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2015年4月 5日 (日)

【号外】4月5日 <改訂版>

4月5日…今日は何の日だ?
「父の日」?イヤイヤ、父の日は6月の第三日曜日でしょ。まだ早い。

同じ「父の日」でも4月5日は「爆音の父の日」なのだ!
つまり、Dr. Jim Marshall OBEの命日だ。
ジムは3年前の今日、天国に旅立った。
そして、今日も世界中のあちこちでMarshallが爆音をブチかましている!

下の写真は、Marshallの工場があるミルトン・キーンズの公園にある「MK Rose」と呼ばれている世界中の記念日が記されたオブジェ。
4月5日は「爆音の父の日」だ!
Fld_2 ジム、安らかにお眠りください。
あなたから頂いた「Shige Award」のトロフィー、大切にしています!

5_img_0397 …ということで、たくさんのMarshall Loverが天国にジムに向けて弾き狂っております!

ちなみに日本では母の日は5月の第二日曜日だけど、イギリスの母の日は3月で、毎年週が変わるそうだ。今年は15日だった。来年は6日なんだって。

2015年3月20日 (金)

【号外】Kelly SIMONZ~New DVD 『HOLY WINTER LIVE 2014』発売!

過日Marshall Blogでレポートした、昨年末に開催されたKelly SIMONZのクリスマス・コンサート『HOLY WINTER LIVE 2014』。

10_2そのもようを収録した同名のライブDVDが発売された!
30

コレがそのDVD。
正式なタイトルは『TOKYO KINEMA CLUB "THE 8TH" HOLY WINTER LIVE 2014』。
110分で25曲が収録されている。
ジャケットがいいね~!写真がいいね~!
Marshallの壁をバックにピックを持った右手を高く上げるKellyさん。
雪がスゴイ!実際にはこんなに降ってなかったんですよ~。
40v_3
ディスクはピクチャー仕様。
内ジャケに使われている写真もいいね~。しっかりとMarshallウォールが写り込んでいて雰囲気タップリ!
誰が撮ったのかな~?
Kellyさん、ありがとう!
50
何しろ110分にわたってKelly SIMONZの魅力がテンコ盛りだ!
Marshallの壁だけでなく、次々と持ち替えるギターにも注目。
それにしても、やっぱりロック・コンサートのステージはMarshallの壁だね~。

最近はヘビメタのバンドのコンサートでもステージ上にアンプを見かけないケースがあるようだが、信じられんよ、まったく。
あまりにもステレオタイプ丸出しなことを言うのはヤボなのでイヤなんだけど、やっぱりホンモノのロック・ギターはオール真空管のギターアンプのサウンドに限るよ。そして、Marshallの壁。
これでキマリ!
♪Who could ask for anything more?
20

さて、このDVDには当日ステージに登場した9歳のギタリスト、Keiji by ZEROの演奏も収録されている。

60v_2そのkeijiくん、ナント、明朝(21日)テレビに出演する!
番組はTBS系列朝8:00の『知っとこ!』。
「世界の朝ごはん」のヤツ。
楽しみだ!

Keiji by ZEROの詳しい情報はコチラ⇒Keiji by ZERO facebook

70Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

HOLY WINTER 2014のレポートは…
<前編>はコチラ
<後編>はコチラ

80じゃ、明日の朝ね!

2015年2月14日 (土)

【追悼】シーナさんのこと

ハァァァァ…。
深いタメ息をつかないではいられない。
まただ…また日本のロックは貴重な財産を失った。
まったく信じられないことなのだが、SHEENA & THE ROKKETSのシーナさんが2015年2月14日朝、天に召された。
340v
SHEENA & THE ROKKETSのステージに初めて接したのは約35年前、私が高校生の時分だった。
すなわち、SHEENA & THE ROKKETSがデビューして間もない頃だった。
鮎川さんにMarshallをご愛好して頂いていることもあって、私は幸いにもおふたりと関わりを持つことができた。
このあたりのことはMarshall Blog『鮎川さんとMarshallとわたし』に詳述してあるので是非ご覧頂きたい。

160v SHEENAさんと鮎川さんは35年の間、猛然とロックし、ロールし続けた。
そして、昨年の9月13日、SHEENA & THE ROKKETSは日比谷野外大音楽堂で華々しく35周年記念のコンサートを開催した。
写真はその時の模様だ。
10_2
訃報を拝見すると、SHEENAさんはこの時すでに体調が悪かったのだという。
楽屋でご挨拶した時も、ステージに登場した時も、そんなことをまったく感じさせない、いつも通りの「ダイナマイトの塊」のようなSHEENAさんだった。

300v普段と変わらぬ鮎川さんと完璧なコンビネーションでSHEENA & THE ROKKETSのレパートリーを次から次へとこなし、満員の客席を沸かしに沸かしたのだ。
あれから半年も経っていないのになんでこんなことになるのだろう?おかしいよ!

120
コンサートの終盤のMCでシーナさんはこう話した…「みんなのおかげでここまで来た。ありがとう!ロケッツ最高でしょう!私の夢をありがとう!みんな夢を持って頑張ってね!私みたいに夢を忘れないで!ロックをずっと好きでいてね!」
まだまだこれからだったのに!
210_2
実はこの時、私はSHEENA & THE ROKKETSのコンサートにお邪魔するのはすごく久しぶりだった。
「これは絶対に取材しておかなくては!」という妙な使命感みたいなものが湧きあがって来て、居ても立ってもいられない気分になったのだ。
しかし、取材許可の連絡を取ろうとしても、存じ上げているスタッフの方々も以前とは変わってしまい、どうにもならなかった。
それで、ダメで元々、真っ向勝負でウェブサイトを通じてコンタクトしてみたところ、鮎川さんが快く取材の許可をMarshall Blogに与えてくれたのだ。
「虫のしらせ」というのは科学的にはありえないとされているが、今となっては信じざるを得ない。
本当にお邪魔させて頂いてよかった。

拙い内容で恐縮だが、そうしてこの素晴らしいコンサートの模様をMarshall Blogでレポートさせて頂いたことをとても光栄に思っている。
ご覧になっていない方はもちろん、すでにご覧になった方々も再読してSHEENAさんを偲んで頂ければ幸いである。

【SHEENA & THE ROKKETS 35周年記念特別企画】
ROKKET RIDE TOUR @ 野音 <前編>
ROKKET RIDE TOUR @ 野音 <後編>
320_2
またひとつ日本のロックは「ロック」から一歩遠ざかってしまった。
しかし、SHEENAさんの「ロック魂」と「ロックへの愛情」は永遠に不滅なのだ。

SHEENAさん、夢をありがとう。安らかにお眠りください。

330v

 

 

 

2015年1月15日 (木)

【号外】 Happy Birthday Zakk!!

アメリカのアーティスト担当、ADMF、イヤ、Mick Bowcottからこんな写真が届けられた。アメリカ時間の今日、1月14日はZakk Wyldeの誕生日なのだ。
Zakkへのバースディ・メッセージが転送されてきたというわけ。

『アンプ大名鑑[Marshall編]』のNickの前書きにも記してあるように、NickはADMF。私はTDMF。
これらのオリジナルは向かって左のヒゲのオジちゃん、SDMFだ。
JimはさしずめBDMFかな?

