CONCERTO MOON~BACK BEYOND TIME 2024 vol.1<前編>
去る5月1日に14枚目となるフル・アルバム『BACK BEYOUND TIME』を発表したCONCERTO MOON。
そして、すぐさまアルバムのリリースを記念するツアーをスタートさせた。
5月18日の名古屋を起点としたツアーは「vol.1」と「vol.2」の2部から構成されており、今日はその「vol.1」の最終日の東京公演のもようをレポートする。客電が落ち、立錐の余地が全くない客席にJudas Priestの「You've Got Another Thing Coming」が流れるいつものCONCERTO MOONのショウのはじまり。
ジューダスといえば私は『Sad Wings of Destiny(運命の翼)』あたりで育った世代なので、この曲には全く馴染みがなかったんだけど今はある。
もちろん「CONCERTO MOONのショウの始まりの歌」としてだ。
時折、ヨソでこの曲を耳にすると条件反射的に下の光景を思い浮かべてしまう。この光景とはステージの上手にそびえるMarshall。
ヘッドが2つにキャビネットが3つ。
そのアンプ・ヘッドはもちろん「1967MAJOR」で、ギター・ケーブルは「1」のハイ・チャンネルに接続し、ジャンプはしない。(筆者註:Marshall Blogでは「リンク」という言葉を避けて世界標準の表現である「ジャンプ」という言葉を適用しています)
ひと通りオープニングの儀式が終わってステージに登場したCONCERTO MOONの4人。
♪ズドドドドドドドドドドドドドドド!…凄まじいかき回し!
そしてノンちゃんの「ギャオ!」の雄叫びとともに曲が動き出した!島紀史三宅亮中易繁治河塚篤史そしてシンガーが登場。
大きな歓声が沸き上がる!芳賀亘1曲目はさっそく『BACK BEYOND TIME』から「The Gold Digger」。
アルバムでも幕開けを務める必殺のドライビング・チューン。
ちょうど佐渡の金山が「世界遺産」に登録されてタイミングはバッチリ!
芳賀ちゃんの歌うメロディにピタリと寄り添うノンちゃんのコーラス。 そして待ってました!のギター・ソロへ。
ズズイと前に歩み出た中易さんと初っ端からステージ中央で揃い踏みだ!コレコレ!やっぱりコレじゃないと!
ノッケから「島節」のいいダシが出とる!コレがそのニュー・アルバム『BACK BEYOND TIME』。
今の曲のノンちゃんのコーラスも然りなのだが、このアルバムでまたCONCERTO MOONの新しい面をアッピールするかのような仕上がりになった。
「新しい」といっても決して奇をてらったモノではなく、長年育んで来た「CONCERTO MOONの音楽」という大河の流れを全く変えることなく、バンドが「今やってみたいコト」や「今作ってみたいモノ」を遠慮なく具現化しているかのように私には聞こえた。昔で言えば「電光掲示板」ということになるんだろうけど、このステージ後方の画像を映し出すスクリーンは何て呼ばれているのかしらん?
とにかくこの設備が設置されて今回初めて今日の会場の新宿Wild Side Tokyoにお邪魔したんだけど、コレはいいですネェ。
『BACK BEYOND TIME』に収録されている曲を演奏する時にはのべつジャケットの図柄が映し出された。
だから「お、新しいアルバムからの曲だぞ!」と、観ているお客さんも気合が入るのではなかろうか?
2曲目も引き続きジャケットが映し出されているのでニュー・アルバムからの選択だ。これまたパワフルなドライビング・チューン。
河塚さんのバスドラムの躍動感がスゴイ!そのバスドラムに絡みついて強力な低音でグルーヴを生み出す中易さん。 曲は「Heading for Utopia」。
芳賀ちゃんが伸びやかに歌うこの「for」は正しい。
「向かう」という意味の動詞で使う「head」の前置詞に「to」を用いる人を見かけるが、正しくは「for」。
そういえばジェフ・ベックにも「Head for Backstage Pass」という曲があったでしょ?
快調に飛ばすノンちゃん。
考えるよりズッと先に指が指板の上を動き出しているようだ。
続いても新作から…フロント3人のコーラスが強烈な印象を与える「The Midless Crime」。中易さんもコーラスで大活躍!
多くの曲でその声を聴かせてくれた。 さらに亮くんがブワ~っと弾くオルガンがバンド全体を包む込みサウンドを分厚く彩る。
ディミニッシュ・スケールで締めくくるギター・ソロから芳賀ちゃんの歌に続いて曲はドラマチックに幕を降ろした。「ヘイ、トーキョー!こんばんは!
今日は『BACK BEYOND TIME 2024』ツアー第1部の最終日の東京公演ということで、アルバムの曲はもちろん、懐かしい曲も織り交ぜながら一緒に盛り上がっていきたいと思っていますので最後までお楽しみください!」 「イヤ~、東京どうもありがとう!
