BLUES NIGHT~松川純一郎グループ&アカシックレコーズ at Terra
御大B.B Kingもとうとううしなってしまったブルース界。
しかし、もはやロックにブルースの芳香を感じ取れなくなった今、かえって「ブルース」あるいは「ブルース・ロック」といった音楽が目立つようになり、活発になった印象を受ける。
もうこのあたりの音楽を追求している人には押しても引いても動かない猛烈な頑固さを感じる。
恐らく色々な音楽を聴いてきた末にたどり着いた安全地帯ということなのかもしれない。
昔…2作目の『パワフル・サラダ』を出した頃だったから1980年ぐらいかな?ウシャコダのボーカルの藤井さんが屋根裏で、「ロック?イエイエイエイエ、ジャズ?イエイエイエイエ…世の中、色々な音楽がありますが、ブルースに一旦のめり込んでしまうと(当時「ハマる」なんて言葉は使われていなかった)、もう他の音楽は聴けなくなる」と大ゲサに話していらっしゃったのを思い出す。ウシャコダはMuddy Watersのオープニング・アクトを務めたのではなかったか?
そして、そういう音楽をナマで聴くには豪華な「ホール」などではなく、ファミリアな雰囲気が漂う小ぢんまりした「ハコ」がいい。
今日のレポートはそんなライブ。
アカシックレコーズは以前にも登場しているが、「ブルース」というよりは、純枝さんの爆発的なボーカルをフィーチュアしたR&Bのレパートリーをベースにしている。
今日みたいなタイプの音楽でも活躍するのがMarshall、NATAL、EDEN!
比較的エナジェティックな現場での露出が多いNATALだが、切れ味のよいサウンドはR&Bやブルースの仕事にもベスト・マッチする。
フレキシブルな英太郎さんのプレイを完璧にサポートする。
Stevie Wonderの「You Have Done Nothing」。
「Third Stone From the Sun」もなだれ込んでくる!
曲は何だったか忘れちゃったが、尾形さんがすさまじいランニング・ベースを披露。思わず耳がベースにくぎ付けになってしまう!
EDENの超ヌケヌケのサウンドも最高!尾形さんも実に気持ちよさそうに弾いていた!
そのラインにガッチリとからみ合う英太郎さんのフレキシブルなドラミング。
イカ天出身バンド、サイバーニュウニュウへの参加が決定し、夏より本格的な活動を開始する英太郎さん。
そちらでのNATALサウンドがまた楽しみだ!
Michael Jacksonの「Never Can Say Good-Bye」。純枝さんにピッタリの曲だ。
よく聴くとこの曲のサビのコード進行、カッコいいナァ。「♪ノノノ」の前、ゾクっとくる。
アカシックレコーズはそうしたソウルやR&Bの名曲以外にもクラシックなロックの曲もレパートリーに組み込んでおり、それがまたいい。
選曲のセンスが絶妙なのだ。
最後は「Superstitions」。ソウル、ロックにまたがる永遠のスタンダード。
考えてみるに、これほどジャンルをまたがって親しまれている曲も他になかろう。
センスのよいレパートリーでこれからも名曲の伝承に一役買って欲しいグループだ。
続いて登場した松川純一郎のグループ!
NATALプレイヤーの大二さん。
今日は英太郎さんのアッシュのキットをそもまま使い回し。いつもはバーチのグロス・バーガンディのキットを使用している。
ギター&ボーカルに寺田一仁が加わる。
こちらはドップリとブルース!
松川さんのブルース愛がにじみ出るゴキゲンな演奏。
1962 Bluesbreakerがその松川さんのブルース魂を直截的に炸裂させる!
「Ain't Nobody's Business」、「Help the Poor」…続々と飛び出すブルースの名曲。
「ブルースは結婚式に向かない」…そりゃそうでしょ!ルーツがルーツですから。
「女々しいけど本当にリアル。時にあまりにリアルすぎて歌えない!」という松川さん。
ん~、ブルースにハマるとやっぱりみんなこうなっちゃうのね!
リズム隊は完璧!
フロント陣とのコンビネーションはまさに「ブルース・マシーン」。
大二さんと尾形さんの組み合わせもパーフェクトだ。
それにしても尾形さんはどう撮っても絵になるナァ~。
ここでもEDEN大活躍。
おお~っとここでスペシャル・ゲスト!
お客さんとして見にいらしていただけの谷川史郎!
史郎さん、本当に遊びに来ていただけなので自分ギターはなし。寺田さんの335を借りての登場だ!
オハコの「Got my Mojo Workin'」!Muddy Watersだ。
当然、松川さんと史郎さんのギター・バトルもタップリ。
失礼かもしれないけど、やっぱ史郎さんウンメェ~な~。音の存在感がスゴイ。
アンコールはB.B. Kingの「I Got a Key to the Highway」。
この約2週間後、Blues Boy KingことRiley B. Kingは天に召された。
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2015年4月28日 西荻窪Terraにて撮影)