それにしても…どうしても目が行ってしまうのはJim。
もう晩年の姿なのだが、スゴイと思わない?
普通のおじいさんだったら、趣味の盆栽かなんかをバックにした写真が相場というところだろう。
88歳にもなられてZakk Wylde本人とZakkのSignature Marshallの壁、それに元Grim Reaperのギタリストと記念撮影だよ。Jimにとっては1959が自慢の盆栽だったんだろうナァ。
ロックを変えた男は死ぬまでロックと一緒だったのだ!

イカンイカン、ついJimの話しになっちまった!

Happy Birthday Zakk!!

ゲ、私より5つも年下かよ!

Zw

2015年1月 1日 (木)

謹賀新年 2015

05
明けましておめでとうございます

Marshall Blogをご愛読頂いている皆様方におかれましてはおめでたいお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年はMarshall、NATAL、EDEN並びにMarshall Blogをお引き立て賜り心より御礼申し上げます。

10おかげさまでMarshall Blogは、若干の変則更新は余儀なくされたものの、昨年も何とか毎日更新を果たすことができました。
数えてみるに、去年1年でコンサート会場に足を運んだ回数は155回。「2.4日に1回」という計算になります。
この場をお借りしましてご協力を頂戴しましたご関係の皆様には厚く御礼申し上げます。

20ここ1年チョットはEDENとNATALという新しい仲間も加わり、ますます活動範囲が広がりました。
50
特に日本初上陸を果たしたNATALは、プロ・ドラマーの皆様から期待をはるかに上回る好評を頂戴し、自分でもかなり驚いております。
まさか、この歳になってドラムの仕事に携わるなどということは、数年前はまったく予想だにしなかったことでしたが、コレが実際にやってみると面白い…というかやりがいがあるという…ま、大変だったけど!

40年末、ジムのことでチョットいい話しが舞い込んできたのでここにご紹介しておきましょう。

65 発信元はNick Bowcott。
ニックは先月上梓した『アンプ大名鑑[Marshall編] (原題『The History of Marshall  The First Fifty Years』』の共著者です。
彼は80年代のNWOBHMの旗手、Grim Reaperの創始者で、バンド活動から離れた後、その技術的なノウハウや人脈を活かしアメリカでMarshallの仕事をしていました。また、米『Guitar World』誌のプロの機材のコラムでその名前をご覧になった方も少なくないでしょう。
後に2000年代に入り、Marshallの職を辞しF社へ転職してしまいました。
ところが、ジムは長年にわたりMarshall社に大きく貢献したニックを称え、Marshallから離れていた時期も欠かさず自分のバースデイ・パーティにニックを招待していました。
そして、ある年のパーティでのこと…

60vbニックはジムの変わらぬ友情に感謝の意を表すため、ジムのポートレイトが描かれたこの特製のギターをパーティに持参にジムにプレゼントしたのです。
ジムは大層よろこんだとのこと。

70そして、そのギターは、Spinal TapやZakk Wyldeのギターと共に工場のミュージアムに飾られています。
…というちょっとハートウォーミングなお話し。

3_img_0097 今年も、Marshall、NATAL、EDEN、そしてMarshall Blogを何卒よろしくお願い申し上げます。
80
※Marshall Blogは6日より更新します。

 

2014年12月25日 (木)

Merry Christmas from Marshall!!

みなさん、楽しいクリスマスをお過ごしのことと存じます。
日頃よりMarshallをお引き立て頂きまして誠にありがとうございます。
イギリスから皆さんへクリスマス・カードが届きました!

Merry Christmas!!

3_merru3_2





 

2014年12月21日 (日)

【追悼】KAZ南澤さんのこと

12月20日早朝、KAZ南澤さんが亡くなられた。
予てより闘病中とはお聞きしてはいたが、突然の訃報に驚いた。
私はKAZさんとはほんの数回お会いしただけで、エラそうにここに追悼文を掲載する資格はないかもしれないが、才能ある音楽家をまたひとり失ったことに関する残念な気持ちを書き表さないではいられないし、Marshallをプレイして頂いたファミリーの一員に敬意を示さずにはいられないのである。

10KAZさんに初めてお会いしたのは2011年5月2日。仙川のKICk BACk CAFEでのことだった。

2_img_0552 それは伊藤広規さんが企画する東日本大震災のチャリティ・イベントだった。

20vまさにいぶし銀の唄とギターで満員のお客さんを唸らせたKAZさん。

30vリズム隊はA*I。
広規さんと…

40v青山純さんだった。

50_2当日の出演者全員で演奏したThe Bandの「The Weight」は涙もののパフォーマンスだった。
この時、KAZさんはMarshallのVintageModernのコンボ、2266Cを弾いてくださり、大層お気に召して頂いた。
終演後、KAZさんとMarshallの話しをした。
KAZさんは『The History of Marshall』の原著を読んでくださっており、その頃発売になったJim Marshallの半生記、『The Father of Loud(爆音の父)』の翻訳の仕事がしたい…とおっしゃられていたのをよく覚えている。

60_2それから半年もしないうちにKAZさんと再会する機会が訪れたのは『いわき街なかコンサートin平』の時のことだった。

2_img_0003 2011年10月16日、ステージはメイン会場のいわきアリオス。

70_2森園勝敏、中村哲、そしてここでもリズム隊はA*Iという超豪華メンバー。
100v

110
持ち時間を大幅にオーバーする熱演で、本当に素晴らしいショウだった。

80vその名演は伊藤広規& His Friendsという名義で『Relaxin' at IWAKI ALIOS』というライブ・アルバムとなった。
「伊藤広規& His Friends」は森園さんの発案で、アルバム・タイトルは私が提案させて頂いた。
40近くの候補を上げた中から選んでいただいたものだ。出自は「Relaxin' at Camarillo」。Charlie Parkerの代表作でもある「C」のブルースだ。
達人だけがクリエイトできるレイドバックしたあの素晴らしい演奏に「Relax」という言葉がピッタリだと思ったのだ。

90cd私は、撮影した写真を使用して頂いただけでなく、アルバムのライナー・ノーツを書かせて頂くという僥倖に恵まれた。

93liner「好きなだけ書いていい」とのご指示を頂戴し、1曲ずつの解説を交え、アッと言う間に9,000字も書いてしまった。
あの演奏に言及し出すと筆が止まらなかったのだ。

95linerSteve Millerの「Baby's Callin' Me Home」で始まったこのステージ…

120vRascalsの「Groovin'」やKAZさんのオリジナル曲も演奏され、まさに「音楽を聴いた~」という充実のステージとなった。

130vこの時もKAZさんは2266Cを使用し、四人囃子の「Lady Violetta」ではシブ~いギターソロを聴かせてくれた。
そういえばこの時、どなたかがおいしい日本酒を差し入れてくれて、開演前にみんなで結構飲んだんだっけ。

