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2026年3月25日 (水)

SIMO with 森園勝敏<前編>~私の名字

久しぶりのsimo。
いつ以来かと思って調べてみたら…ナント2023年8月の所沢の豪雨の野外ライブ以来だった。
そんなにご無沙汰だったかな~?
でも、もっと久しぶりなのは今日のレポートの現場である新中野の「弁天」さま。
こちらは2020年1月に初めてお邪魔した時以来だから6年以上ぶりのお詣りとなった。
実は新中野は私にとって特別なところ。
そのことをいつかココに書きたい…と思っていたのだが、今回とうとうチャンス到来と相成った。
ライブのレポートをお届する前に、岡井さん、石井さん、宮野さん、そして関さんのsimoの皆さんには一生理解することができないであろう私の新中野に対する感動を吐露させて頂くことにする。10vそれは名字に関すること。
新中野に「文化ハイクリーナー」というクリー二ング店があるのだが、お名前が「牛澤」さんとおっしゃる。
2020年にお店の前を通りかかった時にコレを発見して心底驚いてしまった。
お店のご主人であろう、店内を覗くとオジさんが一心不乱にアイロンがけをしていらっしゃる。
その時生まれて58年、自分の親戚以外で「牛澤」という名前の方を初めてお見かけした瞬間だった。
この驚きと感動はポピュラーな名字をお持ちの皆さんには決してわかるまい。
中に入ってお話を伺いたかったのだが、あまりにも仕事に没頭されていたのでその時はグッとガマンして通り過ぎるに留めた。Img_6406「牛」という字が使われている名字は牛島さん、牛山さん、牛越さんあたりが一般的で、変わったところでは牛腸(ごちょう)さんなんて方もいらっしゃるが、実は「牛澤」は牛腸さんよりもゼンゼン珍名度が高い。
最強なのは「牛糞」というのが九州の方であったらしいが、さすがにコレは…ということで由緒ある名字ではあったが、改姓が認められて絶滅してしまったらしい。
で、「牛澤」はインターネットで調べてみるところでは全国で290人しかいないのだ。
一方、最多の「佐藤」さんは1,798,000人いらっしゃるそうだ。
その珍しい名字が元でイジめられたりからかわれたりしたことは全くなかったが、子供の頃は結構イヤだった。
「日本がヒンドゥー教国だったら最強の名字なのに」と考えたこともあった。
でもアダ名はキマって「ウシちゃん」か「ウシさん」。
家内も子供も全員「ウシちゃん」と周囲の人たちから呼ばれる。
ちなみに浅草の「牛角」に「牛田」さんという女性店員がいて(←コレもスゴイ符合である)、その名札に「ウシちゃんと呼んでください」と書いてあった。
話を訊いてみたところ、やはり歴代の家族全員が「ウシちゃん」と呼ばれているそうだ。
ところで、ウチの「牛澤」のルーツは群馬県太田市の「牛澤の庄」。
御多分に漏れず「地名由来」の名字。
「上野(こうずけ)源氏」と呼ばれる新田家/里見家の血筋で、私でだいたい16代目ぐらいになるらしい。
下は太田にある「牛澤神社」。
今は新しい社殿になっているようだ。
近くの交差点名は「牛沢」。
付近には平城ではあったものの「牛澤城」もあったらしい。
チッ、世が世なら私も一国一城の主だったかも知れんぞよ。
Img_6922ご存知の通り、そもそも昔は特別な階級の人以外は名字を持っていなかった。
それが明治8年「平民苗字必称義務令」という法令が施行され、それまで「八五郎」や「熊吉」としか名乗っていなかった人たち全員が名字を持つことになった。
コレ、昔は「苗字」だったが現在は正式に「名字」という漢字を当てることがキマっている。
