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2022年11月15日 (火)

【I REMEMBER 令文】大谷令文、Marshallを語る

 
 大谷令文さんの追悼特集。
2010年1月14日に公開した令文さんとのインタビュー。
今回の再録に当たっては、もちろんご発言の内容をイジることなく現在のMarshall Blogの慣例にしたがって表記のみ訂正し、関連の情報を追加させて頂いた。
昔のMarshall Blogは1本が短かったので2本立てでお送りしたが、今回の再掲に当たっては1本に集約した。Img_0945  
マーシャルとの出会い
Marshall(以下「M」):みなさんへお尋ねしている共通の質問です。
思い出して頂くに、Marshallとの出会いはどんな風でした?
大谷令文(以下「R」):ウ~ン……(考え中)……リッチー・ブラックモアが好きだったので、ミュージック・ライフ誌のグラビアを見たり…、イヤ、『ライブ・イン・ジャパン』のジャケットかな…?
M:でもアレって外も内側もあんまりマーシャルは写っていない…。
R:輸入盤だったのかな?
M:『Made In Japan』?
R:レインボー・シアターの…。
あのジャケットの写真は「レインボー・シアター」で撮影したものだからね。
 
令文さんがおっしゃっているのはコレ。イアン・ギランが叩いているコンガはNATAL製。Mij写真はロンドンのフィンズベリー・パークにあるレインボー・シアターの現在。Img_9626_2M:それからのマーシャル歴といえば?
R:ジミー・ペイジなり、ヘンドリックスなり、やっぱり好きになったギタリストは全員Marshallだったからね。
それに『Focus at the Rainbow』かな?
M:お、またレインボー・シアター?!
R:ヤン・アッカーマンもあのときはMarshallだよね。
やっぱりMarshallってスゴイんだナァ…って思った。
M:Focusはご覧になったんですか?
R:2回目に来た時に見ました。
M:2回目って、フィリップ・キャサリンが来た時?
R:イヤ、ヤン・アッカーマンだったんだけど、もう『Mother Focus』の頃だったから音楽が…。
M:メロウ?
R:そうそうそうそう!アンプもMarshallじゃなかった。
ナンかロータリー・スピーカーとか使ってた。
だから見てもあんまり感動しなかったな…。Img_0953_2    
マーシャルのギタリスト
M:他に「Marshall」で連想する名前ってどんな名前が出てきます?
R:やっぱりLed Zeppelin。
今ではもういろんな情報が入って来て、「レコーディングの時は違うアンプを使っていた」とか知っているけど、当時のイメージとしては映画で見た三段積みにしていないMarshallだよね…すごく印象的だった。
M:あの人は積みませんね。こないだもそうだった。
R:あ、あの再結成の時?
M:そう…ドンドン積んでもらいたいんですけどね。
あと「Marshall」と聞いて無条件で出てくる名前と言えば…やっぱりリッチー?
R:イヤ、ヘンドリックス。
M:あ、そうですか?
そういえばさっきからゲイリー・ムーアの名前が全然出て来ないのが少々意外なんですけど…。
R:ゲイリー・ムーアはもっと後になってからかな。
音楽を聴き始めたころはまだそんなに出て来てなかった。
M:初めにゲイリー・ムーアの名前を意識したのは?
R:ん~、Colosseum II。
M:やっぱり。『Electric Savage』?
R:そう。
レコード屋へ行って「Colusseumの新譜」を見つけたら「II」になってたの!
んで、ギタリストの名前を見たら「ギャリー・ムーア」って…
M:そうそう、当時は「ギャリー」って表記してた。
R:どっかで聞いた名前だなって思った。
知識として、名前だけ知っていたのかもしれない。
M:令文さんはよくゲイリーの曲を演るからかなり初めの方に名前が出てくるのかと勝手に想像していたんです。
R:ん~、彼の場合、意外とアルバムごとに音色が変わっているからそんなに強烈なトーンのイメージってないんだよね。大好きだけど…。
でも、「Marshall」っていうサウンドで印象が強いのはヘンドリックスであったり、リッチーであったり…いわゆるゲイリーよりひと世代前のギタリストたちだよね。
M:なるほど。エリック・クラプトン、つまりCreamは?
R:やっぱりいい音だなって思う。
でも、ボクが聴き出した頃にはもうクラプトンはレイドバックしてた。
Creamは後になって聴いたんだけど、ライブなんかはすごい音だよね。
M:『Goodbye』とか?
R:そうそう。Img_0950 
最初のMarshallとMarshall歴
M:一番最初に入手したMarshallって覚えていますか?
R:ええ…19か20歳の時、知り合いから譲ってもらった50WのMarshallでしたね。