140さらに1年後の2012年10月20日、またしてもいわきアリオスでご一緒させて頂いた。

2_img_0667 楽屋にご挨拶に行くと、KAZさんは一番奥の窓際に座っていらして、ニコニコしながら元気に「オーっす」っと挨拶し返してくれた。

150この時は森さんは不参加で、ギターはKAZさんおひとり。

160v唄にギターにとKAZさんは溌剌としたパフォーマンスを披露してくれた。

170v当然この時もリズム隊はA*I。

180v結局、私はKAZさんもアオジュンさんも、演奏に接するのはこの時が最後になってしまった。

190vこの時はVintageModernのハーフ・スタックをご使用頂き、バリバリとソロを弾いてくれた。
とにかくKAZさんは隅々まで心を込めて丁寧に歌い、そしてギターを弾いていらした。それは、もはや「好き」を通り越した、生半可ではない音楽へのリスペクトの表れであり、ものすごい「気迫」に満ちたものであった。
また日本の音楽界はひとつの宝を失った。

210v

KAZさん、素晴らしい音楽をありがとうございました。

200どうか安らかにお眠りください。

220v(一部敬称略)

2014年12月20日 (土)

【号外】プロジェクトM~Marshallを著せ!

予てより大騒ぎしておりました新しいMarshallの本、『アンプ大名鑑 [Marshall編]』が昨日発売となった。
予定通りの発売となり、ひとまず胸をなでおろしている。
おかげさまでたくさんの予約も頂戴し、ライブ会場限定での先行発売でも大好評を頂いた。
すでにお買い上げ頂きました皆様、これからご購入を予定されている皆様には心から感謝申し上げます。

私は「監修」という大役を仰せつかり、当書の制作他の業務に参画させて頂いた。
すでにMarshall Blogでは制作レポートを掲載したが、こうした機会は滅多にないので、完成を見た現在、プロジェクトを振り返りながら今一度本書をご紹介させて頂きたい。

10v 本著は1993年に上梓された『THE HISTORY OF Marshall』を大幅に改訂・増補した『THE HISTORY OF Marshall THE FIRST FIFTY YEARS』の日本語版だ。
前著はJCM900までを掲載していたが、本著では新DSLシリーズまでが網羅されている。
したがって、JCM900シリーズまでのモデルについての記述は前著からの転用もところどころ見受けられるが、前著は日本語版が制作されなかったので、事実上日本語での公開は今回が初めてとなる。
また、JTM45や1959、1962といったMarshallの歴史の根幹をなすモデルについては、1993年以降も研究が進み、新しい情報や未公開写真がふんだん追加された。

さらに、前著ではあまりフィーチュアされることがなかったKen BranやDudley Craven、Terry MarshallやKen Flegg等、Jim以外のMarshallスタッフにも十分にスポットが当てられている。

20

全463ページの半分近くの紙幅を埋めんとする写真は圧巻。
希少モデルの細部にいたるまでの写真だけでなく以前に見たことのないアーティストの写真や歴史的な書類、広告等、ページをめくるたびにニヤっとさせられてしまう。
50
フォト・クレジットを見ると、存外に個人蔵のものが多い。この本を編むために多方面から集められたのだ。(頻出する「Matt York」はアメリカはフェニックス在住のフォトグラファー。50周年イベントの時にいっしょになって以来、友達付き合いをさせてもらっている)

30なんといってもうれしいフル・カラー!
こんなものに惹かれるなんて不思議だよね~?いくら見てても飽きないよ。

40ところで、監修の仕事は難航を極めた。
勝手知ったるMarshallのこと、やり出せば簡単にできるだろう…とタカをくくっていたのがそもそもの間違いだった。
『THE HISTORY OF Marshall』の原文にトライした方は少なからずお思いになったことと思うが、ノンネイティヴにとっては、なかなかに手ごわい文章が散見されるのだ。

それに加えて、ミュージシャン独特の英語表現も多く、何度も何度もイギリスやアメリカの友人にメールをして教えを乞うた。
海外で活動したことがある人には釈迦に説法となるが、せっかくの機会なので日本のギタリスト諸兄にいくつか例を示そう。

●crank : 「アンプをフルテンにする」という意味。もし、海外の人と演奏する時、「Hey, why don't you crank it up!!」なんて言われたらグイっとやって欲しい。
おもしろいことにこの「フルテンにする」という意味を持つスラングは他にもものすごくたくさんあるらしくて、「dime」なんていうのも同じ意味だそうだ。やっぱ外人は爆音好きということを物語るエピソード。
●break up : 「お別れ」という意味ではない。コレはボリュームを徐々に上げて行って、クリーンの音がクランチに変わり出すポイントを指す。日本語では「クリップ」って言うのかな?

●chunk : 右手でミュートをしながらパワーコードを8分で刻んでゾンゾンやるでしょう。アレ、「チャンク」って言うんだって。

…等々、こんなものどこの辞書を調べても出てるワケがない。英米に住んでバンドをやるか、外国の音楽か楽器の関係者に友人を持つしかない。
さらに、つまらない…というか、日本人には理解不能なジョークが結構ちりばめられている。コレは訳しようがないんだよね。そのまま訳しても到底面白くない。かといって相対する表現を考え出すのは至難のワザだ。
また、当時の文化やロックの名曲やアルバムのタイトルをシャレで引用している文章がやたら多い。
下訳をちょっと読んで意味がわからないのは大抵コレ。
おかげさまでこっちはだいぶ歳を喰ってるもんだから、古い曲はすぐにわかる。
そうでないのは、原文を読んで、ネットで調べて、それでもわからなければ海外の友人にメールして…ひとつの文章を仕上げるのに1時間近くかかってしまうなんてことはザラだった。
結局、原文をすべて読むことになったが、得たものも大きかった。

それとね、誤植かなんか知らないけど、原著にはモデルの名前や真空管の本数等の仕様に関する誤記が結構あったんですよ。
おかげさまでこっちは比較的頭に入っているのでスイスイと誤りを見つけることができたけど、コレ知らない人だったら大変なことになっていたと思う。
すなわち英語版より日本語版の方が正確ということ!

392ページにわたる原著を訳出するのはプロとはいえかなり忍耐のいる仕事だったと思う。
ここで改めて翻訳を担当された水科哲哉さんと脇阪真由さんに心から御礼申し上げる次第である。

作業としては、下訳をデータで頂き、内容をチェックしてemailでやり取りをした。その後、レイアウトした紙資料を推敲するのだが、データ段階でかなりしっかりチェックしたつもりでも、まだまだ誤りやヌケが多く、訂正を加えられた。それが下の写真。
毎日徹夜してこの作業にあたった。
もちろんこればっかりやっているワケにはいかない。
Marshall Blogは毎日更新したいし、取材に出かけなければネタに尽きてしまう。
取材に出れば、今度は写真の整理に時間を取られてしまう。
イヤ~、久しぶりにまいりましたね~。でも、自業自得なの。もっと余裕をもって作業にあたればなんてことはないハズだったのです。

そうして下の写真のように推敲を重ね、表記の統一等、細大漏らさずチェックしたものの、まだまだ断然ヌケが多く、出版社である㈱スペースシャワーネットワークのご担当、岩崎梓さんが根気強く、そして女性特有のキメ細かさでそれをフォローしてくれた。

最後には締切が目前に迫り、チェックし終えたページを次から次へと宅急便で送り、最後はバイク便で原稿の受け渡しをするに至った。
ま、ちょっとした「手塚治虫」気分?

60岩崎さんには色々ワガママを言ってしまい恐縮至極である。そのひとつが表紙の写真。
よせばいいのに、自分で撮るって言っちゃったのよ!

実は四角くて大きい被写体って撮影が難しいんですよ。
正面で撮るとなると、ゆがみが出やすくかなり、引いて撮らないとうまくいかない。こっちは1993年度版の『THE HISTORY OF Marshall』を参考に、てっきり斜めに撮るもんだと思ってるから、「やらせて欲しい!」と申し出たワケ。
それで斜めに撮っていたら先方のデザイナーさんから「やっぱり正面でお願いします」というリクエストが来たからさあ大変。
「それじゃあ」というので、ハンブルな我が「Shige Studio」を片付け直して、引きで撮れるようにした。
それが下の写真。
1959と1960AXの美麗極まりないルックスのおかげで、キャビネットのモアレが心配ではあったけど、オモテは、ま、すぐに何とかなった。

65v問題は表4の写真だった。
デザイナーさんから「裏面のパネルを開けて撮っちゃってください」との指示。「撮っちゃってください」ったって、アータ…。
まぁ、コレには滅法時間がかかった。
ご存知の通りAキャビのバッフル版には角度が付いているので、スピーカーの上2ケと下2ケに当たる光の角度がゼンゼン違うわけですよ。
ウマく光が当たったかと思うとリアパネルに写り込みが出たり、白とびしたりで難しいことこの上ない!「ドツボ」ってやつ。
それで、家内に頼んで付き合ってもらい「あーでもない、こーでもない」とレフ板の角度をミリ単位で変えながら、何時間もかかって撮影したのが下の写真。
「そんだけ時間をかけてこのザマか?!」と笑わば笑え!ああ、もうブツ撮りの仕事来ねーな…。
でも面白かった!

70その他、この時予備で撮ったJVMや1959のイメージ写真も大変気に入って頂き、何点か使って頂いた。

90本著の前書きにも記したが、株式会社スペースシャワーネットワークの岩崎梓さんにはこの場をお借りして改めて感謝の意をささげたい。ありがとうございました。

100最終的には私の苦労なんざどうでもよくて、とにかく皆さんにこの本を楽しんで頂きたい。

ロックを聴き始めた中学生の頃、ミュージックライフ誌のグラビアページで初めてMarshallの姿を目にしてからかれこれ40年近くが経つ。
あの時、まさか40年後にマーシャルに勤め、マーシャルの本の制作に携わることになろうと一体どうして想像できたであろう。
この仕事をして、またますますMarshallが好きになった。

書店で見かけた際には是非、お手に取ってご覧になってみてください。
よろしくお願いします!

110vアンプ大名鑑[Marshall編]
著 者:マイケル・ドイル、ニック・ボウコット
監 修:ワタシ
発 売:12月19日(金)
体 裁:B5判/並製/400頁強(オールカラー)
価 格:本体4,500円+税

コチラでもお買い求めになれます⇒amazon

2014年12月 2日 (火)

【私的に号外】感動した!

ちょっとイヤらしいことをして申し訳ないんだけど…。
先週、単車の話しをした時に、BBCでMarshallのドキュメンタリーが放送されるって書いたでしょ。
アレ、イギリスでは金曜日の夜10時、日本時間では朝の6時に放送されたんだけど、何とか見ようとして、アノ手コノ手でトライしたんだけどどうしても見ることができなかった。
ま、BBCの視聴料を払っているワケでもなし、そう簡単見れるワケもないんだろうけど…。

しかし、見たい。見たい、見たい、見たい、見たい、見たい、見たい、見たい、見たい!!

…ということでチョイと職権乱用させて頂いた。
つまり見たということ。
そして、感動して泣いちゃった。最近何でも泣いちゃうんだけどサ…。

当然番組の内容はMarshallの歴史ストーリーが中心になる。
ちょうど今、例のマーシャルの本を脱稿したばかりだし、今までも数えきれないぐらい「Marshallの歴史」について語らせてもらって来て、もはや耳にも舌にも指にもタコ状態なのね。
私は恐らく日本で一番回数多くMarshallの歴史についてグダグダしゃべった人間なんじゃないかな?
それが、この番組を見て感動しちゃったのよ。
さすがBBC。やっぱりBBC。
ダテに『Monty Python』も『Fawlty Towers』も『Mr. Bean』も送り出しちゃいない。

ナゼ、ジムがアンプをつくり始めたか、どうやって最初のMarshallを作ったか…もちろんこの手のMarshallの歴史は諳んじていくらでも話せるけど、実際にJim MarshallやKen Bran、Ken Flegg、Terry Marshall、Phil Wells、社長Jonathan Ellery、親友Nick Bowcottらが出てきて話した日には説得力がケタ違いなのだ。
これでもしDudley Cravenが生きていたらもっとスゴかった。

そして、もちろんMarshall関連のミュージシャンの証言がスゴイ。
Pete Townshendは出ずっぱりで、ずっと「爆音」と「歪み」の話しばかりしてるし、Mick Underwood、Big Jim Sullivan,Rick Parfitt(Status Quo)、Steve Hackett、Jon Lord、Bernie Marsden、Andt Scott(いくらSweetだからって甘いモノ食べすぎなんじゃないの?!)、Lemmy、そしてもちろんZakk、Doug、Slash。Spinal Tapも!

さらに挿入されているライブ・フッテージに感動。私は無精で細々とYouTubeをチェックしたりしないので、初めて見る画像ばかりでうれしいなったらうれしいな。
中でもうれしかったのは1965年のThe Who、Steve MarriottがMarshallに囲まれているとことか、Free(Paul Kossoffが結構映る)、それに『Old Grey Whistle Test』に出た時のThin Lizzyとかね。
一昨日、三宅さんと『Old Grey Whistle Test』の話しをしたばかりだったのでビックリ!
あ、Deep Purpleも初めてのがあった(ノンちゃんは見てるんだろうけど…)
それにしてもThe Shadowsってのはスゴかったんだね~。

あるロック・ジャーナリストがこう言う。「Claptonは『神』だったんだ。そして、Jimiは『神』を殺してしまったんだ!」
見てて思ったのは、もしMarshallがなかったらホントにロックは一体どうしていたんだろう?ってこと。コレを見たら恐らく全員が思うでしょう。
ロックがMarshallで、Marshallがロックだって。
それはサウンドだけでなく見た目も含めての話し。あまりにスゴイ業績。
そんな会社で働かせてもらっていることに感謝感激…そして涙。

それとね、まだ元気な時のJimが「Everybody Loves Somebody」を歌うシーンがある。歌い終わってニコとほほ笑むその姿で涙がドバと出てしまった。
ああ、Jimと「S'wonderful」でも歌わせてもらっておけばヨカッタ…。

これだけ書いておいて無責任なこと言いますが、皆さんもどこかでゼヒご覧頂けるように祈ってます。

やっぱりMarshallは素晴らしい!

それにしてもこの番組の宣伝のバナー、イカしてる~!

Bbc

2014年10月26日 (日)

【号外!】 Marshall Blogが2周年を迎えました!

2012年10月26日。ちょうど2年前の今日、Marshall Blogをスタートしアッという間に丸2年が経過しました。
土日祭日、盆暮れを除いて毎日更新を繰り返し、その記事の数、530回。
以前の記事も合わせると1,500回近くにのぼります。
マァ、自分でも「よ~やるわ」と思う部分もありますが、Marshallやロックの素晴らしさを伝えることにひとかたならぬ喜びと(勝手ながら)責任感を感じております。

ここまでやってこれたのもひとえにご協力いただくミュージシャンの皆様と関係者の方々、そして何よりも毎日更新を楽しみにしてくださっている読者の皆様のおかげと心から感謝申し上げます。

M2_1_2これからも身体が続く限り皆様にお届けしたいと思っています。
やたらと重いカメラをブラ下げながらコンサート会場を元気に駆け回ることは足腰の鍛錬になるでしょうし、少ない脳味噌を捻りに捻って文章を紡ぐことはボケ防止にも効果があるでしょう!

M2_2 これからもMarshall、NATAL、EDEN、そしてMarshall Blogをお引き立てくださいますようなにとぞよろしくお願い申し上げます。

そして、いつもMarshall Blogのよき協力者であり、助言者であり、批評家であり、また熱心な読者である最愛の妻にこの場をお借りして感謝の意を表させて頂きます。

(撮影:森永好明氏  ありがとうございました)

【号外】Jack Bruce逝く

ブリティッシュ・ロック界、ベースの巨人、Jack Bruceが逝去したとの報せが入った。
またか…。

…といっても、正直Creamにすら夢中になったことのない私なのでこうした追悼の号外を出す資格はないかも知れない。
ま、それでもCream時代はMarshallだったハズだし、何枚かは古いソロ作品を持ってはいる。この『Songs for a Tailor』なんかはチョットよそのロックとは違うフィーリングがあってなかなかにいい感じなのだ。

3_img_0004 下の1970年の『Thinkgs We Like』というアルバムは好きで、今でも時々引っ張り出してきては聴いている。
このアルバムでの彼は、トレードマークと言える「ジージー」唸るディストーション・ベースではなく、ウッド・ベースのプレイに集中し、ストレート・アヘッドなジャズを演奏している。
コレがCharlie Hadenみたいで実にカッコいい!
もともとはジャズの人というから驚いたり感心したりすることはないのだが…。
それと、John McLaughlin。3曲目の「Some Enchanted Dick」というバッピッシュなブルースなんてなかなかの聴きものだ。
しかも、Mel Tormeの「Born to be Blue」まで演っちゃってる。この曲は「Born 2 B Blue」としてなぜかSteve Millerもカバーしている。
詳しい来歴は知らないが、まさにこの辺りの音楽こそ「Things he liked」だったんだろうね。

ちなみにイギリスのジャズって結構好きで、George ShearingとかMarian McPartlandとかTubby Hayes等の大御所はちょっと聞き方が違うが、John Surmanだとか、Mike Westbrookとか Ian Carrみたいな比較的コンテンポラリーな人たちは、どこか密室で悪いことをコソコソやっているような感じがして好きなの。

Jack BruceはCreamやWest, Bruce and Laingあたりでロック界に名を馳せ、経済的な成功は手にしたかもしれないが、こうしたストレートなジャズ・アルバムを耳にすると、なんかもったいなかったような気がしたりもする。

3_img_0008ところで、今回、【号外】を出したのはちょっとした符号があって、その特段ファンではないJack Bruceのライブ盤を2か月前にタ~マタマ買ったこと。

それと、一週間ぐらい前に三宅庸介さんが「こんなの見つけましたよ!」とTony WilliamsのLifetime時代のMcLaughlinが、ガッツリと1967Majorのフル・スタックを背後に控えさせている写真のベースがJack Bruceだったこと。

「虫の知らせ」だったのかもしれない…と思い、こうして号外を出すことにした。
それにしても、まだ伝承作業が全然進んでいないのにジワリジワリと減っていくロック界の巨人たち。
このままいけば60~70年代に隆盛を極めた本物のロックは死滅することだろう。
拝金主義が殺すのだ。

さようならJack。

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【号外】桑名正博三回忌

月日の経つのはまったく早いもので、今日は桑名正博さんの三回忌。
たまにしかお会いできない方だったので、いまだに天国に行ったという実感が湧かない。毎晩どこかで、あのカッコいい声で、日本のロックを歌い上げているような気がするのである。

去る15日には晴子さんや喧ちゃんが集い、神戸で「三回忌フェス」なるイベントが開催された。
Marshall Blogでは過去のマサヤンにかかわる記事を読んで故人を偲ぶことにする。
ああ、マサヤンの歌が聴きたい!

<Shige Blog>桑名正博さんのこと
<Marshall Blog>マサヤン天国ロック生誕60祭<前編>
<Marshall Blog>マサヤン天国ロック生誕60祭<後編>

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2014年9月 5日 (金)

【号外!】 進撃のマーシャル

最近ちょくちょく「シゲさん、JMDってどっかで入手できませんか?」とか「もうMarshallはJMD作らないんですかね?」なんて局面に出くわす。

Marshall Blogの読者のみなさんには「釈迦に説法」となるが、JMD:1シリーズというのは2010年から2012年まで製造されたプリ・アンプがデジタル回路で、パワー・アンプ部には真空管を搭載したハイブリッド・モデルだ。
これは100WヘッドのJMD100。なつかしいな…。

Jmd100_front2 こっちは2x12"、100WコンボのJMD102。

Jmd102_front2 田川ヒロアキが1x12"、50WコンボのJMD501を愛用していることは皆さんもご存じであろう。

D_img_0219 Doug AldrichはJMD100でWhitesnakeのツアーをこなしたし、Paul Gilbertもベタぼめだった。
デジタル・プリの利便性と、バルブ・パワーの音の太さ、それぞれのいいところを組み合わせていて、その音の良さから多くのプロのギタリストがレコーディングに使って重宝して頂いた。

私もJMD:1はすごく好きなモデルで、プロモーションするのもすごく楽しかったし、ギタリストからの反応もとてもよかっただけに生産の中止が決定した時はとても残念に思ったものだ。

さて、話しは変わって、2014年9月3日(イギリス時間)、Marshallが自社のウェブサイトを通じて下のプレス・リリースを公開した。

Press Marshall BlogではもうすっかりおなじみのJonathan Ellery社長の顔が見える。

これは、Marshall社がスウェーデンのデジタル・オーディオ・ディバイス会社Softube社とパートナーシップを組んだ…という内容。

そして、SoftubeはJMD:1シリーズのデジタル・パートを担当した会社だ。

Marshallというと、かなり保守的なギター・アンプ・ブランドというイメージがあることは否めない。しかし、50年にもわたるギター・アンプ製作の経験は伊達ではない。
JMD:1でしっかりとした実績を見せたSoftubeとの提携だ…私はきっとおもしろい展開が期待できると思っている。

もちろん、これはまた最近のマーケット氾濫しているデジタル・ギター・プロダクツへMarshallなりの回答を突きつけるという意味合いにもなるであろう。
JMDシリーズを探している人たちにもきっとよい結果をもたらすに違いない。

Marshallはどんどん変わる。Marshallの進撃は止まらないのだ!

2014年8月26日 (火)

【号外!】It's a boy, Mr. Gilbert, it's a boy!

おめでたい話題をお送りしよう!
2014 年8月24日、Paul Gilbertがお父さんになった。
男の子。名前はMarlon Kanzan Gilbertくん。

この記事のタイトルはもちろんThe Whoの『Tommy』から。同じタイトルのお祝いのメールをポールに送ったら、MarlonくんをThe Whoに紹介するとか!

な~んか、いかにもポールが産んだみたいな写真だけど、実際に産んだのは奥さんのEmiさん。当たり前か…。
Emiさん、おめでとうございます!そしてお疲れさまでした!

Staticsquarespacecom ポールも人の親だぜ。さっそくこんなの作っちゃった!ロゴをよく見て!
メールにもこんなことが書いてあった。「シゲさん、MarlonもMarshallも頭文字が『M』なんだよ!」って!

もちろん返事はこうだ。「ポールさん、おめでとう!Marlonくんがギターを始めた時、アンプは絶対Marshallだぜ!」って!
毎度あり!

Congratulations Paul-tosan!

Marlonamp (写真提供:Paul Gilbert)

2014年4月30日 (水)

【号外!】SHOW-YA、最新ライブDVD本日発売!

イヤ~、昨日は素晴らしい一日だった。
子供の頃から通っている野音だけど、昨日は複数の意味ですごく印象に残るコンサートだった。

ショウは「これでもか!これでもか!」のサービス満点の超Extravaganza。またMarshall Blogでレポートさせて頂きたいとおもっているのでココでは詳しくは触れないが、今でも興奮が残る素晴らしい内容だった。

それと同じぐらいドラマチックだったのは天気。
予報では29日は雨。前日までは汗ばむぐらいの陽気だったのに、何が悲しくて『NAONのYAON』に雨を降らせるのよ!年に1回のことなんだから、その日ぐらい晴れさせろ!…と天気の神様に毒づいてやりたくもなる状況だった。

雨の野音…聞こえはロマンチックかもしれないけど、カッパ着てさ(野音は傘禁止)、寒くてさ、その割に動けば蒸れちゃって暑くてさ…ロクなことはない。しかもこっちは商売道具のカメラいくつもブラ下げて、雨を気にして撮影するなんざ、タマったもんじゃないワケ。
真夏の野音もマイるけど、このくらいの時期に、濡れずにかっぱえびせんでビールでもかッくらってSHOW-YAを観て楽しんだ方がいいに決まってる。

これは天気の神様とロックの神様がナンカ手を打ったんだね。その様子をここに再現してみよう。

ロック : 天気の神様~、これは年に一回の伝統のロックの祭典なんですよ~。天気ナントカしてくださいよ~。
天気 : イカン、イカン、その日は雨とキマっとるんじゃ!
ロック : そこをなんとか!だってこれは世界でもまれに見る女の子だけのロックのお祭りなんですよ~!
天気 : ナニ!女の子だけとな?ロックの王国、イギリスですらそんなお祭りはありゃせんのに…。それじゃ、そのコンサートの間だけ雨を止めておいてやろう。
ロック : ありがたや~!

こんなことだったに違いない。
その証拠に、開演中はほ~んのちょっと湿ったものの、降らないに等しかった。かわりに帰る頃には天気の神様の言う通りシッカリ降り出したもんね。
しかも、今日の東京の降りよう!一日ズレていたらそれこそ大変なことになるところだった!
この素晴らしいイベントにMarshallとして、NATALとして、そしてフォトグラファーとしてお手伝いできたことを誇りに思っている。

さて、その翌日の今日、年末にZEPP DYBER CITYに開催された 『熟女なめんなよ!歳忘れ暴れ倒しGIG~』のDVDが発売となった!
このコンサートも素晴らしかったね~。Marshall Blogですでにレポートさせて頂いた。
そして、こうして実際に動くSHOW-YAの姿に接することができるのだからうれしいことこの上なし!

また付属の写真集がうれしいね!これも私めが撮らせていただいた写真でござるが、こうして立派な形に仕上げていただけるとは光栄至極。また家宝がひとつ増えた。

どうか皆さんお手に取ってお楽しみあれ!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

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2014年1月10日 (金)

【号外!】New Marshall Official Web Site Unveiled!!

イギリス本家のMarshallのウェブサイトが全面的に改訂されました。
メッチャ、ソフィスティケイテッドされた~!
ちょっと見てみて!
↓   ↓   ↓  ↓
Marshall Amps Official Website

記憶は定かではないけれど、Marshallがウェブサイトを立ち上げたのはまだModefourが発売される以前のことだったから10年チョット前ぐらいかな?
その後大幅に4回ぐらい大きな改訂を実施してきたけど何といっても今回が最大だ。

このMarshallのやり方をザッと観測しただけでもfacebookやTwitterの出現、ハードの多様化、動画の活用だのインターネットの活用の仕方等、ウェブサイトの在り方が劇的に変化あるいは進化したことが手に取るようにわかる。
マーブロも負けていられんわい!改訂はしないけどね。中身で勝負!

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2013年12月11日 (水)

【号外】ジム・ホールを偲んで

ジャズ・ギタリスト、Jim Hallも鬼籍に入ってしまった。

Marshallから最も遠いところに位置する、リリカルなプレイをするギタリストのひとりかもしれない。恐らく生涯一度もMarshallでギターを弾かなかったんだろうな…。

『Jazz Guitar』、『It's Nice to be With You』、『Where Would I Be?』、『Concieto』、『Live!』、『Live in Tokyo』等のリーダー諸作、『Interplay』、『Undercurrent』『Alone Together』等のデュオ作、Art FarmerやRollins、Chico Hamiltonらとの諸作等、結構聴いてきてはいるものの、実は若い頃、イヤ、最近まで苦手だった。おとなしすぎちゃって…。

それでも、ここ数年は私も歳を取ったせいか、そのギターをギターらしく弾くJim Hallの至芸の片鱗が理解できてきたのか、またCD棚から引っ張り出してはよく聴いていた。

