TRINITY UNITED <その1>~MOONSHINE
 
またまたやって来ました高円寺の「セントラルロード」。
前回、11月の初めに久しぶりに来た時、この通りに「シェア型書店」と呼ばれる古本屋が軒を連ねていることを発見し、読んでみたかった本をまんまとゲットしてとてもうれしかった。
となると、今回も当然期待に胸を膨らませて各店を覗いてみたのだが…残念!
ムムッ?
この左の焼き鳥屋「ディズ」っていうのか…。
まさか大将が昔ステファン・グラッペリのところにいたカナダ人のギタリスト、ディズ・ディズリー(Diz Dizley)のファンだっていうんじゃないだろうな?
私はファンではないんだけど、そうだとしたら今度ネギ間の1本も食べに行ってみるか?
 古本専門ではないが、このお店は「閉店セール」ということで色んなモノを店先に並べていた。
レコードをチラリとチェックしてみたところ、「おお!そういえば世の中にはこんなモノがあったっけナァ~」的な、なかなかエグいアイテムが揃っていて感心してしまった。
何年か前の私だったら数枚買っていたかも…でも、もう買わない。
こういうボウズの時は寂しいものでござんしてネェ。
エエイ!サッサとSHOW BOATへ行っちゃおう!
今日の高円寺SHOW BOATはコレ。
『TRINITY UNITED』と題したRAZOR HIGHWAY、SEVENTH SON、MOONSHINEによるトリプル・ヘッドライナー。
コレはこの日トップで登場したMOONSHINEの屋台村。
これまでに3枚リリースしているCDをド~ンとPR!
ジャンジャン宣伝しましょう!
その3枚とは『DEMO』と名付けたこの連作。
他では聴くことができない音源が3曲ずつ収録されている。
『TRINITY UNITED』スタート!
まずはMOONSHINE。
藤井重樹
河野充生
Charlie Tanaka
金光健司
1曲目は「Ride the Wind」。
『DEMO』の2枚目のオープナー。
まさに風に乗っているかのような疾走感!…イヤ、爽快感かな?
 まるで目の前の景色が変わっていくように場面が入れ替わる凝った作りの1曲。
いきなりゴキゲンなのである!
ゴキゲン続きなのは2曲目のギター・リフ。
コレは完全にCharlieのギターならでは!
曲は「折れた翼」。
歌のメロディがまた独特でいい感じ!
豊かな表情を見せる金光さんのドラムス。
藤井さんの熱唱と交互に現れる…
Charlieのソロ。
オリジナリティ溢れるフレーズを上質のトーンで鳴らしているのは…
Marshsllだ。
「JCM2000 DSL100EC」と「1960B」のコンビネーション。
Charlie愛用の「JCM2000 DSL100EC」。
「EC」とは「Extended Check」。
正面に張られた布、すなわちフレット・クロスの名前。
先週末に開催されたNAMMショウで発表したMarshallの新しいペダル・シリーズ。
何種類かのうちのひとつが「DSL」のサウンドを再現するモデル。
日本は世界で最もDSLの人気が高い国ですからね…DSL好きは要注目!
 河野さんが出す低音が心地よいテンポをさらに気持ちよく色付けする。
「改めましてMOONSHINEです。よろしくお願いします!
ロックンロールをプレイします!…しませんけど!
ヤメろや!…オレのMC!
2曲続けましたがいかがでしたか?
(大歓声)
素晴らしい…皆さんが素晴らしい!
イヤ、オレたちが素晴らしい!
今日は『Trinity United』ということで出演するのは3バンド。
最後まで楽しんでいってください!」
開放弦を思いっきり使ったリフは最初の『DEMO』に収録されている「嘆きと嘘」。
いいね~、日本語の曲名は。
まずそのギターに…
リズム隊がスッと入ってくるところがカッコいい。
そして、曲がハードに展開して藤井さん爆発!
コーラスがまたいいんですよ。
 曲はCharlieの弾くもうひとつのメイン・リフからガラリと表情を変える。
藤井さんがステージから下がり…
Charlieが思いのたけをタップリとギターで語って見せる!
やっぱりMarshallっていい音だな~。
次に藤井さんがタイトルをコールして始まった曲はどの『DEMO』にも収録されていない「くすんだダイヤモンド」。
ミディアム・テンポのちょっとファンキーなロック・ビートに合わせて藤井さんが小粋に歌う。
「♪く・す・み・か・け・て・る(ダイヤモンド)」
メンバー全員が4分のスタッカートで入れるコーラスがとてもオモシロイ。
 「♪ひ・け・ら・か・す・よ・な(輝き)」
コレは100とチョットしかないと言われる音韻の数が極端に少ない日本語だからこそ実現できるアイデアではなかろうか。
音韻というのは我々が言葉の中で使っている音のひとつのカタマリのことね…「あ」とか「じゃ」とか「ぴゃ」とか。
一方、まだ正確に数えた言語学者がいないものの英語の音韻の数は3,000以上あると言われている。
だからMOONSHINEがやっていることを英語でやろうとすればアルファベットを読むようなもの。
「くすみかけている」を英語で言えば「Almost dulling」ぐらいになろうか?
コレを「エー・エル・エム・オー・エス・ティー…」とやっていたら曲が終わってしまうゾ!
なんてMOONSHINEの魅力を言語学的に観察してみた。ナンチャッテ!
ちなみに、日本語に同音異義語が多いのは音韻が少ないため。
「橋」も「端」も「箸」も全部「はし」…コレが外国人が日本語を勉強する際の大きな障壁になっているらしいが、この少ない音韻数のおかげで日本語はダジャレがベラボーに発達したというワケ。
脱線終わり。
続けてCharlieのソロが猛烈に暴れまくる!
ロック・ギター・ソロのクリシェをすべて否定するかのような個性的なソロだ。

