GRANRODEO LIVE 2014 G9 ROCK☆SHOW <後編>
炎あり、魔女あり、カラーガードあり、メンバー各人のソロあり、そしてもちろん胸のすくロックチューンテンコ盛りで『GRANRODEO LIVE 2014 G9 ROCK☆SHOW』もアッという間に後半に突入してしまった。
出ベソを歩くKISHOWさんとe-ZUKAさん。手ブラだ。
今、ふたりが立っているのは出ベソの先端に設置されたサブ・ステージ。すなわちアリーナのほぼド真ん中だ。
「前の方の人は我々の後頭部しか見えないね。ゴメンね、すぐ終わるからね~」
と、このアリーナのド真ん中で始まったのはアコースティック・セット。
「このメンバーで今年もやっていきます!」
長井VAL一郎…の4人が「このメンバー」だ。
アコースティック・セットで演奏したのは「21st CENTURY LOVERS」。
今までの盛り上がり感とは打って変わってのホンワカ・ムード。
e-ZUKAさんの柔らかいアコギのサウンドに瀧田さんの豊かなアコべの音。それをムード満点で支えるVALさんのカホン。そこに乗っかるKISHOWさんのウットリするような美声。
こんなGRANRODEOもまたよき哉…なのだ。
お客さんも演奏に応えるようなあたたかい拍手を送っていた。
個人的にツボにハマったのはe-zukaさんのMC。
さいたまスーパーアリーナでは、客席の階数を「1階席」とか「2階席」とか呼ばずに「200レベル」とか「300レベル」という名で呼んでいる。
で、「200レベルのひと~」、「500レベルのひと~」なんてe-ZUKAさんが呼びかけるんだけど、笑ったのはその後、「ま、ボクらは4人中3人が『シャクレベル』なんですけどね…」なんて言うのよ!おかしくて、おかしくて…今、コレを書いていてもひとりで爆笑してる。アコースティック・セットの後は当然の大騒ぎ大会。
「偏愛の輪舞曲」のSEの中、ステージに戻った4人が奏でるのは…
「偏愛の輪舞曲」!
Marshallだけでなくレーザー光線も背に受けてe-ZUKAさんのソロが冴えわたる!
出た!KISHOWさん、ジャ~ンプ!
「soul crazy」
VALさんのヨコまで上がってソロをキメるe-ZUKAさん。
「ベロベロにしたろか、お前ら!」…。「ベロベロ」って、どんなッ…?
「Once & Forever」
もうこのあたりはもうみんなベロベロ!あ、ホントにベロベロになってしまった!
「modern strange cowboy」
ギター・フリークらしくe-ZUKAさんは今日も何本もギターを取り換えたが、このシグネチャー・モデルRODEOholicの使用頻度が一番高かったようだ。これとMarshallの組み合わせがいいのだ!
KISHOWさん、「このステージがあるから頑張れる」
e-ZUKAさん、「すべてファンの皆さんのおかげ。幸せであるとともに、(ファンを)誇りだと思っている」と感謝のMAがあって…
「Can Do」!
そして登場。
e-ZUKAさんは出ベソ先端のステージのピアノに向かう。
無数のサイリウムが美しい!
シットリトしたムード…そして、e-ZUKAさんがギターを手に取り、
大爆発!
アンコールの2曲目は2月12日に発売されたシングル「変幻自在のマジカル・スター」。
あ、この時はまだ発売されてなかったんだ!人気アニメ『黒子のバスケ』の第2期のオープニング・テーマ。
色々と直近の活動予定が発表されたが、今年もGRANRODEOの周辺はにぎやかになりそうだった。楽しみ!
