ナタール・パーカッションにサワール。そんな企画でゴザール
なつかしいね、今日のタイトル。
元々は『ナタール・ドラムにサワール。そんな企画でゴザール』という、お客さんにNATALドラムスを体験して頂く企画のタイトル…アレからもう7年経ったのかよ!
信じられんな…ったく。
その時のレポートコチラ⇒Marshall Blog
さて、今度はNATALのパーカッション。
NATALは元々パーカッションからスタートしたブランドなんですね。
創始者のアラン・シャープという自身もパーカッショニストだったアイデア・マンが、素材にファイバーグラスを使ったり、コンガをチューニングできるようにしたり、工夫を凝らした製品を生産してイギリスでは大好評を博したというワケ。
その創業が1965年だというんだからMarshallと3年しか違わない。
1965年といえば、その年の11月にピート・タウンゼンドの発案により、Marshall社が世界で初めての100Wのギター・アンプを発表した年だ。
残念ながらNATALはその後、日本には輸入されなたっかのだろうか、ブランド名は知られていないがイギリスに行けば大抵のミュージシャンが知っているパーカッションのブランドなのだ。
あ、おかげさまで日本でもNATALドラムスはドラマーさんの間ではかなり名前が通るようになってまいりました!
現在ではブラジルのビリンバウやトリニダード・トバゴのスチール・ドラムなど昔では誰も知らなかった打楽器が浸透しているが、パーカッションといえばラテンでしょう。
ラテン・ミュージックとくれば、何といっても主役はパーカッション。
コンガやらボンゴがなければマンボもルンバもチャチャチャもできやしない…といっても、「リズム最貧国」の日本では残念ながらこれらのリズムは最早「死語」ならぬ「死リズム」になってしまった感があるけどね。
ロックの世界では、ラテン・リズムどころかもう若い人はブギやシャッフルを知らないからね。
と、大層なことを申しておりますが、実は私はラテンが苦手なんですよ。
ナンカ踊らされそうな気がしてコワイ。
なんて言っていたら、数年前にとんでもなく魅力的なラテンのアルバムに出くわしましてね。
ローズマリー・クルーニーとマンボの王様ぺレス・プラードの共演盤の『A Touch of Tabasco』。
「タバスコのタッチ」ではなくて、「タバスコを少々」という意味ね。
私、タバスコ大好きなんですわ。
タイトルに惹かれて聴いてみると、コレが何ともチャーミング!
もう自然に体が動いて踊り出しちゃいそうな…(←コレはウソです)。
ロージー(ローズマリー・クルーニー)についてはもう何度もMarshall Blogで書いているので詳しくは書かないけど、俳優のジョージ・クルーニーの叔母さんね。
それからというもの、何となく当のぺレス・プラードだの、ティト・プエンテだのを聴くようになった。
楽しめる音楽の種類が多ければ多いほど人生が豊かになりますからね。
しかし、「私とパーカッションとの関係」は実はもっと古く、(←エラそうに書いてスイマセン!)思い起こせば、中学2年生の時に初めて観に行った映画『ウッドストック』のサンタナの「Soul Sacrifice」が最初でしたな。
お客さんの手拍子に乗ってコンガを叩くパーカッショニストの手がいきなりクローズ・アップされるシーンはあまりにもカッコよかった。
この映画の編集を担当したのはマーチン・スコセッシなので、その鋭いセンスが大いに効果を発揮したというところだろう。
マイク・シュリーヴのドラムスも殺人的にカッコよかったもんね。
その翌年かな?
1977年の11月、『Moonflower』をリリースしたサンタナが来日してね、武道館へ観に行った。
心から感動した。
一番印象に残ったのはジノ・ヴァネリやREO Speedwagonでプレイしていたグラハム・リヤーという人のドラム・ソロ。
そして圧倒的なパーカッション・プレイ。
肝心のサンタナのギターの記憶が全くないのが我ながら情けない。
それだけリズム・アンサンブルが強力だった。
この時のパーカッショニストのひとりはラウル・リコーだった。
そして、かつてサンタナに在籍したパーカッショニストもNATALを使っていた。
あの時の武道館のステージに上がっていたパーカッションはNATAL製だったらいいのにナァ。
イヤ、きっとそうだったに違いない。
そんな私ですが、パーカッショニストについては一時期結構詳しかったんよ。
ジョヴァンニ・イダルゴとか、イグナシオ・ベロ―アとか、チャンギートとかカリスト・オビエドとか…。
そういう人たちは全て教則ビデオの仕事で勉強した。
結構売れていたんですよ~。
YouTubeなんてなかった当時はパーカッションの教則素材が少なく、皆さんそうしたビデオに飛びついて練習に励まれたのだろう。
実になつかしい!