多分1973年か1974年製だっと思いますけど。
M:キャビネットも?
R:ウン。ひとつ。
M:それにエフェクターをつないで使ってた?
R:結局オーバードライブみたいなものを使わざるを得なかった。
初めて弾いたときは「エエっ!?こんなに歪まないの?」ってビックリした!
M:皆さんそうおっしゃいますね~。
それからのマーシャル歴と言えば…。
R:100Wに買い替えた。
やっぱり新品ではなくて「オールドで(筆者註:ギターやアンプが本格的に大量生産の時代に突入した1970年代の半ば頃から“古い楽器の方が現行品より音も質もいい”という風潮が猛烈に強まった。その当時はそういった古い楽器の呼称としては、まだ”ビンテージ”という言葉は全く使われておらず、”オールド”と呼ばれていた)、1973年製くらいのものだった。
そのまましばらく、MARINO時代もずっとそれを使っていましたね。
何台か100Wも買ったり交換したりもしたけど、全部70年代前半のモノだったな。
ここ10年位は1969年の100Wです。
M:いつも使ってるヤツですね?
R:そうそう。イヤ、もう15年位になるか…。
※上段が当該の1959。
20v M:というと、もう初めからずっとスタックになるワケですね?
R:そうですね。それしかなかったし…。
M:その昔、Marshallのコンボが日本に上陸した時、やっぱりスタックの印象が強すぎてコンボの普及はムリと思われたらしいです。
R:でもBlind Faithのジャケットにはリハーサルの時の写真が載っていて、クラプトンがコンボのMarshallを使っているんだよね。
Bluesbreakerじゃないモデル。(筆者註:現在の紙ジャケ見開きCDの内側に写っているのは1959 SUPER TREMOLOのハーフスタック
M:ブラインド・フェイスは69年でしたっけ?
第3の声(令文さんの友人、以下「3」):69年頃のコンボって1962しかなかったハズ…。Bluesbreakers時代のあの1962はジョン・メイオールの備品だったらしいですからね。
R&M:備品?!
3:だからピーター・グリーンも同じMarshallを使った。
M:じゃピーター・グリーンもMarshallだったワケ?
3:あの時はそうですよね。
R:バンドの持ち物だから…。
M:その最初のMarshallを手に入れたのは30年位前のことですか?
R:もう、そうだね~。
M:その頃はメチャクチャ高かった時代ですねよネ。
R:ウン、新品で買ったらもう大変だよね。
M:待てよ…もしかしてずっとワン・ボリュームのモデルをお使いで、マスター・ボリューム付きのモデルを使ったことないとか?
R:イヤイヤ、弾いたことはもちろんありますよ!
でも…確かに持っていたことは一度もないな。
言い換えるとMarshallもピン・スイッチのモデル以外は所持したことがないですね。Img_0943 
思い出のMarshall
M:何か思い出のMarshallってありますか?
例えば「アレ欲しかったな~」とか、持っていたけど「手放さなきゃヨカッタな~」とか。
R:イヤ、特にないかな。
いつも自分が一番気に入ってるMarshallが手元にあるからね。
その時、その時自分の持っているモノは手放したくない。
M:それは幸せですね。
R:でも最初の50Wはとても気に入ってたんだけど、お金がなくて売っちゃった…。
M:お持ちのギターを見ていてもそうだけど、元来バンバン楽器を買い替えるようなタイプではいらっしゃらないんですね?
特に新しいモノ好きでもない?
R:うん、そういうタイプではないね。
いまだに1959のプレゼンスを上げるとどう音が変わったとか、スピーカー・ケーブルで音がどうなったとか、そういう発見が多いんですよ。
だからボクには新しいモノは特に必要ない。Img_0944 
セッティングについて
M:セッティングに関して特別なこだわりってあります?あまりイジらない?
R:基本的にはいつも同じ。
M:ミドルは10にしなきゃ気が済まないとか…?
R:ハハハ!確かにミドルは10だな~。
プレゼンスも上げめ。
M:やっぱり1959が一番?
R:一番!…音といい、見た目といい、ワン・アンド・オンリーですからね。
自分のギター・スタイルも、ピッキングといい、ボリューム・コントロールといい、1959とともに成長してきたからね。
他のブランドのアンプを使うと特にピッキングが自分のモノではないような感じがする。
M:でも世の中にはアンプをジャンジャン取り替える方もいらっしゃる…。
R:ウ~ン、そういう人は不思議で不思議でしょうがないな~。
常にボリュームは10、ピッキングの力も10で弾いているのかな?
M:なるほどね!
R:1959に限らず基本的にナチュラルな歪みが出ないアンプでは右手でニュアンスを出すのが難しいと思う。
自分のスタイルがもうそうなっちゃてるからね。
 