この曲は今回初めて聴いたが、イヤイヤ、コレはカッコいいですよ。
ナンカ、ドンドンいいのが出て来たね、MOONSHINE。
さては隠れていいモノを作っていたんだな?…MOONSHINEだけに。
来るアルバムのタイトルを英語にするのであればゼヒ『Speakeasy』にしましょう!
ココでCDの紹介。
 コレね。
 「物販のテーブルに今日ボクたちが演った曲がどのCDに入っているかを記したセットリストを出しておきます。
お気に召して頂いた曲が収録されてCDをお求め頂けましたらとてもうれしいです!
さぁ、ココらへんでチョット空気を変えていきますよ。
ジックリとお楽しみください!…『星のように』」
Charlieの泣きのギターによるイントロ。
とてもいい具合のクランチ・トーン。
金光さんが細心のスティックさばきで刻むワルツのバラード。
この曲も初めて聴いた。
ウ~ム、コレはいいメロディですよ。
そして、藤井さんの歌がこの曲のドラマを最高レベルにまで演出してしまう。
河野さんがベースで奏でるアルペジオをバックに…
情感を込めに込めたCharlieのギター・ソロがさらに曲をドラマチックに仕立て上げた。
続いては「がんじがらめ」。
この曲は以前から取り上げていたが、この度『DEMO』の「3」に収録された。
藤井さんのNight Buzz時代の1曲。
作詞は藤井さん、作曲は藤岡幹大。
私がかつて幹大ちゃんと親密に仕事をしていたことを藤井さんに話すと、ご親切にも2009年に録音したNight Buzzのこの曲の音源を持って来てくださった。
早速聴いてみると、やっぱり懐かしいね。
幹大ちゃんとは結構色んなことをやらせて頂いてとても楽しかった。
藤井さん、改めましてありがとうございました。
 して、MOONSHINEの「がんじがらめ」。
曲はそのままなんだけど、出て来ている音は完全にMOONSHINE。
4人の個性で別のモノを作り出した…という感じ。
藤井さんもさぞかし歌い甲斐があろうというモノぞ。
「2曲続けて聴いて頂きました…都合6曲聴いてもらいました。
そのウチ、CDに入っているのは3曲ですね…バランスがいい!
前回はCDのことについてあまり触れなかったので今日はしつこいぐらい言っています。
ゴメンなさいね!それだけ聴いて欲しいってことなのよ!」
「ちなみにCDに入っていない3曲は現在レコーディング中です。
もうベースとドラムスは録り終わっていま~す!」
と金光さんから業務連絡。
「ね、ボクのMCで足りないところを補って助け合っているように見えるでしょ?
違うんですよ!
アレは『歌が録音がまだ終わっていない!』って言っているんですよ!
あと8曲残っています!
しかも録り直しているし…自分ではいいと思ったんだけどウチのリズム・ポリスが…。
で、今年のMOONSHINEのライブは今日で終わりです。
残念ながら来年の早いところにライブの予定が入っていません。
なのでその間にレコーディングをしようかと思っています!」
と藤井さんが宣言すると、アレは誰だったのかな?…「当たり前だろ!」だって。
コレには吹き出してしまった!
モジュレーションをかけたCharlieのソフトなギターが一転して、これまた独特のリフでハードに展開するのが「引き裂かれた絆」…
なんともMOONSHINYな曲!
このゴリンゴリンと薬研で生薬を刻んでいるかのようなハードなバッキングのアレンジに藤井さんの声がおっそろしくマッチするんよ。
この曲は中盤でリズムが変わるパートがあるのね。
それがもうタマらん!
大層なリズムの変化ではなくて比較的チョットしたことなんだけど、コレは大変な効果を生んでいると思うね。
これは一体誰のアイデアなの?
Charlieのソロの間にもホラ、シャラっとリズムが変わってハッとさせられちゃう。
藤井さんの大シャウトも飛び出してどこまでもカッコよく曲を締めくくった。
「ありがとうございました!MOONSHINEでした。
あと2バンド、Seventh SonとRAZOR HIGHWAYが続きますので最後まで楽しんでいってください!」
出番の最後を締めくくった曲は「明日が壊れても」。
「MOONSHINEって例えて言うと誰みたいな感じ?」と尋ねられたらどう答えよう?
「MOONSHINEはMOONSHINE以外のナニモノでもありゃせんがね」としか返答のしようがないと思うんだけどどうだろう。
後は「大人が聴くロック」って言っておくか?
最後までそんな音楽を聴かせてくれた4人。
 
 
 
カッチリと締めくくってステージを降りた。
終演後の物販コーナー。
藤井さんがMCで言っていたように収録CDを記したセットリストが公開されていた。
<つづく>
 
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