さて、ここからが本題。
今まで日本においてはドラムス関連の商品のみが扱われてきたNATALですが、このたび輸入代理店のヤマハミュージックジャパンさんが本格的にNATALパーカッションの販売を開始しました。
そして、NATALパーカッションの日本上陸と時を同じくしてロックイン川崎店さんでNATALの「展示試奏フェア」開催頂いております!
で、早速お邪魔してきました。
ロックイン川崎さんは「ラ・チッタデッラ」の心臓部「マッジョーレ」の建物の1階。
試奏室に並んだNATALパーカッション!
大きいアイテムは…
ドラム・キットもそうなんだけど、NATALはパーカッションも仕上げが美しい!
コレは「スプラッター・フィニッシュ」といいます。
かのジョン・ボーナムもこの手のコンガを使っていた。
写真の左ね。
これもファイバーグラス・コンガ。
「レッド/ホワイト」というフィニッシュ。
ヘッドにもNATALロゴが入っていていいじゃん。
NATALのコンガといえばDeep Purpleの『ライブ・イン・ジャパン』の海外盤『Made in Japan』のジャケットに写っていることがよく知られている。
イアン・ギラン御用達。
コレ、なんで海外盤は『Live in Japan』ではなくて『Made in Japan』というタイトルなのか知ってる?
この写真が撮影されたのはロンドンのフィンズベリー・パークにあった「レインボー・シアター」。
日本のステージではない。
写真は一昨年撮ったもの。
大分前から新興宗教の設備になっている。
コレはシンガーの赤尾和重さんがインターネット上で発掘してくれたイアン・ギランの写真。
ナ、ナント、NATALのロゴが写っている。
やっぱりホントだったんだ!
Marshallとスッカリ組み合わさっちゃって!
この時からMarshallとNATALがくっつく兆があったというワケ…かどうかは知らん。
こちらはティンバレス。
写真のモデルのシェルはニッケル。
他にブラスとブロンズがラインナップされている。
ティンバレスのヘッドにもNATALロゴ。
スタンドは付属。
スゲェしっかりしてる。
テッペンにくっついているのはNATALのカウベル。
ブラックニッケル仕上げがかっこいい!
カウベルのラインアップは3.5"、4.5"、5.5"、6.5"の4種類。
ティンバレスの前にあるのはボンゴと専用スタンドの展示。
コレもビックリするほど頑丈だ。
ボンゴのシェルもファイバーグラス。
ヘッドにはNATALロゴ。
え、ボンゴの語源はナニかって?
私に振る?知らない、知らない!
コレがホントの『Bongo Fury』…ナンちゃって。
小物もズラリと展示して頂いている。
FUEGO(フュエゴ)シリーズのボンゴ。
エントリー・モデルながらサイアム・オークと本革(ナチュラル・ヘッド)を使用した本格的なボンゴ。
NATALのFuego(フュエゴ)・シリーズはお求めやすい価格のエントリー・モデル。
「fuego」とはスペイン語で「火」という意味。
恐らくちょっとジャズを聴き込んだ人なら大抵は知っているだろう単語。
ドナルド・バードというトランぺッターの代表作のひとつが1960年リリースの『Fuego』というタイトルなのだ。
B面最後の「Amen」というゴスペル調の曲が大好きで学生の頃によく聴いた。
ちなみに『Fuego』にはパーカッションは使われていません。
マラカスはプラスティック・スモール(左)とウッド・ミニ(右)の2種類。
その上の白いマカロンみたいなヤツはトーキング・シェイカー。
木材と革を組み合わせることによって、握り方次第でバラエティに富んだシェイカー音を出すことができる。
小さくてもシッカリ鳴るよ~。
ちなみに「皮」と「革」ね。
一応マーブロでは『「太鼓の皮」となる「革」の素材』みたいに、使い分けようかと思っています。
ウッド・シェイカー色々。
下段の右はウッド・チューブ・シェイカー。
アフリカン・シェイカーの種類は2つ。
黒い唐丸籠みたいのはカシシ。
白い方はガンザというそうです。
カシシは知ってるんだ!