弾いてみたいMarshallImg_0959M:弾いてみたい夢のMarshallって何かありますか?
もし自由に古今東西のMarshallが選べたら…。
R:ジミヘンが『Are You Experienced?』で弾いたヤツ!
誰か持ってへんのかな~?
M:実際にジミヘンが使っていたMarshallって工場に行った時に見せてもらったことがあります。
ただのうす汚れた1959だった!
でも、アンプの上面に「JH EXP」だったかな?白いステンシルが入っていたのがカッコよかった…っていうかメチャクチャ感動しました。
※コレがその1959。Marshallの本社に行った時、「シゲ、シゲ、早くおいで!」と工場の他の場所にいた私をワザワザ呼び出して見せてくれた。Srimg0183R:さっき「メイオールのバンドの持ち物」って話があったけど、Soft Machineの持ち物だったMarshallも弾いてみたい!
アラン・ホールズワースもジョン・エサーリッジも使ったMarshallなんだよね。
筆者註:基本的にSoft Machineにはレギュラーのギタリストがいなかったので、この「バンドの持ち物」とされているMarshallはもしかしたら「マイク・ラトリッジが所有していたキーボーズ用のアンプ」ではなかったのではあるまいか?…というのは勝手な想像はいかがなものか?
M:ええっ、そうなんですか?
あの頃はみんなMarshallですよね~。
ジェフ・バーリンなんかもMarshallでしたもんね…ディ・メオラもそうだ。
R:そうだね、アル・ディ・メオラもMarshallだ!
Soft MachineのMarshallは、ホールズワースのインタビューで読んだ記憶があるんだけど、『Bundles』のころのレコーディングはそのMarshallで録ったって。
M:その後のホールワースは?…Lifetimeの頃はどうだったんだろう?
R:やっぱりMarshallだったみたいだよ。
少し新しいモデルだったらしいけど。
UKの時もMarshall。
ま、自分の持ち物ではなかったのかも知れないけど、あの頃はどこへ行ってもMarshallだったからレコーディングも全部Marshallになっちゃう。
M:ベースもですよね。
R:そう。弾いてみたいな~、Soft Machineのバンドの持ち物だった50WのMarshall!
絶対あんな音は出ないだろうな!
それと、マクラフリンもMarshallだった。
M:そう!だから『Jack Johnson』や『Live Evil』もMarshallで弾いていているのかと想像すると興奮します。
R:絶対そうだよッ!
M:「音がデカイ!」ってマイルスに怒られたとかね!
R:そうやって考えるとジャズ/フュージョン系のプレイヤーもMarshallが多かったよね。
ディ・メオラの『Elegant Gypsy』の音なんか大好き!Img_0961 
Marshallの素晴らしさ
M:ま、いまさらお訊きするのもナンですが…Marshallの素晴らしさを言葉に表すと…?
R:レスポンスが恐ろしくピッキングに忠実ということ。
左手についても弦がフレットをこする音まで表現してくれる。
M:でも、他のブランドのアンプだってそうなんじゃないですか?
R:イヤ、こんな反応はないんだよね。
なんかもっとオブラートに包まれた感じになっちゃう。
そこへいくとMarshallは一番ダイレクトな本当に「素」の音を出してくれる。
M:なるほど。
R:トーンもそうだね。
ウォームな音からエッジが効いた音まで両極端な音が1本のギターで出せる。
これがすごくいいことだと思う。
ボクはMarshallって意外に器用なアンプだと思ってるんですよ。
M:Marshallのクリーン・トーンってどう思います?
R:もう大好き!
M:Marshallといえば「歪み」というイメージが定着していますよね…。
R:違う違う!だからダメなんだよ!
M:さすが!…そう、案外「Marshallのクリーンが好き!」という人が多いんですよね。
R:ヘンドリックスだってそうでしょ?
「Little Wing」なんか最高にビューティフルだし!
M:ウリが言ってましたが、実際のヘンドリックスのMarshallの音ってメチャクチャ大きくてクリーンだったんですって。
R:そうだろうな~。ポール・コゾフなんかもそうだよね。
ソロももちろん素晴らしいけど、コードワークの音。
アレってアンプに直だもんね。
M:ピーター・バラカンさんの『ピーター・バラカンのわが青春のサウンドトラック(ミュージック・マガジン社刊))』という本を読むと、彼はデビュー前のコゾフが楽器屋で高価なギターの試奏をしているところをよくみかけたそうです。
さしてうまくはなかったらしい。
R:うまくなかったって?!
3:子供の頃の写真を見るとジャズとか習ってそうだけど…お父さんは有名な俳優ですよね?
R:デヴィッド・コゾフ。
3:その写真を見ると七三に分けてレスポールとか箱物を持ってるんですよ。
スゴイ高そうなヤツ…だから多分ジャズを習ってたんじゃないかと思った。
R:クラシック・ギターも習ってたらしい。
3:そうじゃないとあのコード・フォームはロックでは考えられない。
M:そういう話ってアメリカへ行って現地の人と話してもあまり盛り上がらないんですが、その点イギリスは何度言っても非常にワクワクさせられます。
Marshallの連中と話をしていてもすごく盛り上がるんですね。
それが実に生々しくてオモシロい!
ビートルズを見ているおジイさんなんかは当たり前ですからね~。
3:マサシ(筆者註:原マサシさんのこと。当時ロンドンで活動していたブルース・ロック・ギタリスト。ビンテージの1962を愛用。2018年10月逝去)が言ってたけど、ロンドンはせまーい世界にものすごくたくさんの人がひしめき合っててオモシロいって。
M:まさにそれです!

