曾我泰久 Special Birthday LIVE~GO! ROCK! <後編>
お正月恒例「曾我泰久バースデイ・ライブ」のレポートの<後編>。
ショウは中盤に入り、後はもうとにかくヤッチンに合わせて最後まで思いっきりノッて楽しんじゃえばいいだけ。
それではイってみよう~!…と思ったけど、止めた。
少しだけ水を差してみましょう。
放っておけば一日中座っていることも珍しくない仕事の環境ゆえ、今に始まったことではないんだけど天気さえ良ければなるべく歩くように努めている。
もちろん足腰が弱らないようにと、健康のためなのだが、大好きなロンドンの街を自由に、そして楽に自分の足で見て回りたいがための鍛錬でもあるんだよね。
片道約3.5kmをトボトボと歩いて行って、折り返し地点のブックオフで古本を見て帰って来るのが好きなコースのひとつ。
チェックするコーナーは「映画」と「音楽」と「歴史」と新書。特に探しているモノでもない限り、文学作品は吉村昭以外は滅多にチェックしない。もちろん100円のコーナー優先だ。
そして、ある日のこと…「音楽」のコーナーで下の雑誌を見つけて買って来た。
「Key Station #」という初めてお目にかかる日本のロックに関する音楽誌。
奥付けを見ると、2004年の10 月にこの創刊号が発売されいて、次号は翌年の1月発行予定というから季刊誌なのか…。
私は仕事の関係がない限り、新しい日本のロック系の音楽を自発的に聴くことは100%ないので、パラパラとめくって中身をサラっと見ても海から来たミュージシャンか、山にお住いのバンドかもよくわからない。
「新しい日本のロック系の音楽」と言っても15年も前の雑誌なのだが、私の場合、80年代のロックも新しい部類に入れいるので仕方がない。
それにもかかわらず買ってみたのは、何しろ表紙の「総力特集ザ・グッバイ (ナント20ページ!)」という表記が目についたからだ。
表紙をめくると「グッバイでいっぱい!!」なんてカラー・ページが出て来て、若き日のヤッチンの姿をタップリ拝見させて頂こう…と思ったら写真はココだけ。
20ページの特集は業界のファンや関係者が対談形式でTHE GOOD-BYEの魅力を分析する…というものなんだけど……。
"字が小さすぎて読めな~い!ってヤツね。ヤッチンにはナイショだよ"
このフォント、雑誌にはあるまじき低い級数でしょう。
それでも老眼鏡をかけて、歯を食いしばって読んでみると…本秀康さんと当該誌の編集長さんの対談。
この本さん(以下敬称略)という人はレコードコレクター誌で「レコスケくん」を描いている人だね?
『ALBUM』という作品について語っている部分をチョット抜粋させて頂くと…
本:そう、いい曲が多いでしょ?あと洋楽マニアが喜びそうなアイデアがコンセプトから曲作りにまでふんだんに盛り込まれてる。
スズキ:なんか一人一人もう音楽性が決まっちゃってて、やる曲もカラーが決まっているんだけど、それぞれが完成されているじゃない。
本:そうそう。
スズキ:特にヤッチンとか。
本:そうだね。ヤッチンがやっていることはアレはもうね、あそこまでやったらもう日本では受け入れられないよ。「Good Lovin'」とかあんなの洋楽でしょ、完全に。「Do you know my name?」と「FLUFFY DAYS」のメドレーのあの感じは今までなかったと思うんだよね。洋楽的すぎるというか、日本では。
この『ALBUM』というアルバムがリリースされたのは1988年のことで、その頃から日本の一般大衆はもう完全に「洋楽を聴かない」のが当たり前になっちゃっていたことがわかる。
アノね、言っておきますけど、日本人のポピュラー音楽は10000%洋楽に教わったんですよ。
こんなに難しいことを考えてTHE GOOD-BYEの音楽を聴いている人がいることにも驚かされるが、なるほど…という部分もあるな…。
「なるほど」と思うのは「だから私もヤッチンの曲が好きなのか…」ということ。
私の人生、自分の趣味で聴いて来た音楽は、クラシックやジャズも含めて90%ぐらい洋楽なの。
イヤ、もっとかも知れないな。
ショウの後半は、そんな私が好きなヤッチンの曲が目白押しなのだ!
