FoZZtone~『Return to Earth』 TOUR FINAL
Marshall Blog久しぶりの登場となるFoZZtone。
昨年11月にリリースした6枚目のアルバム、『Return to Earth』を引っ提げてのツアーの千秋楽のレポート。
このツアーは各公演毎にテーマが設定されていて、残念ながら都合が悪くて行けなかったのが、初日に至ってはギタリスト竹ちゃんの誕生日と重なったため、『竹尾典明生誕 マーシャル祭り』と銘打ったものだった。
それは竹ちゃんのMarshall。
愛用のJimi Hendrix Signature、SUPER100JHだ。
いつでもどこでもオーナーといっしょ。本当に大切に使ってくれていてうれしい限り。それだけにそのサウンドは「♪あったかいんだから」。
KT管の音はホント好き。時に激しく、時に「♪あったかいんだから」。まさにKinless Tetrodeなのだ!
…と、いつもと変わらないFoZZtone…のハズだった。
ところが!
この日の公演を最後に活動を停止するというのだ。
会場のロビーにはこうしてメンバーへ贈る言葉が寄せられた。
千秋楽ではニュー・アルバム『Return to Earth』の収録曲を中心におなじみのレパートリーがちりばめられたプログラム。
思えば竹ちゃんのおかげでFoZZtoneとのお付き合いも結構長いものになった。
今の時代、「がんばれ」、「まけるな」一辺倒の他のバンドには例を見ない知的な音楽づくりは魅力的だった。
また、私にとってはコンセプチュアルなアルバムづくりは、今の音楽配信という悪行に抵抗しているようにも映った。
「オーダー・メイド・アルバム」なんていう企画も話題になった。
私もいい加減口が悪い方だけど、竹ちゃんもかなりのもので、私なんかずいぶんイジられたが、いつの間にか仲良くなって、ふたりで外タレのコンサートに出かけたことなんかもあったっけ…。
そして、目の前のFoZZtoneの熱演を目の当たりにして改めて思ったことは…「モッタイナイ」だった。
大分前、『The Sound oF MUSIC』をリリースした時だったかな?新宿ロフトで「自分たちが影響を受けたロックの曲」を演奏するというコンサートがあった。
誰が選んだのかは知らないが、レパートリーの中には70年代のスタンダードも数多く含まれていた。
正直、「本当にその時代の音楽に影響を受けているのだろうか?」と訝しんだこともあった。
しかし今回FoZZtoneの演奏を見て、そして聴いて、それがわかったような気がした。
古き良き黄金時代のロックンロールの血脈(けちみゃく)をしっかりと受け継いだロック宗家のバンドだったのだ。
いつも書いているように、「もう音楽の将来は未来にはなくて、あるとすれば過去の中にこそある」。
若い人たちがロックがロックだった時代の音楽を吸収し、自分たちの感性を練り込んで音楽を作ることによってしか今の閉塞された音楽の状況を突破できないことは明らかで、それを具現していたバンドのひとつがFoZZtoneだったのだ。
「口笛男」で幕を開けたコンサートは終始エキサイティング・ムード。
好きな「JUMPING GIRL」も早々にプレイしてくれた!
4月から早速ソロ活動に入るという渡會氏。汗だくの熱唱はまるで「気合」がパフォーマンスをしているかのよう。
寂しい気持ちを押さえつけてのファンの声援が会場を満たす。
ま、「解散」ということではないので、またきっとその姿を我々の前に見せてくれるであろう。
FoZZtoneの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト