NAKED MACHINE 10th Anniversary~ROCKMAYKAN FINAL SPECIAL GIG<後編>
さて、NAKED MACHINEの10周年を記念した目黒鹿鳴館での最後のステージも後半に入る。
本間さんのドラム・ソロ。
啓祐さんのベース・ソロが続く。
本間さんと啓祐さんの緊張感あふれるコンビネーション・プレイ。
そして、2人が丁々発止とせめぎ合う…
スリル満点のコール&レスポンス!
リズム隊の演奏に続いて源ちゃんのワウワウ・ペダルを使ったア・カペラのソロに入る。
ピックを口にくわえて…
無伴奏ソロの時の源ちゃんのトレードマーク。
右手で弦をミュートしての大トリルだ。
延々と続くこのプレイを観ていると、ギターの心得のある人は漏れなく左手の甲の筋が重くなることだろう。
そこから猛烈なシュレッディング。
ただ速く弾くだけでは決してない。
源ちゃんのソロはいつでもフレーズの組み立てが巧妙で実にメロディアスなのだ。
加えて素晴らしいのは、容赦なくガシガシとピッキングの音を発しながら飛び出してくるギターの音。
非の打ちどころのないロック・ギター・サウンドだ。
どんなギター・アンプを使っているのかと思ったら…やっぱりMarshallだった!
なんてシラジラしいことを書いてスミマセン。
源ちゃんが使っているのは「JCM2000 Dual Super Lead 100」と「1960A」。
「Lead」っていうのは「ギター用」という意味なんだよ。
完全なアナログ・サウンド。
これこそが「真に魅力的なギターの音」なのだ。
そして啓祐さんと本間さんが加わって「ATTACK OF THE ALIENS」。
遠慮無用、愉快痛快、融通無碍、勇猛果敢、電光石火、疾風怒濤!
源ちゃんソロのレパートリーだけあって弾くわ、弾くわ!
大胆にして緻密な鉄壁のプレイにお客さんも大よろこび!
お召し替えをしてきたKANちゃんがメンバーを紹介。
「スゴかったでしょ?みんなのソロ。
啓祐さんは以前、『オレはいいよ』とか言っていたのに、今はちゃんと演奏を録音してきて『こんな感じで演りたいです』って言ってくれるんだよ。ナンカうれしいよね!」
さすが啓祐さん!
「今日のライブも真ん中あたりまで来ましたが、皆さん楽しんでますか?
疲れちゃったら水分を摂ったり、おトイレに行ったり、自由に過ごしてね。
無理のないように楽しんでください。
私たちもメチャメチャ楽しんでいます。
今日という日が来るまで、みんながいっぱい応援してくれていたのがすごく身に染みました。
SNSで宣伝をしてくれたり、どこかでお会いすると『楽しみだね!』って言ってくれたり、そういうことがすごく力になった10ケ月でした。
今日を迎えられることができて本当にうれしいです。
ありがとうございます」
「本間さんがこうやって元気に戻って来られたのも本当にうれしい限りです。
皆さんご存じの通り、我々は本間さんがいらっしゃった『EZO』の曲をいつもうれしく演奏させてもらっています。
実はEZOって日本でツアーをやっていないんですよね。
それならNAKED MACHINEでEZOの曲を演奏したらいいんじゃないか?ということでいつも次の曲を演らせて頂いております」
本間さんとEZOに尊崇の念を込めて…
「Fire Fire」
超重量級のビートに乗ってKANちゃんが「♪Fire, fire」と歌うと…
源ちゃんがまさに炎のようなソロでどこまでもハードに、そしてヘヴィに曲を仕上げた。
続けて「TRUST ME」。
ギターを持ち替えた源ちゃんのアルペジオで…
KANちゃんが哀愁のメロディを歌い上げると…
世界は一変!
いかにもNAKED MACHINEらしいドライビング・チューンと化して爆走する!
そしてもう1曲、「TRAITOR'S GATE」につなげた。
KANちゃんが歌う歌詞と…
ワルツのリズムに乗った…
おどろおどろしい曲の雰囲気がベスト・マッチする!
その雰囲気を更に色濃くする源ちゃんのギター・ソロは途中の転調も効果抜群だ!
「地獄の時間が終わりました。
今の曲はどうしても心が熱くなってしまって頭を振り上げてしまうんです。
『TRAITOR'S GATE』というのはイギリスの『ロンドン塔』にありますね。
前にも説明したので知っている人もいらっしゃると思いますが、アン(・ブーリン=ヘンリー8世の2番目のお妃)という首を斬られて処刑された王女様のお話です。
私たちもよく取り上げて頂いているMarshall Blogがもうすぐ2,500回更新というおめでたい日を迎えるんですが、それを書いている牛澤さんが、一緒にお食事した時に『TRAITOR'S GATE』のお話をしてくれたんです。
それで『あ~、コレはイメージの沸くお話だナァ』と思ったところ、源ちゃんがちょうどこういう感じの曲を作ってくれたんですね。
NAKED MACHINEの場合、だいたい曲が出来た時にはまだ題名がなくて、私が歌詞を作ってから題名が付けられるんですが、この曲だけは最初から『曲名はTRAITOR'S GATEにしてください!』というオーラを持っていたんです。
色んな本を読んだり、映画を観たりして、ドラマチックな曲にしたのですけれども、この曲は好きな曲のウチの1つです。(筆者註:「traitor」は「裏切り者」という意味ですが、夏目漱石は1905年の短編『倫敦塔』も中で「逆賊門」という訳語を当てています)」
ご紹介ありがとうございます。
アン・ブーリンについてはココに詳しく書いておいたので興味のある方はゼヒどうぞ。
KANちゃんはもちろん既に読んでくれているとは思うけど、今回大分加筆をしたのでもう一度読んでみて!
↓ ↓ ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.63~ヘンリー八世と六人の妻 <その3:アン・ブーリン>
「これからもたくさんの曲が生まれてくると思うのですが、今、観てくれているみんながいないと私たちはドンドン前に進むことができません。
今日は来てくれて本当にありがとうございます」
曲が出来したとしてもボツになることも多く、次の曲を「今のところ公の場で演奏できる一番新しい曲」と紹介した。
アルバム未収録の「勿忘草」。
コレは昨年の6月、同じ目黒鹿鳴館での『SPECIAL GIG』の際、第1部の「Meet & Greet」に参加したお客さんに配布されたCD。
曲はしめやかに始まる…が、バラードと思ったらトンデモナイ!
すぐに大爆発!
その正体はまるで高速道路を測定不能の速度でスッ飛んでいく重装甲車のようなドライビング・ナンバーなのだ!
この疾走感!
スカッとしたゼ!
続けて「MONOCHROME HEART」。
マシンガンから放たれた無数の弾丸のようなリフ!
提示されたギター・リフを驀進させるストレートなリズム!
そこへKANちゃんがひと節唸る!
この演奏を聴いて快感に思わないロック・ファンはまさかこの世にはいまい!
「ノッてるかい!?
私たち、元気はとてもいいんですがそろそろお別れの時間が近づいてまいりました。
アハハハ!楽しい時間はあっという間だね。
開演前はずいぶんお待たせしちゃったけど、始まってしまうとアッという間です。
前回もココでも同じことを言いましたが、ワンマンをやるたび度に『1日持つのであろうか?』とすごく不安な気持ちになります、
でも、こうして演ってみるとまだまだ歌い続けたいくらいの元気が残っています!
それはすべて皆さんのおかげです!」
「15:30からミニ・ライブから始まってココまで演ってきましたが『NAKED MACHINE10周年ライブ』、そして『鹿鳴館ラスト』…皆さま、今日は最後までありがとうございました!
また新しい鹿鳴館になったら、そして他のハコでもNAKED MACHINEとココにいる人たちがまた同じ時間を過ごせたら幸せです。
これからもゼヒよろしくお願い致します!
私たちはドンドン前に突き進んでいきましょう!」
残り2曲のウチ、まずは「VANITY OF THE WORLD」。
これまたNAKED MACHINEのキラー・チューンのひとつ。
もう盛り上がりに歯止めがきかない!
そして、いよいよ本編最後の曲。
「GLORY DAYS」をバシっとキメて有終の美を飾った!
こうして客席からの大きな大きな歓声を後にしてひとまず4人はステージを後にした。
アンコール。
「僭越ながらアンコールにお応えしたいと思います」
メンバーを紹介してから本間さんにひと言求めた。
「みんな、本当にどうもありがとう!」と感謝の言葉と腰痛で延期になったお詫びを述べ、作品作りにかける思いの丈を語った。
アンコールの1曲目はDIOの「WE ROCK」。
この曲、昔ナニかのイベントでKANちゃんが歌っているのを聴いた記憶があるような気がしないでもないような気がする。
だから余裕のメロイック!
「今、カバーを演ったからね。これだけじゃ終わらないよ。
もう1曲、スペシャルゲストをお呼びしたいと思います。
みねちゃーん!」
NAKED MACHINEのオリジナル・メンバーでこの日DJを担当した峯村""Ruzer"武憲登場!
「本当に次の曲で終ろうと思っておりますが、皆さん長い時間立っていて疲れたと思います。
本当にありがとうございます。
ユックリではありますが、NAKED MACHINEは皆さんの応援があればこれからもドンドン前に進めると思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
もっともっと応援してくれるかいッ!」
客席から盛大な賛同を得て…
代表曲のひとつ「FIGHT TO SURVIVE」でNAKED MACHINEの10周年を記念するステージの最後の最後を飾った。
BC RICHを下げた峯村さんの雄姿、なつかしい!
「マー索くん」で調べてみると、峯村さんが参加しているNAKED MACHINEの記事が最後にMarshall Blogに掲載されたのは2017年8月29日のこと。
だから8年以上ぶりのご登場だ。
「みんなで一緒に!」
「♪Fight」
「♪Survive」
「♪Alive」
とても楽しそうなKANちゃん。
啓祐さんはドラム・ライザーに上がって迫力の低音を叩き出した。
まさに佳境。
盛り上がりに盛り上がって~…
終了!
NAKED MACHINE、10周年おめでとうございます!
そして、こうして目黒鹿鳴館の舞台に別れを告げた。
「どうもありがとうございました!」
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
NAKED MACHINEは今週の土曜日、RAZOR HIGHWAYやてらちんらと共に新宿のステージに姿を現す。
コチラもどうぞよろしく!
<おしまい>