この法令は正確な戸籍を作るため、すわなち富国強兵のための徴兵を目的としたモノだったので避けることができなかった。
そこでどうしていいかわからない平民の皆さんは、地名や屋号をそのまま名字にしたり、村の長者に考えてもらったりして名字を得た。
そこで実にバラエティに富んだパターンが編み出され、現在日本には29万とおりの名字が存在することになった。
日本の場合、名字というモノはそもそも由緒が正しいのが当たり前で、この法令以前は名字でその家のルーツがわかるようになっていた。
ところが、この明治8年の法令のせいで過去の偉人の名字を名乗ったりする者が多数現れて、そうした由緒ある名字の価値が著しく棄損されてしまったということだ。
さて、下の写真。
薩摩琵琶の「鶴田錦史(きんし)」という人。
昔は「琵琶語り」というのは今のロックやヒップホップのような一般大衆の大きな大きな娯楽で、錦史は大正から昭和にかけての琵琶語りのスーパースターだった。
このオジさん、実はオバさんなのです。
つまり女性です。
色々な事情があってある時「女性」を捨てて生涯「男性」として生き抜いた。
Tk下は「小澤征爾」指揮の「ノヴェンバー・ステップス」。
この曲は小澤征爾を介し、ニューヨーク・フィルの125周年を記念するために「武満徹」が作った1曲。
「小林正樹」の1965年の映画『怪談』の音楽を担当した武満は、映画のために錦史が書き下ろした「壇の浦」という作品を高く評価していて「ノヴェンバー・ステップス」に鶴田錦史を起用。
1967年のリンカーンセンターの初演時にはニューヨーク・フィルの常任指揮者だったバーンスタインが涙を流して「これは強い生命の音楽だ」と絶賛したそうだ。
そして武満徹は世界的な名声を得るに至った。Img_4989その錦史の波乱の生涯を描いた伝記が『さわり(小学館刊)』という1冊。
コレを読んでビックリした。
錦史のライバルである「中村富美」という人の最愛の人の名前が「牛澤襄二」だっていうんだよね。
自分と同じ名字の人が本に登場したのはコレが初めてだった。
Img_4988_3さて、新中野の牛澤さん、「今回こそはお話をするぞ!」と意気込んでお店に行くと…お休みの様子。
残念!
ガッカリしつつ食事をした帰りに前を通りかかると、ご年配の女性がアイロンがけをしているではないか!
何の迷いもなくお店に入り込んで「あの、牛澤さんでいらっしゃいますよね?」と問うた。
するとかなり怪訝な表情をしながら「ああ、ハイ…」と答えてくれた。
「私も牛澤なんです。かなりの珍名なのですから、コチラの牛澤さんはもしや私の血縁ではないか?と以前からお話をしてみたかったのです」と伝えると、女性は一転して満面の笑みを浮かべて受け答えをしてくれた。
コチラの牛澤さんは元が仙台で、信州の更級郡吉原(現在は長野市)というところの出でいらっしゃるとのこと。
その方もやはり15代目とおっしゃっていた。
とにかく珍名どうし「牛澤」の話を「牛澤」にできたことがとてもうれしそうで、話がゼンゼン終わらず強引に切り上げて失礼してきた。Img_6407色々話を伺ったが、一番印象に残ったのは名字の話ではなくてクリーニング業の話だった。
最近はユニクロとかGUとか安い使い捨て的な衣料品が当たり前になっていて、高くても質の良いモノを買って、クリーニング店に洗濯を頼んで、長く大事に着るということがなくなった…と残念がっていらっしゃった。
今やお客さんはそういう昔からのお得意さんだけで商売は先細るばかり。
お店はその内畳むことになるだろう…オイオイ、豆腐屋や銭湯だけでなく、クリーニング屋もなくなっちゃうのかよ!と暗い気持ちになってしまった。Img_6408長い前置きゴメンなさい!
