思いますよ。
「ありがとうございました~!」
こうしてフロアで観る『フロア・ライブ』の10回目は2日間とも大入り&大盛り上がりで幕を下ろしたのであった。
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive official website
<おしまい>
(一部敬称略 2026年3月15日 新横浜Strageにて撮影)