ブルースを揺さぶれ!~外道ニューアルバム『Rocking The BLUES』発売記念ライブ <後編>
さて、<後編>。
そういえば以前、facebookの自分のプロフィールの<職業>がどういうワケだか勝手に変わっちゃっていて、職業が「外道」になっていたことがあった。もちろん自分でやったんじゃないよ。
でも、カッコいいのでしばらくそのままにしておいたよ。私のことを知っている人なら、「ああ、外道がスキなんだな…」で済むけど、知らない人はビックリしただろうな。仕事が「外道」だなんて…私を知らない人は友達のリクエストがしにくかったことだろう。
前半から飛ばしに飛ばしまくる「ホンモノの外道の皆さん」。←こうして書くとヤッパリ迫力あるな…みなさんとてもとてもやさしくて素敵な方々です。
加納秀人
後半最初のゲストは金子マリ。
マリさんが出てくると、またガラっと空気が変わるんだよね。ものスゴくキャリアを積んだ人達ってそういうものなのよ。
ゲストとして引き続き鍵盤に向かうのはエルトン永田。
マリさんは『Rocking The BLUES』の2曲に参加している。
まずはそのうちの1曲。ファンキーな「Play BLUES」を演奏。
秀人さん版「ブルースノススメ」だ!
秀人さんのブルースのお手伝いをしているのがこのMarshall。1971年製の1959。
秀人さんの言葉をなぞるようにブルージーに歌い上げるマリさん。
やっぱスゴイ存在感!まさに楽器だね。マリさんの声は。
「ブルースを演ろう」という秀人さんのシチュエーションにバッチリ!
ここで、この日唯一のアコギ曲、「イエローモンキーブルース」。
名曲「Yellow Monkey」のアコースティック・バージョンと言いたいところだが、ゼンゼン違う曲と見た方がいい。
原曲はブリティッシュ・ロック風のシャープなリフを持つハードなナンバーだが、こちらのバージョンは2人の歌が心にしみる「しっとりバージョン」。
間奏は完全にマイナー・ブルース。秀人さんのアコギ・テクニックがフィーチュアされる。
私は元の「Yello Monkley」の歌と演奏がいかにも外道っぽくてすごくスキなんだけど、コチラも強烈だ。
あの完璧な曲をこんな風に作り変えてしまう秀人さんのセンスと思い切りの良さがアッパレだ!
PANTA!…大きな歓声が上がる。
PANTAさんのことは書き出したら止まらない。だからここでは書かない…イヤ書けない。
いつかPANTAさんメインでMarshall Blogにご登場して頂く時までキープしておくことにする。
でも、チョットだけ書いたことがあるのでコチラを見てみて!
PANTAさんも『Rocking The BLUES』には2曲で参加している。
まずは、その内の「It's a MAD WORLD」から。
ドハードなバックの演奏に合わせた「♪It's a MAD MAD WORLD」の連呼の合間に散りばめられた秀人さんからのの「平和への戦い」への激しいメッセージ。
それをPANTAさんと歌うのだからタマらない!
ホントにこの2~3年で日本は根底からおかしくなってしまった。もうこの方々に世直しを頼むしかない!
PANTAさんとの2曲目は「Baby Rock'n Roll」。
シンプルな素材を最高な一皿に仕上げてしまう…コレこそが連綿と日本のロックを支えてきた男たちの真の力だ!
あまりにもカッコいいわい!
雰囲気はガラリと変わってここで恒例のジャンケン大会。これが盛り上がる!
勝者はサイン入りポスターをゲット。
いよいよショウは最終コーナーへ入る。
このセクションでは外道のスタンダードがズラリと並ぶ。
まずは「ダンスダンスダンス」。
透さんのドラム・ソロ!
ドバーっと叩きまくるその姿は圧巻!
1991年から参加の透さん。もう通算24年!外道中の外道なのだ。
続けて「何?」…コレは「♪ませたガキだぜ!」がタマらん!
外道ダンス…お客さんはもちろん勝手知ったるところ!
松本さんもギンギンに暴れてお客さんを挑発する。
いつも心から外道を楽しんでいるように見える松本さん!
さらに「ビュンビュン」。
秀人さんって最高のギター・リフ・メイカーのひとりだと思うんだよね。「にっぽん賛歌」、「コウモリ男」、「逃げるな」、「黒い影」、「ぶっこんでやれ」、「Yellow Monkey」、「外道」、「水金地火木土回明」、…どれもこれもシンプルな音列で(「ぶっこんでやれ」はチョット複雑)最高の効果を生んでいる。秀人さんはロックの根っこを本当に近いしている人だと思うね。
その最高峰がこの「香り」だろう…「外道は己が香り、外道は己が姿」。
この曲を勝手に「外道のテーマ」呼ばわりすることは断じて許されない。(かつてそういう輩がいたもんですから…)。
「♪ゲ~ゲ~ゲ~、ゲゲゲゲゲゲゲ、ゲ~ゲ~ゲ~ゲ~、ゲド~」…コレ以上の歌詞はない!もちろんお客さんも「待ってました!」状態で盛り上がりはクライマックスを迎える。
本編19曲。ニュー・アルバムから13曲中、11曲を含む怒涛のステージだった!
そしてアンコール。
まずは「悪魔のBaby」。
…となるとボーカルはドラマー。透さん、歌メチャクチャウマいでね~。
しかし、名曲だよな~。この曲を聴くと懐かしさも手伝っていつも涙が出るわ。
これぞロックの楽しさだ!
曲はニュー・アルバムのリード・チューン、「SHAKE IT BABY」。
『Rocking The BLUES』の冒頭に収録されている元気に満ち溢れたナンバー。
もう7th丸出しが気持ちいい!
そういえば最近テレビで見かけるロック・バンドって、この短7度の音とシャッフルのリズムがまったくないよね。
この曲は、丸出しの7thだけじゃなくて、III7、#VIdim、II7…とチョット気の利いたロックンロール・ソングのエキスがテンコ盛りに入ってる。
秀人さんの意気込みがモロに感じられる1曲。
その秀人さんの気持ちを受けてかステージ上の全員が一丸となって、しかも最高に楽しそうに演奏する姿はやっぱりこの日のハイライトだった。
最後は外道の3人でアルバム同様「あの頃は」を演奏して幕を下ろした。
コレがまたいい曲なんだ。メンバー3人のリード・ボーカルがグっとくる~!
コレで外道のニュー・アルバム『Rocking The BLUES』収録の全曲を演奏したことになる。
なんてゴージャスなコンサートだったんでしょう!
「日本のロック」がまだ健在なことを証明してくれた外道。
さぁ、これからの外道の100年が実に楽しみだ!
行け、外道!未来のない明日に向かって!
外道の詳しい情報はコチラ⇒アイノア・ウェブサイト