本当な名字全般についての話もしたかったんだけど、あまりにも長くなってしまうのでそれはまた別の機会に…。

さて、久しぶりのsimoのライブのオープニングはスケールの大きなギターの独奏から。
全国に149,000人いる「関さん」の関雅樹。
名字の番付は120位だ。20v「Yours」の軽快で愛らしいピアノのイントロを奏でるのは石井為人。
「石井さん」は全国で387,000人いらっしゃって番付は29位。
為人さんはsimo一番のポピュラーな名字の持ち主なのだ。70vいつもながらのドッシリとした低音が最高に気持ちよい宮野和也。
番付725位の「宮野」姓は全国で26,300人いらっしゃる。40vキタキタ~!久しぶりの「大二グルーヴ」。
岡井大二のドラムスはヤッパリ素晴らしい。
「岡井」さんは6,200人で2,310位。
ちなみに全国で290人しかいないとされる「牛澤」の番付は17,080位だそうです。
でも上に書いたように日本人の名字は約290,000種類あるというのでそれでもまだまだ上位の方なのよ。
50v関ちゃんがレイドバックした雰囲気のテーマを奏でてそのままソロへ。60続けて為人さんがオルガンで優雅なソロを聴かせる。30ノッケから「simo感」満点のパフォーマンスでこの日のステージは幕を開けた。802曲目は「Share」。
メジャーとマイナーを往ったり来たりしているような不思議なテーマ・メロディ。90vリズム・パターンは軽快なんだけど、大二さんのドラムスからは「厳格さ」みたいなモノがヒシヒシと伝わってくる。100v為人さんのピアノが美しく可憐に響くと…110関ちゃんの伸びやなギター・ソロが続いた。120v今日の関ちゃんのバックライン。130愛用の「SV20H」と2x12"スピーカーキャビネット「1922」。140v関ちゃんはペダル・ボードからボリュームをコントロールするボックスへ信号を送り、その後信号を分岐させてSV20Hの「HIGH TREBLE」のチャンネル1と2にインプットしている。150コチラは「JCM900 4100」のSTUDIOバージョン「SN20H」と2x12"スピーカーキャビネット「SC212」。
コレを終始クリーンにセットしてSV20Hとステレオで併用した。
このSN20Hって本当に音が良い。
とてもよくできているアンプだと思う。160vこうしてMarshallのSUDIOシリーズづくしで終始爽快なギター・プレイを聴かせてくれた。170「こんばんは、simoです!
平日の夜にもかかわらずたくさんお集り頂きましてありがとうございます。
明日は春分の日で世間はお休み…中日ですね」180v昼と夜の長さが同じ日のことを英語で「equinox(イクイノックス)」と言う。
だから春分の日は「spring equinox day」、秋分の日が「autumnal equinox day」となる。
で、ジョン・コルトレーンに「Equinox」という春も秋も感じさせない重苦しいマイナー・ブルースがある。190cdギターが好きならこの「Equinox」を聴くといいでしょう。
ラリー・コリエルとジョン・スコフィールドとジョー・ベックの共演盤『Tributaries』。
私も昔は夢中になってこういうヤツを聴いたものだったけどネェ…今は倍賞千恵子や由紀さおりの抒情歌の方が一番いい。200cd 「simoはこれまで銀座のお店に出ていたんですが、そこが閉店になってしまい、しばらくの間ライブハウス難民になっていました。
それで、『新中野にステキなお店がある』ということでコチラをご紹介頂きました。
これからは定期的にやっていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします」
だからMarshall Blogも久しぶりになっちゃったんだね。210ココでMarshallとNATALの紹介をして頂いた。
「今日はMarshall Blogの取材が入っています。
素敵な文章と写真で後日レポートされますのでお楽しみにしていてください。
それと、後で登場する森園さんもMarshallです」
ハイ、ありがとうございます。