まさかこのタイミングとは!…「ライブ」の前にすごい「雷雨」だったんじゃない?
そんな足元の悪い中にこんなに集まって頂いてありがとうございます!
今、芳賀くんが言いましたが『BACK BEYOND TIME』を出してのツアーですので、アルバムの曲を中心にはお送りしますが、新旧取り混ぜて色々と楽しんで頂こうと思っております。
皆さん、よろしくお願いしますよぉ~。
あ、大丈夫だよ!ライブが終わる頃には靴下もスッカリ乾いてるよ!」
そう、この時の新宿の雷雨は本当にスゴかった。
「ゲリラ」なんてもんじゃなかった。
あんなに何度も稲妻を見たのは生まれて初めてのことだったかも知れない。
Marshallもとうてい敵わない雷鳴の爆音。雨はまさに滝のようだった。
コンビ二で靴下を買って履き替えたのだが、靴の中自体が大洪水だったので私の靴下は最後までビチョビチョでした。
ホントにこの国の気候は最後にはどうなっちゃうんだろうね?
2人が触れたように次の曲は「新旧」の「旧」から。
『BACK BEYOND TIME』のジャケ写は一旦引き下げて…と。
曲はドカンとさかのぼって1998年のセカンド・アルバム『FROM FATHER TO SON』からひたすらストレートに激走する「Surrender」。
誰もが「降参」するであろうノンちゃんの情け容赦ないシュレッディング!そして、イキの合った2人のパフォーマンス!
亮くんのオルガン・ソロも炸裂した!再び『BACK BEYOND TIME』のジャケットが現れる。
曲は「Reaching Out of Mercy」。
コレ、ホントわかりやすくていいナァ。「♪失いたくなない もう二度と」という文句がすごく耳に残る。ここまでの曲とは異なるミドル・テンポに乗ってジックリとソロを組み立てたノンちゃん。
メロディアスではあるが決して甘くない。
続けて新作から「Find my Way」。
この曲は2021年のミニ・アルバム『Waiting for You』にも収録されているが、今回のアルバムにはベースと…
ボーカルズを再録音したバージョンが収録された。
いかにもCONCERTO MOONテイストにあふれた1曲だ。
転調して飛び出すギター・ソロがスリリング!そして、8分で踏み続ける河塚さんの切れ味の鋭いバスドラムが痛快だ!「皆さん、楽しんで頂けていますか?ありがとうございます。
『BACK BEYOND TIME』は5月1日に発売して、その2週間後にこのツアーをスタートしました。
ひとつ前のオリジナル・アルバム『RAIN FIRE』は2020年の12月に発売したんですが、当時はコロナの影響でいつライブができるかわからないという状況がずっと続いたんですね。
最終的にツアーがスタートできたのはほぼ半年後だったんですが、当時はマスク絶対着用で声出しも厳禁。
検温とか感染症対策のメール・アドレスの登録などのご協力をお願いしながらのツアーでした。
そんな状況でしたので、お客さんが他の楽しみを見つけてしまって…それはそれで良いことなんですが…アレ以降ライブに来なくなってしまった方もいらっしゃるのではないかと感じているんです。
そんな中、皆さんが今日ココに来るという選択をしてくださり、一緒に声を出して盛り上がれることに今まで以上にありがたく思っております。
足元の悪い中、お越し頂いて本当に感謝します!」さて、ココからは本格的に「新旧取り混ぜ」の「旧」のコーナー。
まずは亮くんのキーボーズに乗って…
ギターを持ち替えたノンちゃんがクリーンなトーンで哀感漂うフレーズを静かに奏でる。
いいんだよナァ~、「Marshallのクリーン」って。ノンちゃんがチャンク(低音弦をパーム・ミュートしてズンズンと8分で刻む技法)に入ると曲がヘヴィに展開する。まずは2003年のアルバム『Life on the Wire』から「Stand by the Window」。 「新」であろうと「旧」であろうと徹底的に「島節」をかましまくる!
確固たるスタイルを持っているということはナント強いことよ!
矢継ぎ早にノンちゃんが弾くハードなリフは再び『From Father to Son』から「The Last Betting」。「旧」のレパートリーの多くを自家薬籠中に収めている芳賀ちゃん。
芳賀ちゃんの歌声が全く自然に聞える。 そして、この「旧」セクションの最後は「旧」ではない「Rain Fire」。
中易さんが猛烈に低いところに音を投げ込んで…またしても河塚さんがバスドラムの連打で迎え撃つ。
この重量感がCONCERTO MOON!そしていつも通り汗ひとつかかないクールな芳賀ちゃんの絶唱と…時間と曲を重ねてますますシャープになっていくノンちゃんのソロで前半を終了した。
やっぱりちゃんとした真空管のアンプで奏でるギターの音ってのは素晴らしい!
この音を聴くことができてシアワセです。
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site
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