LOUD PARK 2016 ~ Fury of Fearの巻
「シゲさん、決まりましたよ!決まったんです!!」
Fury of Fearのギタリスト、守くんからの電話だった。
いつの時かは正確に覚えていないが、電話口の向こうの守くんの興奮した様子はありありと覚えている。
「『決まった』ってナニが決まったの?公営住宅の抽選にでも当たったの?」
「イエイエ、LOUD PARKへの出演が決まったんですよ!」
「誰が?」
「イヤ、誰が…って、Fury of Fearがオープニング・アクトでLOUD PARKに出演できることになったんですよ!」
「エ~!Fear of Furyがッ?!」
…と思わずバンド名を間違えてしまうぐらい私も驚いたよ!
とにかく「おめでとう!」と伝え、電話越しではあったが、彼の感激のおこぼれを頂戴したのであった。
 会場はさいたまスーパーアリーナ。
会場はさいたまスーパーアリーナ。
ロビーにズラリと展示されたアーカイブ。
 実は…開催の3日前までどういうワケか、今回は幕張メッセだと思い込んでいたんだよね。
実は…開催の3日前までどういうワケか、今回は幕張メッセだと思い込んでいたんだよね。
それで、出演者に「今頃ナニ言ってるんですか!今年はスーアリですよ!」と正してもらって命拾いした次第。(ココにはサラっと書いたが、実はかなりビビった)
 オープニング・アクトの出番だからして、現場入りの朝は早かったけど、メンバーは元気イッパイ!
オープニング・アクトの出番だからして、現場入りの朝は早かったけど、メンバーは元気イッパイ!
「夢の舞台」に立って、「お~、デケェ!」と観客がまだひとりもいない客席を見渡して大感激。
ご存知の方も多いだろうが、LOUD PARKにはSUMMER SONIC同様、「ラウパ出れんの?」と銘打って、新人バンドへの門戸を開き、オープニング・アクトの出演者を一般から公募している。
こういうのはとてもいいシステムだと思う。
日本は残念ながら「前座」というシステムを止めてしまったが、海外ではまだ盛んに行われており、無名、あるいは新人バンドが栄光を掴む大きなチャンスとして扱われている。
そういうツアーを通して前座を務めるバンドのことを「Support Band」と呼ぶ。
2日間に分けて開催されるLOUD PARKのオープニング・アクト・バンドは初日と二日目の2バンドのみ。
Fury of Fearは何回かの審査を経て、100を優に超える応募者の中から選ばれた2バンドのうちのひとつになったのだ。
 「守くん、直人くん!」と呼びかけると、いかにも興奮を隠しきれないように、頼みもしないのに元気よくポーズを取ってくれた。
「守くん、直人くん!」と呼びかけると、いかにも興奮を隠しきれないように、頼みもしないのに元気よくポーズを取ってくれた。
この子たち、昨日眠れたのかしらん?
守くんはいつも1959を使っているのだが、今回は会場でMarshallをお借りしようということで、このJMP時代の2203と1960Bをご用意頂いた。
コレがまたすこぶるいい音だった!
Oさん、どうもありがとうございました!
 ドラムはNATAL。
ドラムはNATAL。
バーチの12"、13"、16"、22"というキット。
 9時半を過ぎ開場。
9時半を過ぎ開場。
おかげさまでもう何回もLOUD PARKにはお邪魔させて頂いているが、さすがに開場より前に来たのは初めてのことだった。
 今年も「ULTIMATE」と「BIG ROCK」のふたつのステージがセットされた。
今年も「ULTIMATE」と「BIG ROCK」のふたつのステージがセットされた。
 Fury of Fearの舞台は向かって左側のULTIMATE STAGEだ。
Fury of Fearの舞台は向かって左側のULTIMATE STAGEだ。
 出番の10時キッカリにFury of Fearの演奏が始まった!
出番の10時キッカリにFury of Fearの演奏が始まった!
 ふたりはこの日のためにわざわざアーティスト写真まで用意したのだ。
ふたりはこの日のためにわざわざアーティスト写真まで用意したのだ。
いよいよそんな気合をブツける時が始まった!
 ベースは西村歩(あゆむ)。
 ベースは西村歩(あゆむ)。
4人のメンバーのうち、3人が「西村さん」。OKAMOTO'SかROMONESのマネかと思ったでしょ?