素敵な文章かどうかはわかりませんが、今、この2,565本目の記事を一生懸命書いてております。220「何でも『サギ』という言葉をくっつけてよく『やるやるサギ』なんてことが言われておりますが、simoの場合は『書く書くサギ』。
新曲を『書く書く』と言っていてゼンゼン書かないんですよね」210v_3 …と関ちゃんに押し込まれてつい「次回は新曲を持ってくる」と宣言してしまった宮野さんをフィーチュアして「Koto」。
宮野さんの無伴奏のベース・ソロで曲は始まる。240vsimoのステージでは欠かすことの出来ないスタンダード・ナンバー。2501音たりともムダな音がないアルペジオを基調とした深みのあるソロだ。118a0085 大二さんはジャズ・ビートを繰り出した。260大二さんはNATAL(ナタール)。
12"、16"、22"のバーチのキットだ。
色がまたいいね。バーガンディという仕上げなの。
270スネア・ドラムもNATAL。
「ビーデッド・ハンマード・スティール(Beaded Hammered Steel)」という14"x6.5"のモデルだ。
音ヌケの良さは天下一品!280関ちゃんがおなじみのテーマ・メロディを奏で…290為人さんの雅なピアノ・ソロが続く。
いいナァ、為人さんのピアノは品があって。300宮野さんはテーマ・メロディを奏でてソロへ。310v関ちゃんはところどころアウト・フレーズを織り込みながらテーマを弾いた後、ワウ・ペダルを大胆に踏んだソロを展開して曲はクライマックスを迎えた。320v「我々simoはナンダカンダで10年ぐらいやっています。
それ以前はセッション形式だったんですが『バンドにしよう』ということで結成したんですね。
そして2023年の11月にファースト・アルバム『ROCK EXTRA』をリリースしました」118a0147 コレがその『ROCK EXTRA』。
レコーディングの時もスタジオにお邪魔させてもらったけど、アレから2年半経ったのか…。330cd「Pinky」はそのアルバムのリード・チューンとしてシングル・リリースされた。340cd ということで「Pinky」。
こうして改めて聴いてみると、「アンニュイなファンク・チューン」とでも言おうか、このムードはsimo独特のモノだね。
「身体の調子はあんまり良くないけど楽しくやってるゼ!」みたいな。345夜ごとピンクや紫のネオン街に消えて行く自分のお父さんの姿を思い出して関ちゃんがノスタルジックな気分で作ったという1曲。
そんな話を聞いたら何やら悲しい曲に聞えて来たぞ!350v「ロッド・スティック」って言うのかしらん?
大二さんは竹ひごで作ったスティックに持ち替え。
音は柔らかいがビートは凛々しい。
355vフワ~っとバンド全体を覆い尽くす為人さんのシンセサイザーが実に心地よいですな。360メカニカルにして奇抜なフレーズをつなげていく関ちゃん。370vMarshallとともに創り出す濃厚なギター・サウンドで会場をピンク色に染め上げた。380第1部最後の曲。
ア・カペラでエキゾチックなフレーズを奏でる。118a0246 為人さんがピアノで伴奏をつけると…400v大二さんがハイハットとバスドラムでそこに加わり…410宮野さんが低音を重ねて行く。420これまたレイドバックした雰囲気で始まった曲はビートルズの「Dear Prudence」。
関ちゃんはハイラム・ブロックが好きだからね。430vベース・ソロから…118a0044 為人さんのピアノ・ソロへとつないでいき…470関ちゃんのソロではベートーベンの「喜びの歌」を丸々引用するダイナミックなソロが披露された。118a0238 そして大二さんがシャープなスティックさばきで曲をクライマックスへ導いて…460v関ちゃんがひと節唸った!490vこれにて第1部終了。
ところで、この「プルーデンス」ってミア・ファローの妹さんのことなんだよね。
ミア・ファローってフランク・シナトラと離婚した後、アンドレ・プレヴィンと結婚したんだってね~。
知らなかった~。

simoの詳しい情報はコチラ⇒Seiki's Web480<後編>につづく
 
200(一部敬称略 2026年3月19日 新中野弁天にて撮影)