ご本人にはお会いしたことはないし、ナマの演奏も観たことがない。しかし、思い出がひとつある。
それは、今から1999年あたりにニューヨークに行った時のこと。ギター好きの現地の友人が「Jim Hallが亡くなったというウワサだ…」と教えてくれた。
そして、その友人が当時コロンバス・アベニューに住んでいたギタリストのJack Wilkinsの家に連れて行ってくれた。(愛用のBenedettoを抱えてJackと撮った一枚の写真は私の宝物だ)
ドアをノックすると、中から待ち構えていたかのようにJackが飛び出して来て、いきなりこう言った…「Jimは本当に亡くなったのかッ?!」だった。その時はピンピンしていた。
今、本当に亡くなって、またジャズの巨人がひとり減ってしまった。

Jackは「Banrey(Kesselのこと)ももうギターを弾くことができないらしい…」と寂しそうに言っていたことも思い出した。

たくさんの音源が残されているが、一番好きなプレイはリーダー・アルバムではなくて恐縮だが1964年の『Stitt Plays Bird』かもしれない。
縦横無尽にパーカー・スタンダードを吹きまくるSonny Stittの影の、聴こえるか聴こえないぐらいの音量で猛然とスイングする四つ切りはまさに超絶。ちょっとした速弾きよりもはるかにムズカシイだろう。というか、私などどんなに練習しても一生できまい。

Spb 一回ぐらい観とけばヨカッタ。
またひとつ後悔が増えてしまった。
Mr. James Stanley Hall…安らかにお眠りください。

2013年9月 4日 (水)

GRANRODEO LIVE 2013 ヤッホー ワンダホー FUJIYAMA!! <前編>

はじめてやって来ました富士急ハイランド・コニファーフォレスト!

日本で最長のロックフェスティバルのひとつ「サウンドコニファー229」。その流れで去る7月20&21日、『GRANRODEO LIVE 2013 Y・W・F /(^o^)\ヤッホーワンダホーFUJIYAMA!!』が開催された。
10天気はいいし、渋滞はないし、実に快適な小旅行、イヤイヤ、出張取材!
来る途中に寄った中央道のサービスエリアにはGRANRODEOロゴの入ったシャツを着た女の子や男の子がゾ~ロゾロ。
もう同中からして「ヤッホーワンダホー」気分で楽しいなったら楽しいなっ!

最近やたらとテレビで紹介している吉田のうどんを食べて会場へやって来たのであった。
しっかし安いナ、この吉田のうどんは!キャベツが入っちゃってるところがおもしろいね。ちなみにこれは「吉田うどん」と呼んではイケないらしい。「吉田うどん」が正しいそうだ。

20vこれがステージ。
30しかし暑い!

40ステージ上では本番前の最後のチェックに大忙し。

50ステージにはGRANRODEOにはつきもののMarshallフル・スタックの壁!

60vやっぱりいいね~、Marshallの壁は!ロックだゼ~、ワンダホーだゼ~!

70vステージそでにセットされたe-ZUKAさんが実際に鳴らしている2台のDSLと1960A。

75v今回は2daysの構成だ。
初日が『2013 Y・W・F /(^o^)\ヤッホーワンダホーFUJIYAMA!!』、2日めはバラエティに富んだ出演者を迎えて『ROUND GR』と銘打たれた。
要するにGRANRODEOの夏祭りだ~!
取材にお邪魔したのは初日ね。

80開演直前!イザ出陣!

90今か今かと開演を待ちわびるお客さんの熱気が余計に気温を上げる!

100まずはオープニング・アクトのReyが登場。

110リーダーの坂本尭之。
以前、瀧田さんが怪我で演奏できなくなった時、コピーバンドをしていた彼がトラでGRANRODEOに参加したという。私、こういう話し大好きなんだよね。緊張したけどうれしかったろうナァ~。

120
原田謙太(!)

130v寺園健二

140v田崎慎也

150
岡田峻洋

160v短い時間ではあったが、すさまじい元気とパワーでスッカリ会場を盛り上げてしまった。
後日、都内のライブハウスで、あるミュージシャンに会いに来た彼らとバッタリ遭遇!
「ヤアヤア、あの時の!」なんて再開を喜んだが、ナ、ナント、Reyは8月31日をもって解散してしまったそう。もったいない!解散後もメンバーのみんなの活躍をお祈りしています!ナニをやってもアンプはMarshallよ!

170vこれは今回のコンサート・プログラム。
めちゃカッコいい!
それもそのハズ、デザインを梅村デザイン研究所(梅デ研)が担当した。
梅デ研はMarshall BlogやShige Blogのバナーのデザインをしてくれた下町のヒプノシスだ!

Ws_img_1036いよいよGRANRODEOのROCK SHOWが始まる!
でも雲行きが怪しくなってきたゾ…いいの、いいの、コレぐらいの方が暑くなくて!

180ダンサブルな曲で文字通りダンサーがゾロゾロと登場!

190三味線のKIJIとリズム隊が加わり独特のサウンドを奏でる。

200そして、後方より現れたるGRANRODEOのふたり!

210悠然と階段を下る2人に大歓声が送られる。

220GRANRODEO登場!
1曲目は『Y.M.F』。

230いいね~、この二人には派手すぎるぐらいの演出がよく似合う。

240
e-ZUKA

260vKISHOW

270ve-ZUKAさんの衣装…キモノだよ!

271vってんで舞うe-ZUKAさん!

272v全然恥ずかしがらない!

274vすっかりこの自分たちの夏祭りを楽しんじゃってるよ~!

275vKISHOWさんもノリノリ!

276v
2曲んに持ってきたのは「欲望∞」。

277vストレートでヘビィな8ビートに(ここ「∞」と「8」をかけてます)大興奮!

280
冒頭から冴えわたるギター・プレイ!
281vやっぱりGRANRODEOのステージにはMarshallの壁が映える。本物のROCk SHOWにふさわしい光景だ。

282そして3曲目は「ケンゼンな本能」だ!

283v曲が進むにつれてテンポ・アップした曲を持ってくるところがニクイ!コンサートでもアルバムでも重要なのは2曲目以降なのだ(私的持論)。

290vリズム隊は不動の瀧田イサムと…

300v長井VAL一郎!
今日も思い切りドライブさせまくり!

310vMCをはさんで演奏したのは…

320「チキン・ヒーロー」。
しっかしカッコいい声だナァ~。男が聞いてもウットリしてまうわ!
340e-ZUKAさんのギター・サウンドにもウットリだ。
どっちの水もア~マイぞ!e-ZUKAさんはAm(アーマイナー)…ナンチャッテ…(写真で実際に抑えているのはGbかな?)。

330vギター・ソロの時以外のe-ZUKAさんのアクションは見逃せない!たいていナンカやってる!

350私もロックを聴きだしてソロソロ40年になる。…ということは少なくとも40歳以上にはなっていることは読者の皆さんもウスウス感じていることだろう。
え、ザケンナよ!ってフィーリング?
歳の話しはよそう。
洋の東西を問わず、今までいったいどれだけたくさんの歌声を耳にしてきたことか…。
その中にあって自分にとってKISHOWさんの歌はすごく特殊な位置づけにあるような気がする。
ナント言うのかな~、音楽を奏でるのに「歌が声を必要としている」のではなく「声が歌を必要としている」って言うのかな?うまく言えないけど、今までにないロックの歌なのだ。
360v_2やはりそれもよい素材あっての話し。e-ZUKAさんが書く曲がその最高のロック・ボイスを際立たせていることは言うまでもない。

370とにかく飛ばしまくる前半戦!

