THE ROCKS HEAVEN vol.17~FILL IT UP
『THE ROCKS HEAVEN vol.17』の3番手で登場したのは浜松からやって来てくれた「FILL IT UP」。浜松は昔よく行ったんですよ~…と言っても浜松の市街地の様子は全く存じ上げない。
私が知っている「浜松」はJRの駅の隣にある「新浜松駅」から出ている「遠州鉄道」という私鉄で10kmチョット北にある「浜北駅」周辺だけ。
10年以上の間、年に数回通った場所に二度と訪れることがないであろうことを考えると猛烈に懐かしく感じる。
ところで浜松には「木下恵介記念館」という施設があるんですってネェ。
いつか絶対に行ってみたいんだよナァ。
「木下恵介」とは日本の映画界を代表する名監督。
私は木下さんの映画がとても好きで、カレコレ21本ほど観ている。
本も何冊か読んだ。
昭和29年に「日本中が涙した」という代表作の『二十四の瞳』を撮影した小豆島の現場にも行った。
私も『二十四の瞳』は3回ほど観たけど、もう観ないように努めている。
観ていて泣くのをガマンしているとアタマが痛くなっちゃうのよ。
そんなジジイが観るより、かつてないほど世情がキナ臭くなっている昨今、1人でも多くの若い人に観てもらいたい。
木下さんは浜松の漬物屋の息子さんだったが漬物が大ッキライだった。
物腰も柔らかく普段はとても優しい人だが、ロケ弁に漬物が入っていただけで人間崩壊。
癇癪を起してその日の撮影を中止してしまうこともあったらしい。
それゆえ、スタッフはその日のお弁当が配達されて来ると、真っ先に漬物が入っているかどうかの「漬物チェック」をするのが日課になっていたそうだ。
それではせっかくの機会なのでココで私が選んだおススメの木下さんの作品を紹介しよう!…なんてことをやっていると前回の「両国」みたいに長引いてしまうので、ココはグっと我慢してパス。
FILL IT UPのメンバーのどなたか…もしこの「木下恵介記念館」に行ったことがあればどんなだったか教えて!
Marshall Blog初登場の「FILL IT UP」。
ココのところSNSでチョクチョクお名前を拝見してとても気になっていたのです。
チャンス到来。
この企画の主催者であるOZMAさんが「ボクのお気に入りのバンド」と、紹介してくださったのだ。
CHOMO
HIRO
JUN
そしてサポート参加のTAKUMI。
1曲目は「KICK OVER THE TRACES」。
ハナから目の覚めるようなドライビング・チューンをブッ放した!
続いてHIROさんのハードなリフでスタートする「SHOT」。
「♪Shot!」
CHOMOさんが声高に叫ぶ、これまたギンギンのドライビング・ナンバー。
JUNさんが叩き出すハードなリズムに乗って…
ギターとベースのスリリングな掛け合いから…
HIROさんのギター・ソロ!
HIROさんが弾いているのは「JCM800 2203」と「1960A」。
図太いギター・サウンドで曲の激しさに負けないソロを聴かせてくれた。
真空管アンプをチャンと使って出すギターの音色は最強なのだ。
イヤま~、このバンド、想像や期待をはるかに上回る激しさ!
アクションも含めてスゴイのなんのって!
単純に「パワフル」なんて言葉で形容してしまっては失礼と思わせるほどの迫力だ。
それじゃ~…「エネルギッシュ」なんて言葉を引っ張り出して来てもオモシロくないナ。
そんな言葉でもとても収まり切らない。
「破壊力」とでも言えばいいのかな?
でも粗野な感じが全くしないところが実にうれしい。
たとえどんなに激しい音楽を演っても「乱暴」なのはダメ。
断じて音楽は「ウップン晴らし」などではありません。
FILL IT UPのステージからは自分たちの音楽をひたすら純粋に楽しんでいるということが伝わって来る。
そんな調子で曲は3番目の「THE ANSWER」に続く。
CHOMOさんのスケールの大きな歌いっぷりが何とも頼もしい。
そしてまだ音源になっていない、仮題の段階の「LOAD IT UP」という曲を披露。
コレはピストルの弾のことかな?