さにあらず。
守くんと直人くんはアカの他人。
歩くんは守くんのお兄さんなのだ!
 ドラムはNAKED MACINEの石川達也。
ドラムはNAKED MACINEの石川達也。
先日、三宅庸介さんのStrange,Beautiful and LoudとMashaくんのSilexが同じステージに立つ機会があった。
その時、三宅さんがMCで、「今日の組み合わせはMarshall GALAのおかげ」とアナウンスしてくれたのね。
私はそれを聴いてすごくうれしかったのですよ。
世間から見ればMarshall GALAなんてチッポケなイベントかもしれないけど、それをやったことによってミュージシャン同士の新しい出会いが生まれたワケだから。
それは取りも直さず日本のロックに貢献できたとさえ思っているんだ。
そうしてMarshallを中心とした「ロックの和」みたいなモノが作れたらとてもうれしいな。要するに「Marshall Family」だ。
実は、この組み合わせもMarshall GALAが縁になっている。
Marshall GALAの時に守くんとMashaくんに組んでもらったThe Shred Mastersというバンドのドラムに欠員が出てしまったため、達也くんにお願いして掛け持ちで演奏してもらったのだ。
それが縁で達也くんが今日LOUD PARKのステージに上がっている…というワケ。
もちろん達也くんがNATALプレイヤーだったという縁でもある。
 持ち時間は15分。
持ち時間は15分。
泣いても笑っても2曲ポッキリの一発勝負!
1曲目は昨年の2月に発表したミニ・アルバム『CREST』から「Hunger never filled」。
 達也くんのドコドコから始まる急速チューン。
達也くんのドコドコから始まる急速チューン。
最後のWHITESNAKEまでどれだけのメタル・チューンが演奏されるのかは皆目見当もつかないが、LOUD PARK 2016の2日目の初っ端に披露されるに持って来いのナンバーではなかろうか?
本人たちは案外ケロっとした感じに見受けられたが、私なんか結構緊張しちゃってね~。
ナニせ自分の息子より若いからね。
もう、完全に親の気持ちよ。
 …というのも、前回Marshall BlogでFury of Fearのステージをレポートした時は守くんと直人くんのふたりだけだったでネェ。
…というのも、前回Marshall BlogでFury of Fearのステージをレポートした時は守くんと直人くんのふたりだけだったでネェ。
だから「LOUD PARK出演」の報を耳にした時も「メンバーどうすんのよ?!」という心配があった。
最終的に決めたメンバーとて歩くんは大阪在住だし…
 達也くんもNAKED MACHINEの他にもいくつもサポート仕事をしている売れっ子だ。
達也くんもNAKED MACHINEの他にもいくつもサポート仕事をしている売れっ子だ。
つまりリハーサルの時間もままならないのでは?
 なんて心配もあったにはあったが、演奏が始まった途端、そんなことが杞憂だったことがわかった。
なんて心配もあったにはあったが、演奏が始まった途端、そんなことが杞憂だったことがわかった。
もう、この時とばかりに若いパワーと勢いをブツけるサマは見事だった!
そして、守くんのソロ。
 将来どこかで誰かが、「ところでサ、2016年のLOUD PARKの二日目って、一番最初にギター・ソロ演ったのって誰だっけ?」なんて質問をした時の答えは、「ああ、Furyの西村守だよ」ってことになる。
将来どこかで誰かが、「ところでサ、2016年のLOUD PARKの二日目って、一番最初にギター・ソロ演ったのって誰だっけ?」なんて質問をした時の答えは、「ああ、Furyの西村守だよ」ってことになる。
オープニング・アクトの立場もなかなかに貴重なものだ。デビューした年にしか取れない新人賞みたいなもんだ。
オッシャ!
まずは無事に乗り切った!
 15分しかないのでMCなんかやってる時間はない!
15分しかないのでMCなんかやってる時間はない!
「ボクたち、Fury of Fearといいます!今日は名前だけでも覚えて帰ってください!よろしくお願いします。ア、ギター・アンプはMarshall。ドラムはNATALです!
それではボクたちのステージ、最後の曲です」
私が代わりにMCを今やっておいいた。
守くんのイントロですぐに2曲目へ!