Img_0948  
Marshallに期待すること
M:これは令文さんには愚問かもしれませんが、今後Marshallはどんな風になって行ってもらいたいですが?
どんなことを期待しますか?…1959の製造を続けろとか?
R:ああ、もうそれに尽きるね!(一同爆笑)
リバーブが搭載されるともっとうれしいんだけどな~。Img_0952
若い人たちへのメッセージ
M:若い方々にギターを弾くよろこびについて何かメッセージを頂戴できませんでしょうか?
ギタリストにとって一番の見せどころであるはずのギター・ソロが最近はひどく疎遠になってしまいましたよね?
R:そうですよね。
結局そういう曲を必要としていないということなんでしょうね。
でも、テレビなんかで流れているバンドものの音楽にはギター・ソロが必要じゃないかも知れないけど、もっとブルース寄りの音楽があったり、もっとフュージョン寄りの音楽があったりとか、世の中には色んなジャンルの音楽が同時に存在しているのが当たり前なワケです。
だから若い人たちはもっと色々な他のジャンルの音楽を聴いて、その要素を取り入れて自分たちの音楽に活かすということが大事なんじゃないかな?
M:そうですね。大賛成です。
令文さんは本当に色々な音楽を聴いていらっしゃいますもんね。
R:ウン。僕はクラシック・ギターを聴くのも、ジャズ・ギターを聴くのも大好き。
そして、ギターという楽器はメロディもコードも両方奏でることができて…しかも、ステージで走りまわりながら弾けるのもこの楽器の良さだし。
M:こんな楽器は滅多にないですよね!
R:ないない!しかも。歌いながら弾けるし!(笑)