「FILL IT UP」とか「LOAD IT UP」とか、「動詞と副詞の組み合わせの目的語に代名詞を使う場合はその間にはさむ」という原則に則ったタイトルが英語らしくてカッコいいわ。
チョット脱線。
10ccの1973年のヒット曲に「♪Load up, load up」と歌う「Rubber Bullets」という曲があるのを思い出した。
「ゴムの弾丸を込めろ」という意味ね。
もう私は10ccが好きで好きで、6年前、マンチェスターのチョット手前のストックポートというところにあった、かつて10ccが所有していた「ストロベリー・スタジオ」へ行って来た。
興味のある方は(今時いないと思うけど)コチラをどうぞ。
↓ ↓ ↓
①【イギリス-ロック名所めぐり】vol.43 ~ 10ccに会いに行く <前編>
②【イギリス-ロック名所めぐり】vol.44 ~ 10ccに会いに行く <後編>~ストロベリー・スタジオ物語
やはり真空管のアンプで鳴らすヌケの良いギターの音が素晴らしい。
そんなギター・サウンドでHIROさんが奏でるリフは「THE OTHER SIDE」。
これまた強力なドライビング・チューン。
ひたすら同じ単音を弾き続けるHIROさんのバッキングがなかなかに奇抜。
深めのディレイをかけ、ワウワウ・ペダルを踏みながらのギター・ソロを経て…
猛然とクライマックスへと突き進んだ。
続いてジャケットがとてもカッコいいセカンド・フルアルバム『HEADS OR TAILS』収録の「OVER THE HILLS AND FAR AWAY」…レッド・ツェッペリンのとは同名異曲。
コインの裏表を指す時は「heads」と「tails」のように必ず複数形にするのがルール。
コレはコインに何人もの王様や女王様の肖像が刻まれて来たら複数形になったとかいう説があるらしいけどホンマかいな?
FILL IT UPのステージも早くも終盤に入って「PAY BACK」。
スネア・ドラムを力いっぱい叩いてJUNさんのドラムスが暴れまくる。
そういえばOZMAさんが、前説でJUNさんのドラムスについて触れていた。
「普通は歌とかギターに注目しがちなんですが、FILL IT UPの場合はドラマーに注目です。
でもそのパフォーマンスではありません…呼吸法です。
どのように酸欠の緊急状態になっていくのか東京の皆さんにもゼヒ見て頂きたい」
今がまさにその状態なのかッ!?
ワザワザ酸欠状態になる「呼吸法」なんてあるのか!?
しかし、CHOMOさんもいい加減スゴイ!
こんな迫力で歌う人なんて滅多に出くわさない。
JUNさんだけでなくステージ上の全員が酸欠状態になりそうな鬼気迫る激演だ!
HIROさんのタッピングにシャープなキメが絡む「Charge」。
まさに「Charge!(突撃!)」状態。
CHOMOさんの激唱に…
HIROさんの気合の入った合いの手が入って曲のスピード感が倍増する!
グングンと演奏は盛り上がりを見せ…
ヌッケヌケのギター・サウンドのソロがバッチリとキマった!
客席からはステージの迫力に引けを取らないパワフルな歓声が沸き上がった。
マイクを使わずにHIROさんからひと言。
「ボクらが7年前に出したファースト・アルバムがありがたくソールド・アウトしました!
まだ2枚目が山ほどあるんでよろしくお願いします。
その1枚目なんですが、ちょっとリマスターを施して、今演った『Charge』を再録して、それをボーナス・トラックとして加えたモノを発売からちょうど7年が経つ11月にリリースしようと思っています。
7年も経つと齢も喰います…多少はウマくなったかもしれません」
「じゃあ、ウチはラスト1曲です。
オレもあと2時間ぐらい演奏したいです。
でもホントに最後の1音まで魂を込めて一生懸命演奏するんで最後まで一緒に騒ぎましょう!
よろしく!」
いよいよ最後の曲。
CHOMOさんから強力な檄が飛んで…
『HEADS OR TAILS』から「LIVE MY LIFE」。
全てを破壊し尽くすかのような4人の力演!
最後の最後まで暴れまくるHIROさん。
歯弾きまでしてくれた!
イヤ~、スゴい演奏だったわ~。
ホント、ビックリした。
やっぱりコレもMarshallあっての音楽なんじゃないの~?
新しい楽しみが増えたわい。
次回の東京でのライブはまだ決まっていないとのこと。
その日が待ち遠しい。
FILL IT UPの詳しい情報はコチラ⇒FILL IT UP Official Website
<つづく>