 曲は「Tales of the End of the World」。
曲は「Tales of the End of the World」。
今年リリースした同名のミニ・アルバムから。
 この曲は知ってるんだ。
この曲は知ってるんだ。
「♪こがね虫は金持ちだ~」のようなメロディが初めて聴いた時に一発で耳に残ったのだ。
もちろん本人たちは「こがね虫」のことなんか考えていないんだろうけど、そういうことですよ。
つまり、今、音楽の多様性が広がっているようなイメージがあるけど、実は大勢のミュージシャンがよってたかって同じことをやっているに過ぎない。
ジャンルはイッパイあっても、メタルはメタル、J-POPはJ-POPと、その中でやっていることは全て同じで、オリジナリティを感じさせる音楽には滅多に出くわさない。
恐ろしく音楽が画一的なのだ。
とにかくみんな同じようなことをやっている。
ま、それが「ジャンル」ってものだけど、60~70年代のロックが育ちざかりの頃はひとつのジャンルの中にも色んなヤツがいたもんですよ。
それほど奇を衒わずして聴いた人の印象に残るということは大変なことだ。でも、人と同じことをやっていても何の意味もない。
歩くんは実は本職はギタリストでバークリー音楽大学のOBだ。
やっぱりYngwieが好きで、大阪では自分の音楽活動の他にギターの先生をされている。
この時が初対面だったんだけど、楽屋でユックリとおしゃべりする機会があって、とても楽しかった。
「今度はギタリストとしてまたLOUD PARKのステージに立ちたい」と言っていたのが印象的だった。
そのイキ、そのイキ!
いい音楽を死ぬほどたくさん聴いて、カッコいいロックをクリエイトしてもらいたい。
もちろんMarshallでね!
この曲でも守くんの火を吹くようなピッキングが大活躍!
会場の空気を切り裂く2203の音も文句なしだ!
Yngwieばりのアクションも忘れずにバッチリとキメて見せた!
 ナゼ、すぐに脱ぐ!?
ナゼ、すぐに脱ぐ!?
達也くんも大エキサイトだった!
メッセではなくて、スーアリだということを教えてくれたのは実は達也くん。
最近、本当に活動がにぎやかでオジちゃんもうれしい。
スゴイよ、達也くんは…。
来年の4月8日には大塚Hearts+で「TSUTAYA PARK」、ちゃうちゃう「TATSUYA PARK」とも言うべき達也くんのイベントが予定されている。  
もちろんNATALといっしょだ!
  
石川達也の詳しい情報はコチラ⇒facebook
 ナニも思い残すことなど恐らくないであろう大胆にして慎重なパフォーマンスを展開した。
ナニも思い残すことなど恐らくないであろう大胆にして慎重なパフォーマンスを展開した。
 「最後にゼッタイにコレをやる!」とキメてたんだろうな~。
「最後にゼッタイにコレをやる!」とキメてたんだろうな~。
まだ朝早いので満員のお客さんというワケにはいかないが、たくさんの「まもる」コールを浴びていた。
 こうしてFury of Fearは『LOUD PARK 2016』二日目のオープニング・アクトという重責を立派に果たしたのであった。
こうしてFury of Fearは『LOUD PARK 2016』二日目のオープニング・アクトという重責を立派に果たしたのであった。
出演&成功おめでとう!
  
【オマケ】FOFのLOUD PARK 2016アルバム
★チャンと楽屋が用意されていて、ドアには「Fury of Fear」の貼り紙が!
これだけでメンバーさん、大感動!
ところで、この貼り紙で初めて気が付いたんだけど、バンド・ロゴの「Fury」の「F」と「Fear」の「F」ってシンメトリックになってるのね?
 ★セッティング待機中の4人。
★セッティング待機中の4人。
アウェイ感バリバリで、まだ借りて来たネコのようにおとなしい。
 ★同じNATALプレイヤーのPONさんと…
★同じNATALプレイヤーのPONさんと…
PONさんはKUNIさんのバンドで出演した。(明日レポート掲載予定)
 ★この日のお弁当。
★この日のお弁当。
アレレ、違うバンドさんの分だ。
ナンチャッテ!私も最初の頃はよく間違えました!
 <つづく>
<つづく>
  
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2016年10月9日 さいたまスーパーアリーナにて撮影)











