KAZUMANIA~松浦和亦の初ワンマン・ライブ!
伝々夢史、Damian Hamada's Creaturesで活躍中の「松浦和亦(かずま、以下「カズマくん」)が満を持して『KAZUMANIA』とタイトルした初のワンマン・ライブを開催した。
最近は長年の間抱き続けて来たトラックへの愛情を活かし、関連雑誌のコラムニストとして健筆をも揮っている。
そんな現在ノリにノッているMarshallギタリストのソロ・コンサートのもようをレポートする。
Damian Hamada's Creaturesから会場に届けられた「呪い花」。
当日の屋台村のようす。
この日にリリースしたCDや伝々夢史グッズがズラリ。
「和亦」の「亦」をモチーフにしたKAZUMAロゴTシャツも販売。
この日ステージに上がったのは…
松浦和亦
寺沢リョータ
村田彼方(以下「シャドウ」)
TORNADO-GRENADE時代の盟友をリズム隊に迎えたギター・トリオ編成だ。
カズマくんのハードなリフから1曲目がスタート。
その名もこの日のために書き下ろして来た「KAZUMANIA」!
何やらウォンバットやカモノハシでも出て来そうな曲名だけど、パワーみなぎるドライブ感が迫力満点!
ワウワウ・ペダルを踏み、和風のメロディを組み込んだソロがイカしてる!
続いてもオリジナル曲の「From Here On」。
リョータくんと…
シャドウの気心知れたタイトなリズム・コンビネーションが実に頼もしい。
ドラマティックなサビのメロディが耳を惹くぞ!
そして、グワ~っと前に出てくるギターの音が素晴らしいではあるまいか!
もちろんカズマくんが出すギターの音はMarshall製だ。
愛用のバックライン。
キャビネットは「1960BV」がお気に入りなのだが、今日は「1960A」で。
アンプはプリ・アンプが「JMP-1」、パワー・アンプが100W+100Wステレオの「9200」。
そうだ!せっかくのステレオ構造なんだから、今度は「1912」を左右のチャンネルにそれぞれつないでみないか?
絶対いい音になると思うよ。
「皆さん、KAZUMANIAにようこそお越しくださいました!
こんなにたくさんの人に来てもらえてうれしいです!
お客さんが集まらなかったらどうしようかと思っていました」
ココで2人のメンバーを紹介。
3曲目は「ジョーが来ているのに歌なし」と紹介したカズマくんがブレイズブリンガーに提供した「Voices from the Storm」。
元が「歌もの」だけあってココは甘~くやっておいて…
4曲目の「Blue Blues」につなげる。
「ブルー・ブルース」か…フザけてんな。
コレは楽しみだぞ!
カズマくんが曲を説明。
「タイトル通り、メンバーのブルーな体験をブルースに乗せて語ってもらう」という趣向だ。
TORNADO-GRENADE時代の「悪だ!」みたいなヤツをブルースでやっちゃおう!というワケ。
もうシャドウも…
リョータくんも完全に手慣れたもので、「立て板に水」のごとくブルーな体験を語り…
〆はカズマくん。
「弁当のフタについていた焼きそばを食べたらそれが輪ゴムだった」という話。
コレ、私も小学校の時に実際にやったことがある。
イヤ、正確に言えば「人にやった」ことがある。
釣り堀に一緒に行った大場くんが釣りに夢中になっている間、彼が食べていた焼きそばの中に何本か輪ゴムを忍び込ませてみたのだ。
口に入れた時点ですぐに気がつくと思っていたら…オイオイ!、何の抵抗もなくペロっとすべて平らげてしまったではないか!。
焼きそばと輪ゴムって味が似ているのかしらん?驚いたわ。
でも実際、総菜のパッケージに使われている緑や赤の輪ゴムって誤って口に入れないように色をつけているんだよね…ということは、やっぱり食べても気が付かない人が多いということか?