先にご登場頂いた赤尾和重さんがクルベラブリンカのライブで使っていて、「コレね、カシシいうねんよ」とステージで説明してくれたことがあったから。
Cazさんの左手の中にあるのがカシシ。
同じシャカシャカでもガンザの底面はプラスティックでできているので、また振り音が違うワケ。
そこにもNATALロゴが入っています。
タンバリン各種。
右の赤いのと黄色い小ぶりのヤツはフット・タンバリン。
足にくっつけて使うタイプね。
黒いのもあり〼。
赤はハンド・タンバリン。
青いのはドラム・マウント・タンバリン。
黒、赤、青、黄色をご用意しています。
持ち手にはちゃんとNATALのロゴ入れておきました。
コレはフュエゴ・シリーズのコンガ。
スタンドつき。
フィニッシュは写真のマットハニーの他にマットナチュラル、レッド、ブラックがあります。
今ではスッカリおなじみとなったカホン。
私が初めてこの楽器を目にしたのは、四半世紀以上前に長野の岡谷で観たパコ・デ・ルシア六重奏団の演奏会でのことだった。
もちろんパコの演奏もスゴかったけど、カホンの音とコレを演奏する人のフラメンコ・ダンスがベラボーにカッコよかった。
そんな経験をしているので、私はこのカホンという打楽器はスペインが発祥なのかと思っていた。
しかし、この楽器は南米のペルーが発祥のようだ。
でも、スペインもその発祥に大きく関係している。
チョットだけ歴史を勉強しておきましょう。
1500年代、スペインとポルトガルは南米大陸の植民地化を進めるために現地のインディを片っ端から殺戮して回った。
その犠牲者の数は何と1500万人といわれているのね。
そこへアフリカから連れて来た黒人奴隷を入植させた。
スペインやポルトガルは原住民を殺しまくっただけでなく、言語も奪ったんだね。
だから、ブラジルのポルトガル語を除く南米大陸の国々はスペイン語を話すワケ。
で、スペインの連中は黒人奴隷たちにコミュニケーションの手段となる楽器を取り上げ演奏を禁止した。
そこで黒人奴隷たちは手近にある箱を叩いて楽器の代わりにしたそうだ。
コレがカホンの始まり。
スペイン語で「箱」のことを「カホン(Cajon)」という。
この16世紀に起きたスペインとポルトガルの蛮行を記録した本がある。
先ごろ亡くなった立花隆さんの著書から教わったのだが、その『インディアスの破壊についての簡潔な報告(岩波文庫刊)』という1冊。
スゴイよ。
ホロコーストの2倍半にものぼる世界最大の組織的大量虐殺なのに、このことがあまり知られていないのは犠牲となった人たちが有色人種だからではなかろうか。
ちなみにスペイン人に訊いたところ、この自分たちの祖先がしたことをチャンと学校で教わるそうです。
さて、このNATALの「カホンは鳴りとルックスが良い」ということで各所で可愛がってもらっていましてね。
今、グイグイ来ている大山まきちゃんのアコメタルもそう。
まきちゃんがAC/DCの「Back in Black」を激唱しているこのビデオ見てチョーダイ!
叩き手はFate Gearの森はるかちゃん。
はるかちゃんはもちろんドラム・キットもNATALを愛用して頂いている。
バー・チャイムもやっています。
大きさはバーの数が12、27、54と3種類。
スネア・ドラムも展示して頂いています!
カタログも制作したけんね。
ゼヒ、皆さん川崎にお出かけ頂いて、ナタール・パーカッションにサワールでゴザール!
ロックイン川崎さんの公式ウェブサイトはコチラでゴザール⇒ロックイン川崎
「行ってきたよ!」なんて嘘をついちゃイケませんぜ。
「Bocca della Verita(真実の口)」がお見通しだからして。
ちなみにNATALは「ハコアルーゼ」です。
★★★★★★オマケ★★★★★★
今年の「ビックリ・ベスト10」に入るのではなかろうか…というぐらい驚くべきことを知った。
下の写真は「鬼子母神」や「朝顔祭り」で知られる入谷の近くの「金美館通り」。
入谷というのは、かつては家具屋が立ち並ぶ「家具の町」だったんだよね。
「1階、家具売り場でございます。2階、家具売り場でございます。3階、家具売り場でございます…アッと、失礼しました」なんて昭和40年代にテレビコマーシャルをガンガン流していた「ハヤミズ家具センター」なんてのはこのすぐ近くにあった。
「金美館」というのは、1922年(大正11年:関東大震災の前年)に今の日暮里に創業した映画館の名前。
その後、千住や川崎に進出し、東京だけでも20の映画館を運営する大映画館チェーンだった。
そのウチのひとつがこの通り沿いにあった。
それゆえ、通りは今でも「金美館通り」と呼ばれている。
昭和通りから金美館通りに入ったすぐ右側に「東京菓子会館」という菓子製造業者の寄り合いの本部の建物がある。
今、東京菓子会館の建物があるところに金美館があったそうだ。
建物の老朽化が進み、近く解体することになっている。
さて、ココまでが前置き。
そして、いきなりクライマックス…。
ロックイン川崎さんが入っていらっしゃるこのラ・チッタデッラの前身は何と、「金美館」グループだっていうワケですよ。
コレにはマジで驚いた!
え?ゼンゼン驚かない?
そんな気がしたでゴザール。
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