380v「CANNON★BALL」。

385炸裂するe-ZUKAさんのギターソロ。あくまでも曲を重視したソロだ。曲のイメージを変えたり壊したりするような突飛なことはしない。音を選ぶソロだ。
386vここから数曲、ホーンセクションが加わりさらにサウンドに厚みを増す。

390やっぱいいナァ~、e-ZUKAさんのギターの音!エロチックだ!

400再びダンサーが加わり視覚的にも超豪華!

420曲は「サマーGT09」。
410続いては「恋のHEAT WAVE」。

430_2e-ZUKAさん、ダブルネックに持ち替え。
440vドワ~、12弦側のヘッドから水が噴き出した~!

450vダンサーまで水鉄砲持ってるし!

460KISHOWさんはホースのままで!

470vもうステージ前はビッチョビチョ!とりあえずカメラが濡れないように…と。

480カンカン照りならよかったんだけど、この天気だとチト寒い。でも、濡れた服も熱気ですぐに乾いちゃうんだけどね!

490それにしても楽しそうだニャ~!

500vこれにてワンダホー・ダンサーズの皆さんは新宿へ直行。これからもうひと仕事だそうです。

ひとしきり水を浴びた後は「Urban Sweet」。

そして<後編>につづく!

510
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

515(一部敬称略 2013年7月20日 富士急ハイランド・コニファーフォレストにて撮影)



2013年6月21日 (金)

【意地の号外!】Van Halenがやって来た!~Way Back When in '78

ナンダ、ナンダ、一体どれだけのギタリストが今日は後楽園へ行っちゃってるのよ?!

何でもVan Halenの東京ドーム公演だそうで…。

悔しいから公私混同の【号外】出してみた。いつも公私混同か…。

アタシャね~、初来日公演観てんだよ。1978年6月19日の新宿厚生年金会館大ホール。

得意のコンサート・プログラム攻撃だッ!

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もうこの頃には前座の制度がなくなっていたけど、Van Halenはまだファースト・アルバムを出したばかりで演目が少なく、上演時間が短いため、異例の処置で前座が付いた。東京公演はRed Shockというバンドだった。偶然にもドラムの方を存じ上げていたのでよく覚えている。

確かにデビュー・アルバムの曲を全曲演奏したハズだ。「I'm the One」と「Eruption」が印象に残っている。みんなあのティララティララ(まだライト・ハンド奏法なんて言葉はなかった。でもSteve Hackettは5年前の『Selling England by the Pound』の中の「Dancing with the Moonlit Knight」という曲ですでに完全にこのテクニックを使っている)に目が点になっていた。

まだ厚生年金会館大ホール(これももうなくなっちゃったね)かサンプラザで演奏していたんだよね。満員だったけど。確かチケットは3,000円だった。

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「HARD ROCK!!」とうキャッチコピーがかえって新鮮なプログラムの中身。この年には他にLittle Feat(コレも行った)、Suzi Quatro、それにBay City RollersのOBのPat McGlynn(!)らが来日している。まだまだいい時代だね。

このバンドが出てきた時は本当に大騒ぎだった。夢中になった先輩はLPを買ってきて、A面を聴いて、ひっくり返さずにまずA面だけを5回連続で聴いたって言ってたっけ。そんなバカな…。

それに長らくご無沙汰していたギター・ヒーローが返ってきた瞬間でもあった。改造Marshallとのコンビネーションが作り出すBrown Soundも衝撃的だったもんね。

でも、これ以降、Eddieがギター・テクニックを思い切り進化させてしまったおかげで、ギター界は速弾き天国、右手天国となってしまい、金太郎アメ状態になり、かえって行き詰ってしまった。これはジャズやクラシックの歴史とまったく同じ。

また、一方ではパンクやニューウェイヴの台頭もあって、結果的にあまりに高度なギター・テクニックが皮肉にも若者のギター離れ現象を引き起こしてしまったという見方もあるにはあると思うのだ。

私はいつもアンチ・ヒーローなのでこのバンドを夢中になって追いかけたことはないが、でも、本当に出て来た時はカッコよかった。あの1曲目の「カリン!」を聴いただけで鳥肌が立ったもんだ。

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一緒に行った友達が終演後、「今度来日したら武道館だな…」と言っていたのを思い出すな。そして、本当に次の来日時には武道館でコンサートを開いていた。

それが今では東京ドームか…。今頃、♪ティララティララってやってる頃かな?みなさん楽しんできてチョーダイ!

つまらん号外でゴメンね。Led ZeppelinもDeep PurpleもBBAも見ることができなかった憐れな私だもん…これぐらい書いてもいいでしょ…。

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2013年5月21日 (火)

【号外】ジョン・ロード逝く!

Shige Blog 2012年7月17日初出

現在『イギリス紀行2012』で活躍中のマーシャルのスティーヴ・ドーソンから突然メールが来た。

"Oh!, no, Jon Lord has died :-("

またか!

またしてもロック界は大きな大きな才能を失った。ジョン・ロード、享年71歳。

ディープ・パープルの総帥として長年にわたりハード・ロック界をリードし、セッション・プレイヤーとしてはザ・キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」のレコーデング等に参加した才人。

マーシャルはかつてPAやオルガンのアンプのビジネスをかなり積極的に展開していた時代があった。そして、マーシャルのキーボード・アンプというと必ず出る名前が「ジョン・ロード」だった。

どこかでも触れたが、ディープ・パープルのMarkIIはギター・アンプは当然、ベースもキーボードもアンプ類はすべてマーシャルを使用していた時期があり、マーシャル商品のデモンストレーション・コンサートまでしたことがあったという。これは見たかった!

私は残念ながらジョン・ロードの演奏は見たことがない。

2009年にディープ・パープルとイングヴェイ・マルムスティーンのダブル・フィーチュア・ショウがあった。その時、まだ開発中であったイングヴェイのシグネイチャー・モデル、YJM100のできたてのプロトタイプをイングヴェイに見せに、マーシャルのサンチャゴ・アルヴァレスとふたりで東京国際フォーラムに持って行った。

その時はキーボードはドン・エイリーで、演奏はされなかったがジョン・ロードもいっしょに来日していて、バックステージでお会いすることができた。「お会いすることができた」というより「お見かけした」という方が断然正確か…。髪やひげまで、上から下まで白い装束に包まれ、とてつもない気品に満ちあふれていた。何しろ名前からして「Lord」だからね。バックステージでの彼は、「ピリピリしたオーラ」というよりも先に「イギリス紳士」という印象が強かったナ。

こうして、ひとつひとつ、偉大なロックの財産を我々は失っていくのだ。ジョン・ロードを、そして、ディープ・パープルの音楽を愛する皆さん、彼らの偉大な才能を、ロックの素晴らしさを後進に伝えていこうではないか!

"Jon passes from Darkness to Light"…遺族の言葉だそうだ。

個人のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。