大場くんは赤だろうが緑だろうが食べちゃうと思うけどね。
「ブルーな気持ちをひたすらギター・ソロでブッ飛ばしたいと思います!」と前置きしてバリバリをブルースを弾きまくって曲を締めくくった。
ガラっと雰囲気を変えてゲイリー・ムーアの「Sunset」。
この曲とか「Loner」とか皆さん本当に大好きね~。
私なんかゲイリー・ムーアといえば、「ギャリー・ムーア」と呼ばれていた「ColosseumII」の世代ですからね。古いよ。
ちなみに…「ギャリー」で嗤うことなかれ。
イギリスでは「Gary」を「ギャリー」に近い発音をするのです。
ゲイリーもMarshallだったからして、カズマくんも思い入れタップリに美しいメロディを歌い上げた。
オリジナル曲に戻って「Rainy Monday」。
この曲ではシャドウが叩き出す軽快なビートに合わせて…
リョータくんが豪壮な低音を突き立てて爽快なグルーヴを生み出した。
そこへカズマくんがテーマを流麗に奏で…
縦横無尽なソロを展開した。
なかなかにハードな「雨の月曜日」でございます。
ココでトラック雑誌「カミオン」の話。
このうれしそうな顔を見てチョーダイ。
冒頭に書いたように念願かなってカズマくんはこのトラックの雑誌『カミオン』に毎号『アックスKAZUMAのデコトラメタル!』と題したコラムを連載している。
もちろん私も読んだけど、シッカリした文章を書いていらっしゃるわ。
このコラムの連載を実現させるために多くの皆さんにご尽力頂いたということで、感激の言葉とともにそのよろこびをトクと語ってくれた。
何しろギタリストにならなかったら、もしくはギタリストを辞めたら「トラックの運転手になりたい」というカズマくん。
ゼンゼン関係ないけど、そういえばフランク・ザッパに「Track Driver's Divorce(トラック運転手の離婚)」なんて曲もあったけな。
そんなカズマくんは菅原文太と愛川欽也の『トラック野郎』シリーズも大好きだという。
ココで本格的に脱線。
下は有楽町の外堀通り沿いにある「東映会館」という東映の本社社屋。
かつてココには東映系の作品を上映する映画館がいくつか入っていた。
私は今でも東映系の映画を観ることはなくて、せいぜいこれまでに観た作品といえば「東映まんがまつり」の『長靴をはいたネコ』ぐらいか?…そんなことはないか?
だから、中学1、2年生の頃は誰にも負けない映画狂だった私は毎週のように有楽町や日比谷に通っていたがこのビルの映画館には一度も入ったことがなかった。
1975年、その中学1年生だったある日、このビルの前を通り過ぎようとすると、1階の「丸の内東映」という映画館の前に長い行列ができていた。
行列どころか角刈りやら(今でいう)パンチパーマの風体のオジさんたちが歩道を埋め尽くしていた。
そのいかつい人ごみを目にした私はビックリして「このオジちゃんたちは一体ナンの映画を観に来たんだ?」と映画館の入り口まで行って上映している作品を確認した。
それが『トラック野郎』の第1作「御意見無用」だった。
今にして思えばこの時が封切りの初日だったんだね。
もちろん私は観ませんでしたよ。
トラックにも東映映画にも興味はなかったからね。
で、今回このMCでカズマくんが言及してくれたおかげで『トラック野郎シリーズ』についてチョット調べてみた。
そして驚いた。
このシリーズの音楽を担当していたのがナント!…木下恵介監督の実弟の木下忠司だっていうじゃないのよ!