ギターを降ろしてシットリと歌った後は「Over the blue」。
この曲、今日はずいぶんと浅いところでの登場だ。いつもはアンコールとかもっと後半に出て来るもんね。
お客さんはホッコリ・ムードでヤッチンを盛り立てる。
ヒロアキくんのMarshallはJVM210Hと1960A。
"大きく見える!お、新色?"
"いつものブラック"
ファンキーさんの歯切れのよいドラミングからスタートしたのは…
その低音サウンドを支えているのはEDEN。
WT-600とD410XSTが2台の組み合わせ。
しかし、この曲でのお2人のコンビネーションは素晴らしすぎる。
安心してノッていられるって感じ?
ファンキーさんの「♪タンタンタタタンタツツタツタタン」のパターンが聞こえて来た!
あ、言っておきますが、私チャンと譜面を書くことができるし、結構書くのもスキですから。
でも反対に読むのは大キライなのです。
コレは譜面を書くのと読むのとでは使う脳ミソの場所が違うかららしい…なんて話を聞いたことがある。
「♪子供のころは~」…「アポロでドライヴ」はとても好きな曲。
あ、とうとうギンギラのジャケットを脱いだ!
「やっと脱げるタイミングが来た!」
中盤から7曲ブっ通しだったからね!
「ソロソロ終わりに近づいてきました!皆さん、タオルの準備はできていますか?着てるモノでもいいですよ!投げた時に隣の人に当たらないように!」
さすがヤッチン!気配りがスゴイ!
もちろん曲は「Yes! Yes!! Yes!!!」。
1回目の「ナイス!」
実は「ナイス」の写真を撮るのはムズカシイんですよ。
ナゼかと言うと、皆さんがタオルを投げた瞬間に必ず照明を明るくするでしょ?
暗くても明るすぎてもウマく撮れない。その光の量を予想するのがムズカシイ。
やっぱりこうしたお客さんと息の合ったパフォーマンスが期待できる曲は楽しいね!
レンズを換えて2回目の「ナイス!」
はい、またうまく行った~!
最後の「ナイス!」。
回数を重ねるにしたがって、投げるタオルの高さが増していくのは人情というモノか?
去年はオープニングだったこの曲。
今年は本編の最後に持って来たよ!…「ナイス!」
ココでもヒロアキくんの必殺のソロ!
ファンキーさんが向こうから見てる。
ヤッチンのお供をしたのはMarshall。
"大きく見えるね、Marshallは…ココ、ヤッチンが生まれる1年前からギター・アンプを作ってるんだね"
アンコールは今日のイベントTシャツに着替えての登場。
「皆さま、ありがとうございました。去年も楽しかったけど、今年は本当に最高のスタートとなりました。
去年の『55』のように、今回は特に節目の年ではありませんでしたが、明日からは『GO! ROCK!』でいきます!
型にはハマらず、やりたいことをやります。
たった一度の人生、人のためでなくて、自分のために楽しみたい。
『GO! ROCK!』の一歩が踏み出せました!」
この曲なんかは今日の記事の冒頭の対談の「洋楽云々」という部分が実にうまく出ていると思う。
私世代で『Rubber Soul』なんかも含めて比較的に熱心にビートルズを聴いている人なんかは、このコーラスとサビの対比なんかはすごおもしろく感じると思うんだよね。
ヤッチンの音楽的センスのスゴイところでしょう。
ヒロアキくん、LAにこのTシャツを持って行って「I LOVEヤッチン!」ってやってくるそうです。
ココでもう一度sourcesのヴァイオリンの2人が登場して最後のフル・メンバー。
曲は「ロマンティックゲーム」。
コレもサビがいいんだよ。
楽しいな~!
最後もビートルズ好きにはこのサウンドの雰囲気がタマらない「21st Century」!
最後までゴキゲンなステージ。
その大きなカギのひとつを握っているのが和佐田さんベース!
ギターだけでなく多くのコーラス・パートを完璧にこなしたヒロアキくん。
自分のコンサートでコーラスを演ることはまずないからね。
スゴイ活躍ぶりなのだ。
スネア・ドラムのバッター・ヘッドが破れてしまったファンキーさん。
誰にもわからないように最後まで叩き切ったのは百戦錬磨の超ベテランのなせるワザ!
「ありがとうございます!今日皆さんから頂いたパワーを小出しにして行きたいと思います。
お忙しい中お越し頂きありがとうございます!ボクはシアワセ者です!」
また来年も「明けましておめでとう!」でお会いしましょう!
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com