チョット真剣な話しをするね。
つい最近、欧米の楽器関係の人たちと音楽の話しをする機会があった。
「日本の音楽の状況は?」と訊かれて「日本のロックはアニメとゲーム、そしてインターネット・ミュージックをなくしては成り立たない状況にある」と答えた。
私の英語は残念ながら完璧ではないが、コレぐらいは難なくで言えるし、意味は完全に通じていた。しかし、彼らは私の言ったことがまったく理解できないらしかった。
今、日本の若い人たちは「ロック」という言葉を意識していなくても、似通った種類の音楽をアニメやゲームから吸収していることは間違いないだろう。何せレコード会社がそういう販売戦略を立てていることを見れば明らかだ。レコード会社にとっては売れさえすれば音楽の名前なんてどうでもいい。「商売」とはそういうものだ。
海外でも日本のアニメやゲームが一般化していることは私が説明するまでもない。ところが、欧米の若者にとってはロックとアニメは完全に別物であるようなのだ。
話しはそれるが、「ボカロ」もどうも馴染みがないようで、「言葉とメロディをコンピューターに入力してやるとコンピューターがそれを実際に歌ってくれる」と説明した。
ま、正確ではないかもしれないが、私の説明にそう大きな間違いはないハズだ。すると、彼らの反応はどうだったか?
大爆笑。ハッキリ言って大笑いされた。
彼らの感覚で言えば。「歌は人間だけのものであり、歌うことは人生の楽しみのひとつ。何が悲しくてコンピューターに歌をうたわせなくてはならないのよ?」ということのようだ。
こうしたロックの環境にもっとも厳しさを見せるのはイギリス人だ。最近はロクなバンドも出て来ないクセに他国のロックをなるべく認めないかのようにしている。
その寄りどころは、ビートルズを輩出し、ブリティッシュ・インヴェイションやハード・ロックでアメリカや世界を支配したからだ。繰り返して書くが、イギリスには「UK Rock」という言葉は断じて存在しない。彼らには誇り高き「British Rock」という言葉しかない。
反対に寛容なのはドイツ人のような気がするな。ものすごく「伝統を嫌う」というより「伝統を壊したがる」という方が適切かもしれない。フリージャズが人気なのもうなづける。いつも通り話しは大きくスライスしているが、私もガチガチの「ロック擁護派」であるし、ブリティッシュ・ロック派であることは今でも変わりはない。
しかし、今は最近のようなロックの在り方もよかろうかと思っている。それもGRANRODEOのようなバンドであるならば…の条件付きだが…。
たとえアニメからだろうが、ゲームからだろうが、若者がGRANRODEOが奏でるようなロックを「カッコいいロック」として聞いてもらえればそれでいい。
では、GRANRODEOのロックとは何か…カッコいいギター・リフとギター・ソロ、男性的なワイルドなボーカル、へヴィなリズム隊…ロックの定義に直結している。
コレを60年代後半~70年代前半のクラシックなロックのステレオタイプと笑わば笑え。何があってもこの時代のロックが最もカッコいい。ロックは必ずここへ戻ってくる。何故なら、本当にカッコいいものを求めるのは人間の性だからだ。
それを証明しているのがこのスーパーアリーナに集まった20,000人の若者たちだ。
君らは「ロック」を聴いたんだよ!もしGRANRODEOの音楽が好きなら、話しは簡単だ。ロックの本当の楽しみはもうそこまで来ている。
Marshall Blogを参考にするのもよかろう。
GRANRODEOを見るといつも連想するのがSWEETとか、SLADEとか、復活後のAEROSMITHなどだ。
つまり、良質なハード・ロックをポップに楽しく響かせるという意味だ。そんな時代に備えてみんなもギター・ソロの練習をしておいた方がいい。
そんな意味ではGRANRODEOは次の世代の音楽の嚆矢であると思っている。話しは戻って…お定まりの「Go For It!」
もちろん「IGPX」で大盛り上がり。このコーナーも大好き!
ここでアンコールは一旦終了。
でももちろんこれじゃ終われない!もう一度登場して最後の最後に演奏したのは「Beautiful world」。
このシーンはいつもみんなリラックスしていて、見ていてとても楽しい。
こういう曲を持っていることと、この演出がまたGRANRODEOの魅力なのだ。
素晴らしい演奏を披露してくれた4人!
よくみるとジーナちゃんの名札には「ことよろ」って書いてあるのね。
感動のフィナーレなのであった!
あ~、今日も最高のロック・ショウを堪能した!GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website