Img_0958 
リズムは楽しい!
M:かなり昔、ジャンゴ・ラインハルトに関する文章を読んでオモシロいな…と思ったんですが、「ギターを見たことのない人に『ホラ、コレは楽器だよ』と言ってギターを渡したらどうなるか?
「そのギターを渡された人はメロディを弾くか、はたまたリズムを刻むか?」という質問があって、その人曰く、「ジャンゴにコレをやったらきっとリズムを弾くだろう」って。
R:わかるわかる!
ソロがウマい人はリズム・ギターもたいていウマいからね。
M:こうして第一線のプロの方たちと接していていつも思うのは皆さん、本当にリズム感がスゴイということです。
指が早く動くとかの前にとにかくリズム感が素晴らしい。
R:リズムってとても楽しいものなんだよね。
みんな「得意のリズム」っていうのを必ず持っていて、それを見つけられるかどうかっていうことが大事なんです。
M:令文さんの場合は?
R:ボクだったら三連系のシャッフルっぽいのが大好きで得意かも知れない。
M:確かに!「Razor Boogie」のイメージが強い!
R:(笑)三連は大好き。
ところが若い人たちにギターを教えているとみんなシャッフル系が苦手なんだよね。
最近は「ある」という話を聞いたけど、考えてみるとここ何十年もの間、シャッフル系のヒット曲ってなかったじゃないですか?
だから若い人たちは聞いたことがほとんどなかったんじゃないかな?(♪シャッフル・リズムを刻みながら)こんなヒット曲ってないでしょ?
M:確かにそうですね。
R:ボクはどうやって発見したのかな~?
たまたま得意なリズムを見つけられたからよかった。
得意なリズムを見つけることがギターを練習を楽しくさせる秘訣かもしれない。
M:それならいつでもStatus Quoに入れますよ!
R:入りテェ~!
M:いまでも本国ではものスゴイ人気ですからね。
相変わらず白いマーシャル並べちゃって!
R:イギリス人ってシャッフル好きなんじゃない?Nazarethとか。

Img_0947 ※コレは2012年の秋にロンドンで見かけたStatus Quoのコンサートの告知ポスター。
オープニング・アクトはボニー・タイラー。
The O2というアリーナのキャパは20,000人。
Status Quoとは本国イギリスではそういうバンド。
令文さんが加入していたらオモシロかったのにナァ…。Img_8349  
練習について
M:他に何かギターを練習している方々にメッセージはありませんか?
R:初めのうちはクリーンな音で練習するのがいいと思う。
余計な歪みはない方がいい。
M:音量については?
コレもかつて何かの雑誌のインタビューで読んだのですが、ウリは「なるべく小さい音」 で、一方、エディは「なるべく大きい音」で練習すべきと意見が分かれていましたが…。
R:(大笑)それはあるよね!
ま、ウリが言っているのは家でやる地味なスケール練習とかのことで、エディが言っているのはリフとかの練習ということでしょう。
3:イヤイヤ、音の大きさのスケールが欧米とかなり違うから参考にならないと思いますよ!(一同大笑)

Img_0953 
造詣の深い人
M:今までずいぶんとたくさんのプロ・ギタリストの方とお話をさせていただきましたが、令文さんの 聴いている音楽の幅広さはその中でもトップ・クラスですね。
Formula 3とかが出てきた時にゃノケゾった!
R:ウッシーもかなり詳しいよね。ジャズではゼンゼン敵わないし。
プログレ好きですね…でも、友達から教わるのが多いんですよ。
こないだもフィンランドの変なバンドを見に行った。
M:何てバンドですか?
R:アラマーイルマン・ヴァサラット…チェロが2本入ってんの。
M:ウワ、見たかった!
M:今日は色々と楽しいお話をありがとうございました。
R:いいえ、こちらこそ!Img_0949
インタビューに臨んで頂いた令文さんはステージの上で豪放磊落なMarshallサウンドを轟かせる令文さんとは異なり、ところどころ思慮深く、ひと言ずつ言葉を選ぶようにして発言される姿がとても印象的だった。
今となってこのインタビューを読み返してみると、「アレを訊いておけばヨカッタ!」とか「あの話をするべきだった!」とか、悔しく思う部分が少なくないのが残念!
でも、もう仕方ない。
世界規模で不世出であろう稀代のMarshall弾き「大谷令文」へのインタビューはもう永久にすることができないのだ。
その点、このインタビューは残されたMarshallギタリストの諸氏にとっては価値のあるモノではなかろうか?
そしてまた、令文さんが生涯愛してやまなかったMarshallについて語ったインタビューも他に2つはないであろうことを自負している。
Marshall Blogの意義を信じつつ推敲を終えて公開した。
 

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