アータ、木下恵介といえば『カルメン故郷に帰る』、『二十四の瞳』、『楢山節考』などなど代表作を上げればキリがない日本映画界の大巨匠ですよ。
「トラック野郎」についてはムリでも、木下さんの映画についてなら私はいくらでも語ることができます。
その作品のほとんどに音楽をつけていたのが実弟の忠司さんなワケ。
でも話はココからだ。
カズマくんがMCで触れたのは、この作品の主題歌を作った宇崎竜童のこと。
何でも菅原文太が直接宇崎さんに電話をして曲作りを依頼したらしい。
そうして出来上がったのが「一番星ブルース」という曲。
そして、この脱線は「宇崎さん」で更に深みにハマる。
実は宇崎さんは私の中学、高校、そして大学の先輩なんですわ。
下はその中学&高校の創立50周年を記念して1979年に制作された校歌のレコード。
宇崎さんも絶対に今でも歌えると思うよ…やたらと歌わされたから。
このレコードは宇崎さんが歌っているワケではなくて、1841年に結成したウィーンの名門楽団「ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団」ってのが演奏している。
このオケ、一度学校へ来て講堂で演奏してくれたことがあったのだが生徒はみんな寝ていたナァ。
で、宇崎さんはその50周年記念の大式典にご出演されてナニかを演奏された。
超人的な記憶力を誇る私(ウソ)ともあろう者がナゼ宇崎さんが演奏した内容を覚えていないのか?というと…私はそれを観ていないから。
まだオープンしてさほど時間が経っていなかった吉祥寺のシルバーエレファントに出演できる日と重なってしまい、ウソをついてその式典をサボったのです。
今はナンでもないけど、まだロックが一般的でなかった昔は「高校生がライブハウスに出る」ということはかなりスゴイことだったからね。
後にそれがバレて罰としてアタマを丸めさせられました。
しつこいようだけど…ダウン・タウン・ブギウギ・バンドって「スモーキン・ブギ」で私が小学校6年生の時に出て来たんだけど、子供ながらに大きな衝撃を受けたよね。
同級生でとても背が高かった野村くんはすぐにあの白いツナギを買って、自分の下の名前の1字である「光」という字をマジックで胸に書いていたっけ。
あの頃は無邪気で楽しかったナァ。50年以上前の話。
脱線終わり。
その宇崎竜童さんを引き合いに出してカズマくんはこう言い放った。
「カッコいい男とはどういうモノかこれからオマエたちに教えてやろうと思う…あ!『オマエたち』だなんて言ってゴメンなさい!」
まずはルックスから。
リョータくんにサングラスをかけるカズマくん。
んんん?コレはどこかで何度も見たシーンだな。
こうしてメンバー全員がサングラスをかけて…
カズマニア・ブギウギ・トリオが結成された。
演奏したのは「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」。
ユーモアを交えてカズマくんが「カッコいい男とは?」をタップリと語ってくれた。
さっき演った「Blue Blues」なんかもそうなんだけど、こうしたユーモアをステージに盛り込むカズマくんの諧謔精神を私はすごく尊重するべきだと思う。
その内容がオモシロイかどうかは別の話よ。
もうナンもカンも出尽くしちゃんてるんだからカッコつけてもしょうがないんよ。
意図的にカッコつければつけるほど滑稽に見えてくるからオモシロい。
それよりこうして知恵を使ってお客さんを楽しませようとする姿勢の方がよっぽど魅力的だ。
でもギター・ソロはカッコよかったよ!
本編最後のMC。
まずリョータくんとシャドウからのカズマくんに賛辞が贈られ、カズマくんはお客さんに感謝の言葉を述べた。
「人前でギターを止めようと思った時期もあったが、今日はこんなにたくさんの人に集まってもらってギターを続けていて本当にヨカッタです。
これからもガンバっていきますのでよろしくお願いします!」
と締めくくった。
「時間と内容のバランスがおかしい」と自分でも言っていたけど、なるほど…タップリ見たような気もするし、まだ何も見ていないような気もする不思議な時間だったが残すところあと2曲!
まずはTORNADE-GRENADOのファースト・アルバムに収録されていたインストゥルメンタル・チューン「Time and Love」。
思い入れタップリに泣きのギターを聴かせたカズマくん。
そして本編を「Only See the Future」でエキサイティングに締めくくった3人。
「オレがカズマだぁ~!」
わかってますって。
ナニはともあれ松浦和亦のはじめてのソロ・コンサートはこうして大成功を収めたのであった!
さて、今回のソロ・コンサートの好評を得て、『KAZUMANIA -誕生前夜-』と銘打った第2弾のソロ・コンサートが開催されることが早くも決定した!
来年の6月26日(金)、場所は大塚Hearts+。
詳細は後日発表。
「皆さん、アンコールありがとうございます!」
アンコールでは3人ともカズマTシャツを身にまとっての登場。
まずは春畑道哉さんのカバーで「Jaguar'08」。
イギリスでは「Jaguar」を「ジャガー」ではなく「ジャギュア」と読みます。
最後の曲ではカズマくんから写真&動画撮影OKの高札が掲げられた!
曲はオリジナルの「The Wind Blows」。
最後の最後までパワフルな演奏と愉快なおしゃべりを聴かせてくれた3人!
盛りだくさんだったプログラムの後は記念撮影。
来年の2回目のソロ・コンサートもよろしくね!
松浦和亦の詳しい情報はコチラ
↓ ↓ ↓
①Kazuma Matsuura Official Website
②Kazuma Matsuura Official X
(一部敬称略 2025年9月25日 四ツ谷HONEY BURSTにて撮影)